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ワインのブショネとは?現象と原因と見分け方!

ワインを楽しむ上で、避けたい現象の一つに「ブショネ」があります。
ブショネとは、コルク栓の劣化や汚染によってワインに不快な臭いが移る現象のことです。
この臭いはワインの風味を大きく損ない、せっかくの美味しいワインを台無しにしてしまいます。
ワインのなかには「ブショネ」とよばれる現象におちいっているものもあります。ブショネのワインはおいしくないので、そのまま飲むのはあまりおすすめできません。ブショネのワインに当たる可能性は、たくさんワインを飲んでいれば当然あるでしょう。
ブショネのワインに当たってしまった場合、どのような対処をすればよいのでしょうか。そもそもブショネとはどのような原因により起こっているものなのでしょうか。ワインを飲む機会があるなら、ワインのブショネの原因や見分け方についてしっかりと把握しておきましょう。

ワインのブショネとは?原因と見分け方をレクチャー!

ブショネの基本概念

ブショネはワイン愛好家にとって避けたい現象の一つで、コルク栓による特有の異臭がワインに移ってしまう問題です。
ここでは、ブショネの基本的な概念について詳しく説明し、その原因や影響についても解説していきます。

ブション(bouchon)の由来

「ブショネ」という言葉はフランス語の「ブション(bouchon)」に由来します。
「ブション」とはコルクのことで、ブショネ現象はコルクが原因で起こるためこの名前が付けられました。

ブション(bouchon)はワインのコルク栓を指すフランス語で、ワイン業界ではコルクが原因でワインに悪臭が移る現象をブショネと呼びます。
この現象は、特にコルク栓を使うワインにおいて見られるもので、ワインの風味を大きく損なう原因となります。

コルク臭として知られる現象

ブショネ現象は一般的に「コルク臭」として知られています。
コルク臭は、ワインに不快な臭いをもたらし、その香りや味わいを著しく低下させます。

この現象について詳しく解説していきます。

コルク臭の特徴

コルク臭は、湿ったダンボールやカビ臭、濡れた犬のような臭いと形容されます。
この臭いは非常に特徴的で、一度経験すると容易に識別できるようになります。

コルク臭がワインに移ると、そのワインは本来の香りや風味を失い、飲むのが難しいものになります。

コルク臭の原因物質

コルク臭の主な原因物質はTCA(トリクロロアニゾール)です。
TCAは、コルクがクロール系の化合物と反応して生成される物質で、非常に微量でも強い臭いを発します。

このTCAがワインに移ることで、ブショネ現象が引き起こされます。

ブショネの原因とメカニズム

ブショネは、ワイン愛好者にとって非常に厄介な問題です。
この現象は、ワインに不快な臭いをもたらし、その味わいを大きく損ないます。

ブショネの原因とそのメカニズムを理解することで、この問題を予防し、対応する方法を学びましょう。

コルク栓による汚染の仕組み

ブショネの主要な原因の一つは、コルク栓による汚染です。
コルクは天然素材であり、微生物や化学物質の影響を受けやすいため、汚染のリスクが高まります。

コルクの製造過程と汚染リスク

コルク栓は、コルク樫の樹皮から作られます。
この樹皮は、収穫されてから加工される過程で、微生物や汚染物質にさらされる可能性があります。

特に、クロール系化合物と接触すると、後にTCA(トリクロロアニゾール)が生成される原因です。

コルクの製造過程では、収穫された樹皮を煮沸して柔らかくし、その後乾燥させてからカットしてコルク栓を作ります。
このプロセス中に、クロール系化合物が使用されることがあり、これがTCAの生成を引き起こすリスクを高めます。

コルクの保管方法と影響

コルク栓の保管方法も、汚染のリスクに大きく影響します。
コルクは湿気やカビに非常に敏感であり、不適切な保管環境では微生物が繁殖しやすくなります。

これがTCA生成の一因となり、ブショネのリスクを高めます。

例えば、湿度の高い環境で保管されたコルク栓は、カビや他の微生物によって汚染される可能性が高いです。
このため、コルク栓は乾燥した冷暗所で保管することが推奨されます。

