カラーマーケティングとは?事例や効果・捨て色について!
記事更新日:2024年10月23日色は私たちの生活に深く根付いており、商品やブランドのイメージ形成に大きな影響を与えています。しかし、色の持つ力を意識的に活用しているビジネスパーソンはどれほどいるでしょうか。適切な色の選択は、顧客の心理に働きかけ、購買意欲を高める可能性があります。
ビジネスにおいて商品やサービスの販促に力を入れるなら、色の効果についても理解しておいたほうがよいです。色によっては、人は知らないうちにさまざまな影響を受けています。この効果を利用した方法が、カラーマーケティングです。カラーマーケティングを活用すれば、販促の効果をより強めることが可能です。
今回は、カラーマーケティングの効果について説明します。具体的に、それぞれの色がもつ効果について紹介するので、色がもつ効果について知りたい人はぜひ参考にしてみてください。
目次
カラーマーケティングの基本概念
カラーマーケティングは、色彩心理学の知見を応用したマーケティング手法です。色が人間の感情や行動に与える影響を戦略的に利用し、商品やブランドの魅力を高めることを目指します。1920年代に万年筆メーカーが黒色一辺倒だった軸のカラーバリエーションに赤を追加したのも、カラーマーケティングの先駆的な例として挙げられます。 色はただの視覚的な要素ではなく、私たちの心理や行動に深く関わっています。例えば、赤色は活力や情熱を象徴し、食欲を刺激する効果があるとされています。そのため、飲食店の内装や食品パッケージに多用されることがあります。一方、青色は冷静さや信頼感を与える色として知られており、多くの企業がコーポレートカラーとして採用しています。 このように、色には固有のイメージや効果があり、それらを理解し適切に活用することがカラーマーケティングの基本です。しかし、色の効果は文化や個人の経験によっても異なるため、ターゲット層を十分に分析し、適切な色を選択することが重要です。
色が消費者心理に与える影響
色は消費者の購買行動に大きな影響を与えます。実際、ある調査によると、消費者の93%が商品の購入決定において色が重要な要因になっていると感じているそうです。それでは、具体的にどのような色がどのような心理的効果をもたらすのでしょうか。
赤色の効果
赤色は、エネルギーや情熱を象徴する色として知られています。この色は、人々の注意を引き、行動を促す効果があります。そのため、セールや割引の告知によく使用されます。また、飲食業界でも赤色がよく使われますが、これは赤が食欲を刺激するとされているからです。多くのファストフードチェーンのロゴに赤が使われているのは、このような効果を狙ったものと言えるでしょう。
青色の効果
青色は、安心感や信頼性、知性を表す色とされています。そのため、銀行や保険会社など、信頼性が重視される業界で使用されることが多いです。また、青色にはリラックス効果もあるため、スパやリゾート施設のブランディングにも活用されることがあります。
その他の色の効果
黄色は明るく目を引きやすい色で、ポジティブな印象を与えるため、購買意欲を高める効果があります。緑色は自然や安らぎを連想させ、健康食品やエコロジー商品のパッケージに使用されることが多いです。オレンジ色は赤よりもやわらかい印象を与え、社交的でフレンドリーなイメージを演出します。ピンク色は柔らかさや女性らしさを象徴し、特に女性向けの商品の販促に効果的です。紫色は高級感や神秘性を感じさせ、高級ブランドや高価な商品のイメージを高めるのに役立ちます。 これらの色の効果を理解し、適切に活用することで、消費者の感情や行動に影響を与え、購買意欲を高めることができるのです。
4大販売色の活用法
カラーマーケティングにおいて、特に重要とされる4つの色があります。それが「4大販売色」と呼ばれる白・黒・青・赤です。これらの色は、それぞれ異なる心理的効果を持ち、商品やブランドの魅力を効果的に引き立てる力があります。
赤色の戦略的活用
赤色は、先述の通り情熱や活力を象徴し、食欲を刺激する色です。そのため、食品や飲料のパッケージに多用され、消費者の注意を引きつけます。また、セールやプロモーションでの使用も多く、購買意欲を掻き立てる効果があります。例えば、ECサイトの「購入」ボタンを赤色にすることで、クリック率が向上する可能性が高まるのです。
青色の信頼感醸成
青色は冷静さや信頼感を与える色です。医薬品や清涼飲料水などのパッケージに適しています。また、青色は世界的に好まれる色であり、幅広い層に受け入れられやすいという特徴があります。企業のロゴやウェブサイトのデザインに青を使用することで、ブランドの信頼性や安定性を印象づけられるのです。
白色の清潔感演出
