マクロビオティックの資格を取得するメリットと活かせる仕事とは?
記事更新日:2024年6月11日海外のモデルや歌手などにも多く支持されているマクロビオティック。「海外で生まれた健康法」と思われがちですが、実は最初に日本人が提唱した生活・食事法です。近年では、健康や美容意識の高い女性を中心に、日本でもマクロビオティックを実践する人が増えてきました。
ここでは、マクロビオティックを学ぶメリットや、マクロビオティックの資格を活かせる仕事などについて解説します。
目次
マクロビオティックとは?
マクロビオティックは「マクロビ」とも呼ばれ、海外セレブが生活に取り入れていることから、日本でもよく知られるようになりました。しかし、マクロビオティックという言葉は聞いたことがあっても、「具体的にどんなものかよくわからない」という人は多いかもしれません。まずは、マクロビオティックの基本となる考え方について知っておきましょう。
自然と調和をとりながら健康な暮らしを実現する考え方
マクロビオティックは、「マクロ(大きな)」「ビオ(生命)」「ティック(術・学)」という3つのワードを組み合わせてできた言葉で、「長く、大きく(思いきり)生きるための学問」を指します。
食事と関連付けて語られることの多いマクロビオティックですが、単なる食事法を表すものではありません。日本の伝統食をベースにした食事で、自然と調和し、健康な暮らしの実現を目指すのが、マクロビオティックの考え方なのです。
マクロビオティックの2つの原則
マクロビオティックの始まりは、日本の思想家・桜沢如一氏が、医師・石塚左玄氏の「食物養生法」と東洋思想の「陰陽五行」の考え方をベースに提唱した、「玄米菜食」という自然に則した食事法です。その後、体系化され、欧米を中心に広まっていきました。
マクロビオティックを実践するための基本は「食」であり、「食生活を変えることで、自然に即した生き方をしよう」というのが基本理念です。その中心となるのが、「身土不二(しんどふに・しんどふじ)」と「一物全体(いちぶつぜんたい)」という2つの原則です。
- 身土不二
- 身土不二は、体と土地(環境)を一体と捉える考え方です。自分の暮らす土地の旬の物を食べることが自然と調和し、体のバランスをとるとされています。
- 一物全体
- 一物全体は、「ひとつの物を丸ごと食べる」という意味です。食べ物は丸ごとの状態でバランスがとれているとして、皮や根、葉まで、できる限りすべてを食べることを良しとする考え方です。
バランスを大切にする「陰陽調和」
陰陽とは、この世のあらゆるものは「陰」と「陽」の2つに分類され、その調和を重んじるという思想です。マクロビオティックでは、この陰陽を食材や調理法、調味料の使い方などにあてはめて考えます。食材なら上に向かって伸び、体を冷やす作用のある物を「陰」、地中に向かって伸び、体を温める作用のある物を「陽」に分類し、陰陽どちらかに偏ることなく双方を組み合わせてバランスをとるようにします。
マクロビオティックの知識を学ぶ方法は?
健康面でさまざまなメリットのあるマクロビオティックですが、やり方を間違えるとさまざまなバランスを崩してしまう可能性もあります。そのため、マクロビオティックを実践するには、正しい知識が欠かせません。マクロビオティックの知識を学ぶには、主に次のような方法があります。
書籍などで独学する
マクロビオティックに関する書籍はたくさん販売されていますので、活用して独学するのもひとつの方法です。しかし、どのような書籍を選べばいいのか迷ってしまうこともあるため、マクロビオティックの知識を体系的にバランス良く身に付けるには、完全独学では難しいかもしれません。
スクールに通う
マクロビオティックを専門に学べるスクールに通えば、基礎から実践まで幅広く勉強することができるでしょう。しかし一定期間通学する必要があるため、ある程度まとまった時間と費用をかけられる人向けの方法といえます。
通信講座で資格を取得する
マクロビオティックの資格は、通信講座でも取得することができます。通信講座なら自分の好きなペースで学べるので、仕事や家事、育児で忙しい人でも、スムーズに資格取得を目指せるでしょう。
日々の暮らしにマクロビオティックを取り入れるメリットとは?