TCA (トリクロロアニゾール)の化学的影響

TCA(トリクロロアニゾール)は、ブショネの主要な原因物質であり、非常に微量でもワインの風味に重大な影響を与えます。
TCAがどのように生成され、ワインにどのような影響を与えるのかを理解することが重要です。

TCAの生成過程

TCAは、クロール系化合物が自然環境中の微生物と反応することで生成されます。
この反応は、特にコルクの製造過程や保管環境で発生しやすいです。

クロール系化合物は、漂白剤や殺菌剤として使用されることがあり、これがコルクに残留することで、後にTCAを生成する原因となります。

コルク栓がこのような化合物と接触すると、微生物の活動によりTCAが生成されます。
TCAは非常に低濃度でも強い臭いを持ち、ワインに移ることでその風味を著しく損ないます。

TCAがワインに及ぼす影響

TCAは、湿ったダンボールやカビ臭、濡れた犬のような不快な臭いを発します。
この臭いは非常に強く、少量でもワイン全体の風味を覆い隠してしまいます。
TCAによる汚染は不可逆的であり、一度発生するとワインは修復できません。

TCAによって汚染されたワインは、その香りや味わいを著しく損なわれ、飲むのが難しい状態になります。
このため、ワイン生産者やソムリエは、TCA汚染を防ぐための厳格な品質管理を行うことが重要です。

酸化と劣化の違い

ワインの酸化と劣化は、どちらもワインの品質に影響を与える現象ですが、そのメカニズムや影響は異なります。
ここでは、酸化と劣化の違いについて詳しく解説します。

ワインの酸味とその役割

ワインには自然な酸味が含まれており、これがワインのバランスを保つために重要な役割を果たします。
酸味は、ワインの風味を引き立て、口当たりを爽やかにする要素です。

ワインの酸味は、主にリンゴ酸やクエン酸などの有機酸によってもたらされます。
これらの酸は、ブドウの成熟過程で自然に生成され、ワインの味わいを豊かにします。
酸味は、ワインの他の成分と調和することで、全体のバランスを保ち、風味を引き立てます。

熱による酸のバランスの崩れと劣化

ワインが高温にさらされると、酸のバランスが崩れ、劣化が進みます。
特に高温での保管や輸送は、ワインの品質に大きなダメージを与えることがあります。
劣化したワインは、酸化による不快な味わいが増し、その風味を失ってしまいます。

ワインが高温にさらされると、酸が過度に反応し、風味が崩れる可能性が高いです。
これは、酸が過度に揮発したり、化学反応を起こしたりすることで生じます。
結果として、ワインは本来のバランスを失い、不快な味わいや香りを持つようになります。

ブショネは、ワイン愛好者にとって避けたい現象の一つです。
この現象は、コルク栓の汚染やTCAの生成によって引き起こされ、ワインの風味を著しく損ないます。

ブショネの原因とそのメカニズムを理解することで、予防策を講じ、ワインの品質を保てます。
酸化と劣化の違いも理解し、適切な保管方法を守ることで、ワインを最高の状態で楽しめるでしょう。

ブショネの識別方法

ブショネは、ワイン愛好者にとって厄介な問題です。
ブショネを早期に識別することは、質の高いワイン体験を保つために重要です。

ブショネの識別方法について詳しく解説しいきます。

グラスに注いで空気をふくませる方法

ワインをグラスに注ぎ、空気をふくませる方法は、ブショネを識別するための基本的なステップです。
この方法により、ワインの香りを解放し、不快な臭いを確認できます。

グラスに注ぐ手順

ワインをグラスに注ぐ際には、いくつかのポイントに注意することが重要です。
まず、清潔なグラスを使用することが基本です。

次に、グラスにワインを適量注ぎます。
過度に注ぐと、香りを正確に識別することが難しくなるため、適量を守ることが大切です。

1. 清潔なワイングラスを用意する。
2. ボトルからグラスにワインを注ぐ。量はグラスの1/3程度に留める。
3. グラスを軽く揺らし、ワインに空気をふくませる。