白色は清潔感や純粋さを象徴し、日用品や生活家電などのパッケージに用いられることが多い色です。明るく開放的な印象を与えるため、消費者に安心感を提供します。また、他の色と組み合わせることで、それらの色をより鮮やかに見せる効果もあります。例えば、化粧品のパッケージに白を基調として使用することで、製品の清潔さや純粋さを強調することができるのです。
黒色の高級感演出
黒色は高級感や重厚感を表現する色で、AV家電や高級アルコール飲料などのパッケージデザインに利用されます。黒色は隣接する色を引き立てる効果もあり、商品の価値を高める役割を果たします。例えば、高級ブランドのロゴやパッケージに黒を使用することで、製品の品質や価値を視覚的に強調することが可能です。 これらの4大販売色を適切に組み合わせることで、より効果的なマーケティング戦略を立てることが可能になります。ただし、ターゲット層や商品の特性、ブランドイメージなどを考慮し、最適な色の選択と組み合わせを行うことが重要です。
捨て色マーケティングの戦略
カラーマーケティングにおいて、「捨て色」という概念があります。捨て色マーケティングとは、消費者の選択行動に影響を与えるために、意図的に人気のない色を商品ラインナップに加える戦略です。比較対象としての役割を果たし、他の色の商品がより魅力的に見えるようにする効果があります。
捨て色の効果
捨て色を使用することで、主力商品やメインカラーの魅力を引き立てることができます。例えば、ある色が売れ筋である場合、その色と対照的な捨て色を置くことで、売れ筋色の商品が一層目立つようになります。これにより、消費者は「捨て色」とされる商品を避け、他の選択肢に目を向けるようになり、結果として購買意欲が高まる効果が期待できます。 さらに、捨て色の存在は商品ラインナップに多様性を持たせ、ブランドの幅広さを演出する効果もあります。また、一部の消費者にとっては、捨て色こそが個性的で魅力的に映る可能性もあり、予想外の需要を生み出すこともあります。
捨て色の選び方
捨て色を選ぶ際は、主力商品の色と対照的な色を選ぶことが重要です。例えば、赤や青が主力商品の色である場合、それらと対照的な色である緑や茶色などを捨て色として使用することができます。ただし、捨て色を選ぶ際は、ブランドイメージや商品の特性を考慮し、適切な色を選択することが大切です。 また、捨て色を選ぶ際には、ターゲット層の好みや文化的背景への考慮も必要です。さらに、季節性や流行のトレンドも捨て色選びの重要な要素となります。時には、あえて主流から外れた色を選ぶことで、ブランドの革新性や独自性をアピールすることもできるでしょう。
捨て色の活用例
アパレル業界では、捨て色マーケティングが活用されることが多いです。例えば、春夏シーズンの商品ラインナップに、あえて秋冬らしい暗い色の商品を少量加え、明るい色の春夏商品がより魅力的に見えるようにする戦略があります。また、家電製品でも、人気色のほかに、あえて地味な色や奇抜な色を加えることで、主力商品の魅力を引き立てる手法が使われます。 さらに、化粧品業界では、定番色に加えて季節限定の特殊な色を出すことで、主力商品の魅力を引き立てつつ、コレクター心をくすぐる戦略を取ることもあります。自動車業界でも、主力となる無難な色に加えて、あえて派手な色やユニークな色を少量生産することで、ブランドの多様性をアピールする例も見られます。 捨て色マーケティングは、消費者の心理を巧みに利用した戦略ですが、使い方を誤ると逆効果になる可能性もあります。そのため、ターゲット層の好みや商品の特性、市場動向などを十分に分析し、適切に活用することが重要です。
ECサイトにおけるカラーマーケティングの応用
インターネットの普及に伴い、ECサイトの重要性が高まっています。ECサイトにおいても、カラーマーケティングの原則を適用することで、ユーザーエクスペリエンスの向上や購買率の増加を図ることができます。
ボタンカラーの重要性
ECサイトにおいて、「購入」や「カートに入れる」などのアクションボタンの色は非常に重要です。前述の通り、赤色は購買意欲を刺激する効果があるため、多くのECサイトでは赤色のボタンが使用されています。しかし、サイト全体のデザインやブランドイメージとの調和も考慮する必要があります。
背景色の選択
ECサイトの背景色は、商品の見え方やユーザーの滞在時間に影響を与えます。一般的に、白や淡い色の背景は商品を引き立て、クリーンな印象を与えます。一方、黒や濃い色の背景は高級感を演出しますが、読みやすさや商品の見え方に注意が必要です。
商品画像の色調整
ECサイトでは、商品画像が購買決定に大きな影響を与えます。商品の色を忠実に再現することはもちろん重要ですが、同時に魅力的に見せるための色調整も必要です。例えば、食品の画像は彩度を少し上げることで、より食欲をそそる見た目にすることができます。
ターゲット層に合わせた配色
