夫婦喧嘩が子どもに与える影響とは?トラウマに対する対処法
記事更新日:2024年6月11日気を付けてはいても、毎日一緒に暮らしていると夫婦喧嘩をしてしまうこともありますよね。しかし、夫婦喧嘩は子どもにとって大きなダメージとなることもあるため注意が必要です。頻繁に夫婦喧嘩をしていると、子どもの心に取り返しのつかない傷がつくこともあります。
夫婦喧嘩を子どもに見せてしまったときは、必ず適切な対処をして子どもの心を落ち着かせてあげるようにしましょう。それができれば、子どもも余計なダメージを負わなくて済みます。今回は、夫婦喧嘩が子どもに与える影響とそれに対する対処法を説明します。
目次
夫婦喧嘩が子どもに与える精神的悪影響
夫婦喧嘩は子どもに対してどのような影響を与えるのでしょうか。夫婦喧嘩は子どもの精神にたくさんの影響を及ぼします。夫婦喧嘩によってどのような悪影響があるのか見てみましょう。
精神疾患
夫婦喧嘩が多いと子どもはそれをトラウマのように抱えてしまうことがあります。あとからPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症して、そのときのことを恐怖に感じてしまうケースも多いです。そういった症状は、子どもが大きくなってからの日常生活にもさまざまな影響を及ぼします。
自己肯定感の欠如
夫婦喧嘩ばかりする両親を見て育つと、子どもは自己肯定感をもてなくなるといわれています。周囲の夫婦の間に子どもがいて幸せな家庭と比べてしまい、ギャップを感じるでしょう。「自分は存在している意味がない」といった思いが芽生えてしまう可能性があります。
暴力的になる
手を出し合うような夫婦喧嘩をしていると、子どもまで暴力的になってしまう可能性があります。問題を暴力で解決しようとしている親の姿を見て育つわけですから、当然といえば当然です。
夫婦喧嘩が子どもに与える身体的悪影響
夫婦喧嘩は子どもの心だけでなく、身体的にも悪影響を及ぼすといわれています。夫婦喧嘩の身体的な悪影響とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。ここでは、夫婦喧嘩が子どもに与える身体的な悪影響について紹介します。
子どもの脳が萎縮する
夫婦喧嘩が多いと、子どもの脳は委縮する傾向があるといわれています。小さいときにしっかりと脳が成長できなければ、大きくなってからの学習や生活にさまざまな支障をきたす恐れがあります。
身体的成長の阻害
夫婦喧嘩が頻繁に起こる中で生活していると、子どもは脳だけでなく目で見える体のいたる部分の成長が阻害される可能性があります。
影響のひとつ「アダルトチルドレン」
夫婦喧嘩が子どもにもたらす影響としては、「アダルトチルドレン」とよばれる症状もあります。これは、どのようなものなのでしょうか。アダルトチルドレンの特徴について紹介します。
家庭内トラウマを持っている大人
アダルトチルドレンは、家庭内にトラウマをもちながら育った子どもが大人になってもその気持ちを捨てられないでいるときに認められる症状です。アダルトチルドレンの大人は、自己肯定感が低かったり、極端な人間関係をもってしまったりします。とはいえ、そういったものをアダルトチルドレンと自覚している人は少なく、ほかの精神的な悩みによりカウンセリングを受けたことによりアダルトチルドレンであることが発覚するケースも多いです。
機能不全家族で育った場合に起こる
アダルトチルドレンを引き起こすのは、機能不全な家族で育った場合です。機能不全の家族といえば、育児放棄が真っ先に思い浮かぶかもしれません。しかし、過干渉や束縛などもまたアダルトチルドレンを引き起こす要因のひとつです。そして、夫婦喧嘩も機能不全家族の特長といえます。
親の喧嘩を目の当たりにすることでトラウマを抱える
子どもは親の喧嘩している姿を目の当たりにすることで大きなトラウマを抱えます。仲の良いはずの両親がすごい剣幕で喧嘩している姿は、子どもにとってはショックが大きいものです。いつも自分に見せてくれるような優しい父親像・母親像ともかけ離れているので、ギャップが大きくなります。
子どものダメージサイン
夫婦喧嘩によって子どもがダメージを受けている場合、そのサインは小さなところで発せられています。子ども自身も気がつかないうちに、体がそのサインを出しているのです。子どものダメージのサインに気がついたなら、夫婦喧嘩についてしっかりと考えたほうがよいでしょう。子どものダメージのサインとしては、たとえば以下のものがあります。
泣かない
子どもがあまり泣かない場合も、ダメージのサインである可能性があります。子どもといえば、さまざまな場面で泣くのが普通です。しかし、どんなことがあっても泣かない子どもは、自分の心にセーブをかけて気持ちを押し殺している可能性があります。夫婦喧嘩がトラウマになっている可能性が高いので、子どもの気持ちにしっかりと寄り添うことが必要になります。
黙り込む
夫婦喧嘩によって心にダメージを受けている子どもは、黙り込むことが多い傾向もあります。質問を投げかけても、自分の気持ちをうまく表現できずに黙り込んでしまうことなどが多いです。夫婦喧嘩がトラウマになり、自分自身の閉ざしている可能性が高いです。
仲裁に入るようになる
夫婦喧嘩によってダメージを受けた子どもは、夫婦の仲裁に入ろうとします。なんとか両親に仲良くしてほしいと思っており、両親の顔色をうかがうような反応をすることも多くなります。
喧嘩を見せてしまったときの対処法
子どもに対して喧嘩する姿を見せてしまった場合、子どもは少なからずダメージを受けていることは確かです。そのため、喧嘩を子どもにみられたときはきちんと対処をおこなうことが大切です。喧嘩を子どもに見せてしまったときの対処法としては、以下のものがあげられます。
不安を取り除いてあげる
子どもに喧嘩を見せてしまったら、まずは子どもの不安を取り除くことを最優先に考えましょう。慰めたり、スキンシップをとったりして、気持ちを落ち着かせてあげてください。子どもは悪くないということをきちんと分からせてあげることが大切です。
きちんと仲直りする
子どもに喧嘩しているところを見せてしまったのであれば、きちんと仲直りする姿も見せてあげることが大切です。両親が仲良くしている姿を見れば、子どもは安心します。親子そろって楽しいことをすれば、より子どもの気持ちを落ち着かせることができるでしょう。
夫婦喧嘩による子どもへの影響は大きい
子どもは、夫婦喧嘩からさまざまなダメージを受けます。そのため、夫婦喧嘩を子どもに見せてしまったときは、できる限りしっかりとしたケアをしてあげることが大切です。子どもがまったく関係ないことで喧嘩していたとしても、子どもは必ず何かしらのダメージを受けているのです。そのような状況を放置すれば、子どもの生緒にも悪影響が及ぶ可能性が高いです。そういった事態を防ぐためにも、しっかりとした対処法を実践する必要があります。もちろん、ずっと一緒に暮らしている夫婦であれば、喧嘩することがあるのは当然です。しかし、子どもにとっては、両親の喧嘩は非常に刺激が強く心に残りやすいことであるとよく理解しておきましょう。喧嘩は極力子どもに見せないようにし、万が一見られてしまったときは、アフターケアを徹底してください。そうすれば、子どものダメージを最小限におさえることができます。
- 通信講座のSARAスクール編集部
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