空気をふくませる方法

ワインに空気をふくませることで、香りをより強く感じられます。
グラスを持ち、軽く回すことで、ワインと空気が接触し、香りが解放されます。

このステップは、ワインの真の香りを確認するために重要です。

1. グラスのステムを持ち、軽く回す。
2. ワインがグラスの内側を滑るように動かし、空気と触れさせる。
3. この過程で、ワインの香りがグラス内に広がる。

ワインを放置してからの香りの確認

ワインを一度放置してから香りを確認する方法も、ブショネを識別するための効果的な手法です。
この方法により、時間とともに変化する香りを確認し、ブショネの兆候を探れます。

放置する手順

ワインをグラスに注いだ後、すぐに香りを確認せずに、少しの間放置します。
この過程は、ワインが空気と反応する時間を与えるために必要です。放置時間は1〜2分が適切です。

1. ワインをグラスに注ぐ。
2. すぐに香りを嗅がずに、グラスを静置する。
3. 約1〜2分間放置し、ワインが空気と触れる時間を与える。

香りの確認方法

放置後、再度香りを確認します。
このステップで、ワインが持つ本来の香りが解放され、ブショネの兆候があるかどうかを判断します。

不快な臭いが感じられる場合、ブショネの可能性が高いです。

1. 放置後、グラスを手に取り、軽く揺らす。
2. グラスに鼻を近づけ、深く香りを吸い込む。
3. カビ臭や湿ったダンボールのような不快な臭いがするかを確認する。

ブショネを早期に識別することは、ワイン愛好者にとって重要なスキルです。
グラスに注いで空気をふくませる方法と、ワインを放置してから香りを確認する方法を駆使することで、ブショネを効果的に見分けられます。

これらの方法を習得し、質の高いワイン体験を楽しむための一助としてください。

ブショネに対する対処法

ワインを開けたときにブショネに当たることは、ワイン愛好家にとって残念な経験です。
しかし、ブショネに対する適切な対処法を知っておくことで、失望を最小限に抑えられます。

ここでは、ブショネに当たる確率や、発生時の対応方法について詳しく解説します。

ブショネに当たる確率

ブショネに当たる確率はワインによって異なりますが、一般的には5%以下とされています。
これは、製造過程や保管条件など多くの要因に左右されますが、基本的には低い確率です。

ブショネは、コルク栓の製造や保管中にトリクロロアニゾール(TCA)が生成されることによって発生します。
この物質がワインに移り、不快な臭いを引き起こします。

特定のヴィンテージや生産者によってブショネの発生率は異なるため、ワインを選ぶ際には信頼できる生産者や店舗を選ぶことが重要です。

各種対応方法

ブショネに当たった場合、どのように対応するかが重要です。
ここでは、購入元への連絡や店舗での交換手続きなど、具体的な対応方法を紹介します。

購入元への連絡

ブショネに当たった際の最初の対応として、ワインを購入した店舗や販売元に連絡することが推奨されます。
多くのワインショップやオンラインストアでは、ブショネに対する返品や交換ポリシーを設けているため、迅速に対応してもらえる場合が多いです。

1. ワインのボトルとレシートを保管する。
2. ブショネの兆候を確認し、詳細をメモしておく。
3. 購入元に連絡し、ブショネの発生を報告する。
4. 返品や交換の手続きを依頼する。

店舗での交換手続き

実店舗で購入した場合は、直接店舗に持ち込んで交換手続きを行えます。
この際、ボトルと購入時のレシートを持参することが重要です。

1. ワインボトルとレシートを持参し、店舗を訪れる。
2. スタッフにブショネの発生を説明し、ボトルを確認してもらう。
3. スタッフの指示に従い、交換や返金の手続きを進める。

ブショネワインの活用方法

ブショネになってしまったワインも、完全に無駄にする必要はありません。
適切な方法で活用することで、別の用途に役立てられます。

ここでは、料理への利用やクリーニング用としての再利用方法について紹介します。

料理への利用

ブショネのワインは、そのまま飲めせんが、料理に利用することが可能です。
特に煮込み料理やソースに使用する場合、ブショネの影響を感じにくくなります。

1. ブショネのワインを煮込み料理のベースとして使用する。
2. 赤ワインソースやホワイトソースなど、ワインを使ったソースに利用する。
3. マリネ液として肉や魚の下ごしらえに使用する。