ECサイトのデザインは、ターゲット層に合わせて適切な配色を選択することが重要です。例えば、若い女性をターゲットにしたサイトであれば、ピンクや明るい色を基調とした配色が効果的かもしれません。一方、ビジネスパーソンをターゲットにしたサイトであれば、青や灰色を基調とした落ち着いた配色が適しているかもしれません。
季節や流行を意識した色使い
ECサイトのデザインに季節感や流行の色を取り入れることで、新鮮さや話題性を演出することが可能です。例えば、春には桜色、秋には紅葉をイメージした色を取り入れるなど、季節に応じた色使いをすることで、顧客の興味を引くことができます。また、その年のトレンドカラーを適度に取り入れることで、サイトの鮮度を保てます。 ECサイトにおけるカラーマーケティングは、ユーザーの購買意欲を高め、コンバージョン率を向上させる重要な要素です。しかし、色の選択はブランドイメージや商品の特性、ターゲット層など、多くの要因を考慮して行う必要があります。また、定期的にA/Bテストを行い、最適な色の組み合わせを見つけ出していくことも重要です。
カラーマーケティングのプロフェッショナルになるには
カラーマーケティングの重要性が高まる中、この分野のプロフェッショナルになることを目指す人も増えています。カラーマーケティングのスキルを磨くには、色彩学の基礎知識から実践的なマーケティング手法まで、幅広い学習が必要です。
色彩学の基礎を学ぶ
カラーマーケティングのプロフェッショナルになるためには、まず色彩学の基礎を学ぶことが重要です。色の三属性(色相・明度・彩度)や色彩調和論、色の心理的効果などについて深く理解することが必要です。これらの知識は、効果的なカラーマーケティング戦略を立てる上で不可欠です。
マーケティングの知識を身につける
色彩学の知識だけでなく、マーケティングの基本的な理論や手法についても学ぶ必要があります。消費者行動論やブランディング戦略、市場分析の手法など、マーケティング全般の知識を身につけることで、より効果的なカラーマーケティング戦略を立案することができます。
実践的なスキルを磨く
理論的な知識だけでなく、実践的なスキルを磨くことも重要です。グラフィックデザインソフトの使用方法や、ウェブデザインの基礎知識、カラーパレットの作成技術など、実務で必要となるスキルを習得することが求められます。また、A/Bテストの実施方法や、データ分析のスキルも重要になってきます。
資格取得を目指す
カラーマーケティングのプロフェッショナルとしての能力を証明するために、関連する資格の取得を目指すのも良いでしょう。例えば、日本デザインプランナー協会(JDP)が認定するカラーアドバイザー資格認定試験の受講もおすすめです。色の性質や特質を理解し、的確な助言をする専門家としての能力を認定するものです。カラーアドバイザーは、ファッション、インテリア、プロダクト、建築など、多くのビジネスシーンで活躍することができます。
最新のトレンドをキャッチアップする
カラーマーケティングの分野は常に進化しています。最新のデザイントレンドやマーケティング手法、消費者の嗜好の変化などを常にキャッチアップし、自身の知識やスキルを更新し続けることが重要です。業界誌の購読やセミナーへの参加、オンライン学習の活用など、様々な方法で最新情報を入手し、学び続けることが求められます。
カラーマーケティングの成功事例
カラーマーケティングを効果的に活用し、成功を収めた企業は多数存在します。これらの事例を学ぶことで、カラーマーケティングの可能性と重要性をより深く理解することができるでしょう。
マクドナルドの赤と黄色
マクドナルドのロゴに使用されている赤と黄色の組み合わせは、カラーマーケティングの成功例として有名です。赤色は食欲を刺激し、黄色は幸福感を与えるとされています。これらの色を組み合わせることで、マクドナルドは「楽しく、おいしい食事」というイメージを効果的に伝えています。また、この鮮やかな色の組み合わせは、遠くからでも目立つため、店舗の視認性を高める効果もあります。
スターバックスの緑
スターバックスのロゴに使用されている緑色は、自然や新鮮さ、リラックスを連想させます。これは、コーヒーを通じてくつろぎの時間を提供するというスターバックスのブランドイメージと見事にマッチしています。また、緑色には目を休める効果もあるため、長時間滞在するカフェの雰囲気づくりにも一役買っています。
アップルの白
アップルは、製品パッケージや店舗デザインに白を多用しています。白色は清潔感や先進性を象徴し、アップルの革新的でミニマルなデザイン哲学を表現しています。また、白い背景は他の色を引き立てる効果があるため、製品自体の美しさをより際立たせる役割も果たしているのです。
コカ・コーラの赤
