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行動心理学とは?仕事や人間関係に役立つ効果を分かりやすく解説

「普段の人間関係のストレスを減らしたい」「仕事の人間関係をスムーズにしたい」とふと思うことがおありでしょうか?

人間関係の問題は誰しも抱え得るストレスですが、そんな時に行動心理学が役に立つことがあります。

行動心理学とは、何気ない行動やしぐさの背後にある気持ちを研究する学問です。
行動心理学を日常生活に取り入れるなら、相手の気持ちを汲み取れるスムーズなコミュニケーションに役立つでしょう。

この記事では、仕事や人間関係でよく見られる行動心理学的な効果や現象をご紹介します。
また、行動心理学の資格取得についても紹介し、専門的なスキルを身に付ける方法もご提案します。

行動心理学とは

行動心理学と聞いてもピンとこない方もおられることでしょう。
しかし、行動心理学は、普段の生活で見られる仕草や心理現象、またビジネスの現場で活用されるマーケティング手法などに広く見られるものです。
行動心理学とはなんでしょうか?
まず、行動心理学の概要や具体的な内容をご紹介します。

行動心理学の概要

行動心理学は、アメリカの心理学者ジョン・ワトソン博士によって確立された学問分野で、人々の無意識の行動からその本音を読み解くことに焦点を当てる心理学の一種です。
行動心理学では、声のトーン、話し方、手の動きや目の動きなど、多岐にわたる人間の動作そのものを分析対象としています。
行動心理学のさまざまな研究を通して、人の動作には心理的な深い意味があることが知られるようになりました。
そのため、行動心理学を活用すれば、言葉以外の要素からも相手の意思を汲み取りやすくなり、仕事や人間関係を円滑にするのに役立ちます。

行動心理学から読み解くしぐさの意味(具体例)

次に、しぐさから心理や思考を理解するための行動心理学をご紹介します。
この知識を活用すると、言葉の裏に隠されている気持ちや真意を理解するのに役立てられます。

腕を組む

体の前で腕を組む場合、自分を守ろうとしたり、相手に流されずに思考を巡らせようとしたりしていると考えられます。
自分の前に腕でガードを作るイメージにより、無意識に防御態勢に入ろうとしているからです。
また、自分の体を抱えることで安心感を得ようとしたり、自分を考え事に集中させようとしたりしている時にも取るしぐさです。
相手が腕を組んで話しているなら、無意識に警戒しており、腕を組むことで集中力や安心感を得ようとしていると推測できます。

貧乏ゆすり

貧乏ゆすりは、行動心理学では欲求不満やイライラを感じている状態にあるとされます。
足を小刻みに動かすのは、現在感じている不満やストレスを落ち着かせて、自分をコントロールしようとするために取る行動です。
集中したりストレスを感じたりする場合、足をコントロールする大脳の働きが抑制されるため貧乏ゆすりが起きます。
貧乏ゆすりは行儀が悪いとされがちですが、不満やイライラを落ち着かせたり、運動不足の解消に役立ったりするなどのプラスの側面があるといわれています。

目がよく合う

目がよく合う場合、相手に好意を持たれている可能性があります。
行動心理学では、人は好意を持つ対象を見ることが多く、気に入らないものからは視線を外す傾向にあります。
好意を持つ対象には興味があるため、つい観察しようとしてしまうためです。
何度も視線が合うなら、相手との距離を縮めるチャンスかもしれません。

行動心理学の特徴

では、行動心理学は普段の生活にどのように役立つのでしょうか?
行動心理学を学ぶ意義として、営業などの仕事や普段の対人関係に役立つポイントをご紹介します。

営業やマーケティングなどの土台として活用できる

行動心理学は、営業やマーケティングなどの土台として活用できます。
顧客の行動やしぐさから気持ちを読み取るのに役立つため、説得力のあるコミュニケーション技術として活かせるでしょう。
営業では、顧客の感情や動機に働きかけるアプローチにより、製品やサービスに対する関心を高め信頼関係を築くのに役立ちます。
また、営業において重要な第一印象をポジティブにし、長期的な顧客関係を構築することにつなげられます。
加えて、行動心理学は消費者の購買行動や決定過程を理解するのに有益です。
消費者の心理的傾向を理解することで、マーケティング戦略や広告をより効果的に作り出せるでしょう。
顧客の行動を予測することで、消費者の興味を引き、売り上げ向上などに役立てられます。

対人関係の維持や向上に役立つ

行動心理学は、人の行動の背後にある動機や気持ちを理解するのに役立ちます。
言葉では表現されない気持ちを理解することで、よりよい対人関係や共感する能力の向上につなげられます。
理解力や共感力は、職場も含むあらゆる人間関係において、良好なコミュニケーションと相互理解を得るのに重要です。
また、人が印象を受け取る仕組みを理解することで、ポジティブな印象作りやイメージ改善などにも役立つでしょう。

実務で役立つ行動心理学とは?実践スキル10選

行動心理学で発見された法則には、生活のさまざまな分野に見られるものが数多くあります。
ここからは、普段の生活やビジネスの現場で、どのように行動心理学が活かされているか、具体的な例を挙げながら解説します。

①カリギュラ効果

カリギュラ効果とは、禁止された行動や思考がかえってその行動や思考を強化するという心理現象です。
この名前は、ローマ帝国の皇帝カリギュラを題材にした映画「カリギュラ」が、アメリカで公開禁止になったことに由来しています。
過激な内容により公開禁止になったものの、禁止されているという事実がかえって人々の興味をかき立て、大ヒットになりました。
人は、何かを禁じられるとむしろそれをやりたくなる傾向があるため、あえて「見ないでください」といったキャッチコピーを使用することで、顧客の興味をかき立てる手法が使われることがあります。