煮込み料理への利用

ブショネのワインは、長時間煮込む料理に最適です。
ワインの風味が料理に移り、ブショネ特有の不快な臭いが和らぎます。

牛肉の赤ワイン煮込み
ブショネの赤ワインを使い、牛肉をじっくり煮込むことで、深い風味を引き出す。

チキンの白ワイン煮込み
ブショネの白ワインを使用して、チキンを柔らかく煮込む。

ソースやマリネへの利用

ワインを使ったソースやマリネ液にも、ブショネのワインを活用できます。
加熱することで、ブショネの影響を最小限に抑えつつ、料理に豊かな風味を追加します。

赤ワインソース
肉料理のソースとして、ブショネの赤ワインを使用する。

ホワイトソース
魚料理やパスタのソースとして、ブショネの白ワインを使用する。

マリネ液
肉や魚をブショネのワインでマリネし、風味を深める。

クリーニング用としての再利用

ブショネのワインは、クリーニング用としても活用できます。
ワインの酸が汚れを落とすのに役立ち、エコフレンドリーなクリーニング方法となります。

1. ガラスや鏡のクリーニングに使用する。
2. シルバーやステンレス製品の磨きに利用する。

ガラスや鏡のクリーニング

ブショネのワインを使ってガラスや鏡を磨くことで、きれいな仕上がりを得られます。
ワインの酸が汚れを分解し、光沢を与えます。

1. 布にブショネのワインを少量つける。
2. ガラスや鏡の表面を優しく拭く。
3. 乾いた布で仕上げ磨きをする。

シルバーやステンレス製品の磨き

ブショネのワインは、シルバーやステンレス製品のくすみを取り除くのにも役立ちます。
ワインの酸が酸化を分解し、輝きを取り戻します。

1. シルバーやステンレス製品にブショネのワインを少量かける。
2. 柔らかい布で優しく磨く。
3. ぬるま湯で洗い流し、乾いた布で拭く。

ブショネに対する適切な対処法を知っておくことは、ワイン愛好家にとって重要です。
ブショネに当たる確率は低いですが、発生時には購入元への連絡や店舗での交換手続きを迅速に行うことが求められます。

また、ブショネになってしまったワインも料理やクリーニングに活用することで無駄にせず、有効に活用できます。
これらの知識を活用して、ワインライフをより豊かに楽しんでください。

ブショネの影響を受けないワイン選び

ブショネの問題を避けるためには、ワインの選び方が重要です。
ここでは、ブショネの影響を受けにくいワインの選び方について、具体的な方法を紹介します。

スクリューキャップや合成コルクを使用したワインが、ブショネのリスクを最小限に抑える手段として有効です。

スクリューキャップのワイン

スクリューキャップのワインは、ブショネのリスクを完全に排除するための一つの選択肢です。
スクリューキャップにはいくつかのメリットがあります。

スクリューキャップのメリット

スクリューキャップは、コルクに比べていくつかの利点があります。
第一に、コルク臭のリスクが全くないことです。

コルク臭はコルク栓の劣化や汚染によって引き起こされるため、スクリューキャップを使用することで、このリスクを完全に排除できます。

さらに、スクリューキャップは密閉性が高く、酸素の侵入を防ぐため、ワインの品質を長期間にわたって保持するのに適しています。
これにより、ワインが酸化するリスクも低減されます。また、スクリューキャップは開封が簡単で、特別な道具を必要としないため、誰でも手軽にワインを楽しめます。

スクリューキャップのデメリット

しかし、スクリューキャップにはデメリットも存在します。
一部のワイン愛好家やソムリエは、コルク栓の開封時の儀式的な要素を重視し、スクリューキャップを使ったワインを避ける傾向があります。

また、高級ワイン市場では、依然としてコルク栓が好まれることが多く、スクリューキャップのワインが高品質であると認識されにくい場合もあります。

合成コルク使用のワイン

合成コルクもまた、ブショネのリスクを軽減するための効果的な手段です。
合成コルクは天然コルクの代替品として開発され、多くの利点を持っています。

合成コルクのメリット

合成コルクは、天然コルクと異なり、TCA(トリクロロアニゾール)による汚染のリスクがありません。
これは、合成コルクが人工的に製造され、コントロールされた環境で作られているためです。
その結果、ブショネのリスクを大幅に減少できます。

また、合成コルクは耐久性が高く、一貫した品質を保てます。
天然コルクは個体差があり、品質にばらつきが生じることがありますが、合成コルクはそのような問題がありません。