コカ・コーラの赤は、ブランドアイデンティティとして世界中で認知されています。赤色は情熱や活力を象徴し、また食欲を刺激する効果もあります。コカ・コーラはこの赤を一貫して使用することで、強力なブランドイメージを構築しているのです。
フェイスブックの青
フェイスブックのロゴや基本デザインに使用されている青色は、信頼性や安全性を象徴しています。ソーシャルメディアプラットフォームにとって、ユーザーからの信頼を得ることは非常に重要です。青色の使用は、フェイスブックが安全で信頼できるプラットフォームであることを視覚的に伝えるのに役立っています。 これらの成功事例から学べることは、色の選択がブランドイメージの構築や消費者の心理に大きな影響を与えるということです。しかし、特定の色を使えば成功するというわけではありません。重要なのは、自社のブランド価値や提供する商品・サービスの特性、ターゲット顧客の心理などを深く理解した上で、適切な色を選択し、一貫して使用することです。
カラーマーケティングの未来
テクノロジーの進化やグローバル化の進展に伴い、カラーマーケティングの分野も日々進化しています。今後、この分野はどのように発展していくのでしょうか。
パーソナライゼーションの進化
AIやビッグデータの発展により、個々の消費者の嗜好に合わせたカラーマーケティングが可能になると予想されます。例えば、ユーザーの過去の購買履歴や閲覧履歴を分析し、そのユーザーが最も反応しやすい色でウェブサイトやアプリの表示をカスタマイズすることが可能になるかもしれません。
文化的多様性への対応
グローバル化が進む中、色の持つ意味や印象が文化によって異なることへの理解がより重要になってきます。将来的には、ユーザーの文化的背景に応じて、最適な色を自動的に選択するシステムが登場する可能性もあります。
環境への配慮
持続可能性への関心が高まる中、環境に配慮した色の使用が注目されるかもしれません。例えば、生産過程で環境負荷の少ない染料を使用した製品が好まれるようになるなど、カラーマーケティングにおいても環境への配慮が重要な要素となる可能性があります。
「カラーマーケティング」とは?
そもそも「カラーマーケティング」とは、どのようなものを意味しているのでしょうか。基本的には、色がもっている効果を上手く使うことで、商品やサービスの販売を促進することをカラーマーケティングといいます。なぜそのようなことができるかというと、人は色から無意識のうちにさまざまな影響を受けているからです。それぞれの色がもつ効果を的確に理解して活用することにより、商品やサービスの販促が可能になります。 具体的には、カラーマーケティングを活用すれば、集客アップを狙うことが可能です。そのうえで、色の効果によってお客様の購買意欲を高めることができれば、さらに高い効果を期待できるでしょう。加えて、色の効果を活用すれば、回転率アップも目指すことができます。ビジネスにおいては、カラーマーケティングを上手く活用することは、売上向上のために重要なカギとなるのです。
色がもたらす効果
では、具体的には色は人に対してどのような効果をもたらすものなのでしょうか。それが分かっていないと、カラーマーケティングを上手に活用するのは難しいですよね。ここでは、色がもたらす効果として、代表的なものについて説明します。カラーマーケティングを活用したいと思っている人は、基本からしっかりと理解するようにしてください。
表現感情
色がもたらす効果としては、表現感情というものがあります。表現感情は、人によって異なることも多いです。たとえば、「好き」と「嫌い」、「似合っている」と「似合っていない」といったことが、表現感情に当たります。
固有感情
色がもたらす効果としては、固有感情というものもあります。固有感情は、多くの人が同じように感じることが多い感情効果です。たとえば、暖色系の色味に対して温かいイメージを抱いたり、寒色系の色味に対して冷たい感じを抱いたりしますよね。これが固有感情です。カラーマーケティングでは、主に固有感情を利用します。多くの人がもっている共通の意識を利用することにより、効率的に働きかけをおこなっていくことができるのです。
色の働きと消費効果
では、具体的には、色の働きと消費効果はどのようにつながっているのでしょうか。それぞれの色のイメージをしっかり理解していれば、商品やサービスを広める活動においても、自然とその色の効果を活用することができるはずです。ここでは、さまざまな色についてその効果を紹介します。それぞれの色の持つ力をきちんと把握し、適切な使い分けができるようにしましょう。
赤
赤はとても目立つ色です。人の気持ちを興奮させる効果ももっています。よって、視覚誘導をおこないたいときに活用するととても効果的です。広告や商品のポップに使用すると、人の目を引きやすいです。また、セールや割引の目印にしたり、オンラインショップの購入ボタンの色にしたりすると、目に留まりやすくなります。ただし、お客様の目を引きたい箇所がたくさんあるからといって多用しすぎると、効果が薄くなってしまう恐れもあるので注意が必要です。赤い箇所が増えれば触れるほど、どれが特別な情報なのか分かりにくくなってしまいます。赤を取り入れるのは、特に重要な部分や絶対に見て欲しい場所だけに限定することをおすすめします。