マクロビオティックを暮らしに取り入れると、どのような変化があるのでしょうか。続いては、マクロビオティックを実践することによって期待できる効果をご紹介しましょう。
健康を意識した食生活を実践できる
現代人は、ジャンクフードやインスタント食品の食べすぎなど、食生活の乱れが問題視されています。野菜や穀物を中心に食べるマクロビオティックを取り入れることで、バランス良く栄養を摂取でき、ビタミン不足などの問題も解消されるでしょう。理論や考え方を知ることで、自然と健康的な食生活へと変わっていくはずです。
胃腸の調子を整え、体力アップにつながる
腸内環境を整えるために大切だといわれているのが、食物繊維です。玄米菜食を中心とし、野菜なども皮ごと食べるマクロビオティックでは、食物繊維を多く摂取することができます。よく噛んで食べることで消化吸収を高め、胃腸への負担を減らすと同時に、体に栄養を吸収できるため体力アップも期待できます。
空腹感を抑え、ダイエットに役立つ
マクロビオティックの食べ物の基本に、玄米があります。食物繊維を多く含むため、白米に比べて消化に時間がかかります。空腹感を覚えるまでに時間がかかるため無駄な間食がなくなり、ダイエットにも役立つでしょう。さらに、よく噛んで食べるので脳が満腹を感じやすくなり、食べすぎを防ぐことができます。
ゴミや無駄が減る
食材を丸ごと食べる一物全体を実践すれば、野菜の皮をむいたり葉を取り除いたりする必要がありません。生ゴミが大幅に減る上、調理時間の短縮にもつながります。食材を買いすぎて無駄にしてしまうようなことも少なくなるでしょう。
地域に貢献できる
身土不二の考えに基づき、地元の旬の食材を積極的に食べるようにすると「地産地消」につながり、地域の経済活性化に貢献することができます。その土地ならではの食材を知り、地域への愛情がより深まるかもしれません。
マクロビオティックに関する資格の取得はこんな人におすすめ!
マクロビオティックの正しい知識を身に付けるために効果的なのが、資格を取得することです。特に次のような人に、マクロビオティックに関する資格はおすすめです。
自分や家族の健康を守りたい人
糖尿病や高血圧などの生活習慣病は、暴飲暴食や塩分過多といった食習慣の乱れも原因のひとつといわれています。マクロビオティックを実践して食生活を整えれば、病気の予防と健康維持につながるでしょう。日々の食卓から家族の健康をサポートすることができます。
食事で体質改善を目指したい人
体を温める「陽」の食べ物と、体を冷やす「陰」の食べ物のバランスを重視するマクロビオティックは、冷え性の改善にも役立つといわれています。また、ダニやほこりといった環境が原因とされるアレルギーなどの改善を目指し、マクロビオティックが活用されているケースもあります。
栄養バランスを無理なく改善したい人
栄養バランスの重要性はわかっていても、バランスの良い食事とは具体的にどういうものかを理解できている人は、意外と少ないものです。資格取得を通してマクロビオティックを専門的に学べば、普段の食事にどの栄養素が足りないか、どの栄養素をとりすぎているかがわかるようになります。毎日の献立に頭を悩ませることも少なくなるでしょう。
キャリアアップを目指す人
健康志向の高まりとともに、マクロビオティックのメニューを取り入れたカフェやレストランが増えてきています。また、マクロビオティックの考え方は、食品メーカーなどからも注目を集めています。資格を取得すれば、健康や美容、食品関連など、幅広い業界でのキャリアアップに活かせるでしょう。
マクロビオティックに関する資格とは?