さらに、合成コルクは環境に配慮して製造されていることが多く、持続可能な選択肢として注目されています。

合成コルクのデメリット

一方で、合成コルクにもデメリットがあります。
合成コルクは、天然コルクに比べて密閉性が低く、長期保存には不向きとされています。
ワインの酸素透過率が高いため、特に熟成を必要とする高級ワインには適さない場合があります。

また、合成コルクの使用は、コルク栓の伝統的な魅力を損なう可能性が高いです。
特にワインの開封時の体験を重視する消費者にとっては、合成コルクが物足りないと感じることがあります。

ブショネの影響を受けないワイン選びには、スクリューキャップと合成コルクの使用が有効な手段となります。
スクリューキャップはコルク臭のリスクを完全に排除し、開封が簡単である一方で、伝統的なワイン文化を重視する消費者には不向きです。

合成コルクは、TCA汚染のリスクを低減し、持続可能な選択肢として注目されていますが、長期保存には適さない場合があります。

最終的には、ワインの選び方は個々の好みや使用状況に応じて異なります。
ブショネのリスクを最小限に抑えつつ、自分に合ったワインを選ぶためには、これらのポイントを考慮することが重要です。

ブショネとは?

ブショネとは具体的にどのような状態のことをさしているのでしょうか。まずは、ブショネとはどのような状態なのか確認しておきましょう。

ブション(bouchon)が由来

ブショネとは、フランス語でコルクを意味する「Bouchon」に由来してできた言葉です。劣化したワインを示す言葉として使われています。

コルク臭と呼ばれる

ブショネは「コルク臭」とよばれることもあり、カビ臭や段ボール臭がします。その名のとおり、コルクによって引き起こされる変化です。ブショネは軽いものから重度のものまでさまざまです。場合によっては、ワインのボトルの中ではなく、木樽やワインカーブなどの貯蔵庫の中で起きることもあります。

ブショネの原因

ブショネの原因は、コルクであるといわれます。具体的には、どのような仕組みによってブショネが起きているのでしょうか。ここでは、ブショネが起きている原因について説明します。

コルク栓の汚染

ブショネが起きるのは、コルクが汚染されているためです。コルク栓の樹木の皮に微生物や菌がついている場合に起こります。コルクを洗浄する際に塩素系消毒剤が使用されますが、これとバクテリアの掛け合わせによって化学反応が起こり、ブショネの原因となる物質が発生します。

化合物TCA(トリクロロアニゾール)

ブショネの原因となる物質というのは、化合物TCA(トリクロロアニゾール)とよばれるものです。これが発生することにより、ワインにカビ臭さが充満してしまいます。

酸化と劣化の違い

ワインの味が変化する原因としては、酸化以外にも劣化があります。酸化と劣化には具体的にどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、酸化と劣化の違いについて説明します。

ワインはそもそも酸味が含まれている

ワインにはそもそも最初から酸味が含まれています。そのため、通常の状態でも少しずつ酸化は進んでいます。自然に酸化していくことは熟成としてとらえられるので、問題はありません。むしろワインをおいしくするために効果的な現象だといえます。

熱により酸のバランスが崩れると劣化となる

ワインは、外部からの何らかの影響によってバランスが崩れることもあります。特に熱が加わると、酸のバランスが崩れることが多いです。このように、意図しない参加が進んだ場合は、ワインの風味を低下させる劣化となってしまいます。

ブショネの見分け方

では、ワインのブショネはどのようにして見分けたらいいのでしょうか。ブショネの見分け方についてチェックしておきましょう。

グラスに注いで空気をふくませる

ワインがブショネかどうか判断するためには、まずワインを注いだ後にしっかりと空気を含ませることが大切です。そうすると、ワインのおいしさを引き出すことにもつながります。

1~2分放置してふたたびワインの香りを嗅ぐ

ブショネの確認をするときは、ワインにしっかり空気を含ませた後で1~2分放置します。そして、少しおいたところでふたたびワインの香りを嗅ぎましょう。ここで匂いが悪化した場合はブショネであると判断できます。仮に開封直後にコルク臭がしたとしても、1~2分放置した後で健康な香りに変化していれば、ブショネではないといえます。

ブショネに当たったら?