青
青は落ち着きを表しており、人の心にも安心感を与えます。これは、青が空や海など大自然の色であるからと考えられます。そのため、青は安心感を与えたい場面で活用されることが多いです。特にビジネスや銀行のイメージカラーなどとして使用されることもあります。そういった場面で落ち着いた色を使っていると、信頼を得やすいです。ただし、青は食欲を減らす効果があるため、食品に関係する場面では使用しないほうがいいです。たとえば、飲食店やスーパーでは、あまり使用する機会はないでしょう。
黄
黄は、明るく楽しい雰囲気を表す色です。そのため、イベントやショッピングモールの広告や装飾で使われることも多いです。黄で表現されているものは、見ている人に希望をもたせやすいといわれています。また、黄は交感神経と副交感神経も刺激する効果があります。なお、黄は注意書きをするときにも、使われる色です。
紫
紫は、落ち着いた雰囲気をもつ色です。実は、紫は古い時代に高級な色として扱われていました。そのため、優雅さを示したいときにもよく使用されます。また、紫は右脳に働きかける効果もあるといわれています。よって、紫を使用すると感受性や美への感度を高められます。よって、美容に関する商品やサービスについて訴求したい場合も、紫を使用すると一定の効果を期待できます。
黒
黒は、力強い絶対的なイメージをもっています。また、高級感も表す色として捉えられることが多いです。よって、高級な商品やサービスの販促のために使われることも多くなっています。黒はダークなイメージも強いですが、使用する場面を工夫すれば、販促に活用することも十分可能です。洗練されたかっこいいイメージももたれることが多いため、ファッションでも定番の色となっています。
白
白は清潔感を表す色です。そのため、医療に関する場面でよく使われます。薬や医療機器については、特に白はイメージが合っているといえるでしょう。また、白は空間を広く見せる効果ももっているため、そのような印象を出したいときにも積極的に選ばれる傾向があります。
カラーマーケティングの効果を理解してビジネスに生かそう
カラーマーケティングには、さまざまな効果が期待できます。色にはそれぞれ異なるイメージがあるため、上手く色を選ぶことによって、人が抱くイメージをある程度コントロールできます。特に固有感情の場合は、多くの人にとって共通の認識があるため、活用しやすいといえます。それぞれの色がもつ効果について説明しましたが、考えてみれば、自分自身も知らないうちにその通りのイメージをもっていたと感じたのではないでしょうか。カラーマーケティングは、まさにそのような意識を活用した手法です。
カラーマーケティングを上手く活用できるようになれば、スムーズに商品やサービスを紹介することにもつながります。お客様に商品やサービスのイメージを的確に伝えることができるので、言葉で説明しきれない部分についても感じ取ってもらえる可能性があるでしょう。人は、言葉よりも自分自身の感覚を頼りにして物事を選択することも少なくありません。理屈よりも自分がどう感じるかを重視したいというのが人間の本能なのです。よって、カラーマーケティングは単なる傾向ではなく、ビジネスにおいても役立つ知識ということができます。それぞれの色がもつイメージを一度しっかりと確認し、それぞれを活かせるようにしておきましょう。
まとめ
カラーマーケティングは、消費者の心理に深く働きかける強力なツールです。色の持つ力を理解し、戦略的に活用することで、ブランドイメージの向上や売上の増加を図ることができます。しかし、効果的なカラーマーケティングを行うためには、色彩学の知識やマーケティングのスキル、そして何よりも自社のブランドや顧客への深い理解が必要です。カラーマーケティングのプロフェッショナルを目指す方は、継続的な学習と実践を通じて、この分野のエキスパートとしてのスキルを磨いていくことが重要です。色の力を味方につけ、ビジネスの成功につなげていきましょう。
- 通信講座のSARAスクール編集部
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心理カウンセラー資格やリンパケアセラピスト等の体系資格、食育資格などを扱うSARAスクール編集部が運営するコラムです。主に女性向けのキャリアアップやスキル習得を目的とした講座が多く、家事や育児と両立しながら学べる環境が整っています。資格取得を目的とした講座も充実しており、仕事や日常生活に活かすことが可能です。