マクロビオティックに関する資格には、さまざまな種類があります。ここでは、通信講座で取得可能なマクロビオティックの資格について紹介します。
マクロビオティックマイスター
マクロビオティックマイスターは、日本安全食料料理協会(JSFCA)の認定資格です。マクロビオティックの基礎知識や実践するときの注意点、使用する食品、季節ごとの食材といった知識が身に付きます。
マクロビソムリエ
マクロビソムリエは、日本インストラクター技術協会(JIA)の認定資格です。マクロビオティックの三大理論である、野菜の選び方、季節に応じた食材、油の使い方などのほか、マクロビオティックを実践するために必要なスキルが身に付いた人が認定されます。
マクロビオティックに関する資格を活かせるフィールドは?
マクロビオティックに関する資格を取得すると、次のようなフィールドで活躍することが可能です。
カフェやレストランなどの飲食業界
近年では、マクロビオティックをコンセプトにしたカフェやレストランが続々と登場しています。また、一般のカフェやレストランでも、地産地消が重要なテーマになっています。マクロビオティックのメニューで他店との差別化を図る上でも、飲食業界における有資格者へのニーズは高いといえるでしょう。
料理教室
マクロビオティックの認知度が高まるにつれて、「家庭で作りたい」という声も増え、専門的に学べる料理教室が人気を集めています。資格を通して身に付けた知識を活かして、料理教室でマクロビオティックの考え方や食材の選び方、実践的なレシピなどを教えることができます。
スポーツクラブやフィットネスクラブ
スポーツクラブやフィットネスクラブは、健康増進やダイエット目的で訪れる人が多い場所です。マクロビオティックに関する資格を活かせば、無理なく体力アップを目指せる食事指導を行えるでしょう。経験を積み、パーソナルトレーナーとして活躍する道もあります。
医療施設や介護施設
病院や高齢者福祉施設では、健康維持や体調管理のためにマクロビオティックの理論を取り入れているケースが少なくありません。正しい知識で人々の健康を守るため、マクロビオティックの専門家である有資格者が求められています。
独立して講師活動やカフェ開業
資格を活かして、セミナーやイベント、カルチャーセンターなどで講師として活動することも可能です。マクロビオティックの知識に加えて、店舗運営やサービスのノウハウを身に付ければ、自分の理想とするマクロビオティックカフェを開業することも夢ではありません。
マクロビオティックの資格保有者は、ますます活躍が期待される存在に!
マクロビオティックの認知度は、近年高まりを見せていますが、専門的な知識とスキルを持つ人はまだまだ少ないのが現状です。
マクロビオティックに関する資格を取得すれば、飲食業界をはじめ、食と健康に関わる広い分野で活かすことができるでしょう。日々の食生活を整えたい人やキャリアアップを目指したい人にも、マクロビオティックに関する資格取得がおすすめです。
よくある質問
- Q1:マクロビオティックの知識を学ぶ方法は?
- A:マクロビオティックの知識を学ぶには、主に「書籍などで独学する」「スクールに通う」「通信講座で資格を取得する」といった方法があります。
- Q2:マクロビオティックの資格取得はどんな人におすすめ?
- A:特に次のような人に、マクロビオティックに関する資格はおすすめです。
・自分や家族の健康を守りたい人
・食事で体質改善を目指したい人
・栄養バランスを無理なく改善したい人
・キャリアアップを目指す人 - Q3:マクロビオティックに関する資格はどのようなものがある?
- A:マクロビオティックに関する資格には、さまざまな種類があります。通信講座で取得可能な資格としては、日本安全食料料理協会(JSFCA)の「マクロビオティックマイスター」や日本インストラクター技術協会(JIA)の「マクロビソムリエ」といった資格があります。
- 通信講座のSARAスクール編集部
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心理カウンセラー資格やリンパケアセラピスト等の体系資格、食育資格などを扱うSARAスクール編集部が運営するコラムです。主に女性向けのキャリアアップやスキル習得を目的とした講座が多く、家事や育児と両立しながら学べる環境が整っています。資格取得を目的とした講座も充実しており、仕事や日常生活に活かすことが可能です。