たくさんのワインを飲んでいけば、ブショネに当たってしまうこともないとはいえません。ブショネに当たってしまったときはどのような対処をしたらいいのでしょうか。最後に、ブショネに当たったときの対処法について確認しておきましょう。

ブショネに当たる確率

そもそもブショネに当たる確率は、どの程度なのでしょうか。一般的には、2~3%程度だといわれています。100本ワインを飲めばそのうち2~3本はブショネである可能性があります。もちろん、頻繁にワインを飲む人であれば、ブショネに出会うこともあるでしょう。ブショネに当たる可能性があると気楽に構えてワインを選ぶようにしておいたほうがよいでしょう。

それぞれの対応

ブショネのワインに当たってしまった場合、どのように対応したらいいのでしょうか。ブショネのワインの対処法は、ワインを扱っているお店によって異なります。それぞれのパターンごとにブショネの対処法を確認しましょう。

*小売店のワインの場合

小売店で購入したワインがブショネだった場合、それに対する対処法はお店によってさまざまです。なかには、ブショネのワインに対して交換などの対応を取っているところもあります。しかし、基本的にはブショネのワインの交換や返金などに応じていないお店の方が多いのが実際のところです。ワインの専門店でなければ、お店の人がブショネの存在すら理解していない可能性もあるので、説明して交換や返品に応じてもらうのはなかなか難しいといえるでしょう。

*レストランのワインの場合

レストランでワインを注文した場合、ワインを空ける際にテイスティングをおこないます。ブショネであれば、その段階でそのことが分かるので、ほかの新しいワインに交換してもらうことが可能です。味や風味がおかしいと思ったら、そのことをはっきりと伝えましょう。

ブショネの活用方法

自宅で飲むために購入したワインがブショネだった場合、返品や交換ができないことが多いです。その場合は、料理に使うというのもひとつの手でしょう。たとえば、赤ワインはお肉と相性がいいので、ビーフシチューなどに入れるとお肉をやわらかくして入れます。また、白ワインは魚介類と相性がいいです。この機会にアクアパッツァや白ワイン蒸しなどの料理に挑戦してみるのもおすすめです。

ブショネや劣化を見分けておいしくワインを飲もう

ブショネや劣化を見分けておいしくワインを飲もう

ワインをおいしく飲むには、ブショネや劣化についてしっかりと見分けるようにしなければなりません。ブショネが起きているワインは、いくらおいしいと有名なものだとしてもおいしく飲むことはできないでしょう。ブショネは2~3%の確率で必ず起きてしまうものなので、見分け方を覚えておくことはとても大切です。また、仮にブショネのワインに当たってしまった場合は、それに対する対処法もしっかりと押さえておきたいところです。もちろん、そのまま飲むのは難しいので、できれば交換してもらったほうがよいです。しかし、小売店で購入した場合には交換できないことも多いので、料理に使用するなどの活用方法を試してみるとよいでしょう。
おいしくないワインに出会った場合、もしかするとそれはブショネである可能性があります。ブショネという現象を知らなければ、そのワインのことをおいしくないワインとして認識してしまう恐れがあり、とてももったいないことです。おいしくないワインに出会ったら、風味をしっかりと確かめましょう。ブショネを理解すると、ワインをより楽しむことができるはずです。

まとめ

ブショネ現象は、ワインの風味を大きく損なうコルク栓の汚染による問題で、主な原因はTCA(トリクロロアニゾール)です。
ブショネは湿ったダンボールやカビ臭のような臭いがし、ワインの香りや味わいを著しく低下させます。

ブショネを識別するためには、ワインをグラスに注いで空気をふくませたり、放置して香りを確認する方法が効果的です。
ブショネに当たった場合は、購入元に連絡して交換手続きを行い、ブショネワインを料理やクリーニングに活用することも可能です。

通信講座のSARAスクール編集部
心理カウンセラー資格やリンパケアセラピスト等の体系資格、食育資格などを扱うSARAスクール編集部が運営するコラムです。主に女性向けのキャリアアップやスキル習得を目的とした講座が多く、家事や育児と両立しながら学べる環境が整っています。資格取得を目的とした講座も充実しており、仕事や日常生活に活かすことが可能です。
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