②バーナム効果

バーナム効果は、あいまいで一般的な話であるにもかかわらず、自分個人に対してのメッセージとして受け取る心理現象を指します。
この効果は、占星術や心理テストなどでよく見られ、一般的にありがちで誰にでも当てはまる情報を、自分に向けたメッセージとして受け取ることに見られます。
バーナム効果では、相手の共感を得られるメッセージを発することが重要です。
そうすることにより、自分を理解してくれているという感覚を与えることができます。

③カクテルパーティ効果

カクテルパーティ効果とは、多くの雑音の中でも、特定の刺激(例えば自分の名前)を聞き取る現象を指します。
この現象は、人間が重要な情報を選んで処理できることを示しています。
例えば、うたた寝をしていても、周囲の人が自分の名前を言うとすぐに返事できるといった反応に表れます。

④バンドワゴン効果

バンドワゴン効果とは、他人が行うことに合わせて同じ行動を取ろうとする心理現象です。
大勢が支持する製品やサービスは、より魅力的に感じられる傾向があります。
この効果をビジネスで利用することで、製品やサービスの人気を高めることができます。
例えば、顧客の証言やレビューを積極的に掲載することで、他の消費者の購買意欲を刺激することが可能です。
また、「業界No. 1」「全国で300万人が利用している」などのキャッチコピーでもバンドワゴン効果が期待できます。

⑤ザイオンス効果

ザイオンス効果は、人がある対象に繰り返し接触すると、次第に好意を持つようになる心理現象を指します。
この効果は、「熟慮効果」や「単純接触効果」とも呼ばれ、親しみや慣れが好意や好感度の向上につながることを意味します。
ザイオンス効果の特徴は、最初は対象に興味がないにもかかわらず、接触を重ねることで次第に好意を感じるという点です。
もちろん、不自然で取ってつけたような会話を重ねるのは逆効果です。
あくまで自然な会話を積み重ねるなら、対人関係においてザイオンス効果が期待できます。

⑥つりばし効果

つりばし効果とは、不安や恐怖を感じる環境で一緒に行動すると、一緒にいる相手に好意を感じやすくなる心理現象です。
揺れるつりばしを渡るのは怖いものですが、一緒に歩いて渡ると相手に好意を抱く傾向にあることからそう名付けられました。
つりばし効果の仕組みは、恐怖で感じるドキドキと恋愛感情で感じるドキドキを混同してしまうことにあります。
そのため、デートスポットにスリルを感じる場所(ジェットコースターや標高の高い観光地など)を選ぶと、より相手との距離を縮められるデートになるかもしれません。

⑦ハロー効果

ハロー効果は、あるよい特徴が全体の印象を良くするという心理現象です。
例えば、ある人の外見が魅力的であれば、その人が賢く、親切で、能力も高いといった印象を持たれやすいなどの例があります。
また、ある分野の「教授」「学者」といった肩書を強調すると、当人とはまったく関係ない他の分野でも専門家のように見える、というのもハロー効果です。
つまり、自分の得意分野や自信のある分野を相手との共通の土台にすると、その他の印象を良くする効果が期待できます。

⑧初頭効果

初頭効果は、最初に得た印象が後の判断や評価に大きな影響を与える心理現象です。
これは、最初に受けた印象の影響力が強く、その後の情報に大きな影響を与えることを意味します。
例えば、人は第一印象に基づいて、その人の性格や能力も判断しがちであることは有名です。
見た目の清潔感や簡潔で分かりやすいコミュニケーション、自信のある態度などを意識するなら、初頭効果を利用して自分の印象をよいものにできるでしょう。

⑨損失回避性

損失回避性とは、得をするよりも損を回避しようとする心理を指す現象です。
人は、利益を得たいという気持ちよりも、今持っているものを失いたくないという気持ちの方が強くなる傾向にあります。
これは、得る喜びよりも失うショックの方が大きく、あとで後悔してしまうと思い込むためです。
「今だけお得」「期間限定」といったキャッチコピーに釣られて商品を買ってしまうのは、今買わないとチャンスを失ってしまうという心理に働きかけているよい例です。

⑩ピーク・エンドの法則

ピーク・エンドの法則は、ある経験において感情が最も高まった時と、最後の印象で全体を評価するという法則です。
分かりやすい例は旅行や映画です。
旅行で1つのイベントがとても盛り上がり、帰りも楽しい気分のままなら、細かい不満は忘れてしまい、すべてが楽しくよい旅行だったと思うものです。
また、映画がクライマックスにかけて興奮を誘う作りで、ラストシーンも感動的なものであれば、その2つの要素だけでよい映画だと判断する傾向にあります。

行動心理学の学び方とは?

では、行動心理学はどのように学べばいいのでしょうか?
行動心理学を学ぶ一般的な方法には、以下の3つがあります。

独学

独学で行動心理学を勉強することは可能です。
心理学に関する社団法人や団体が数多くあるため、公式ホームページで多くの情報を集められます。
心理学の概要や有名な現象など基礎的な情報は、インターネットで見つけられます。
例えば、日本心理学会や各大学の心理学科のホームページを見ると、内容紹介や時事問題に関するフレッシュな情報を得られるでしょう。
無料かつすぐに手に入る情報であるため、手っ取り早く概要を知りたい方に最適です。
また、本を読むのもよい方法です。
本は、情報が体系的にまとめられており、ホームページで拾う情報よりも詳しいものがほとんどです。
できるだけ複数の本を読んで、行動心理学の全体像を掴むのがおすすめです。

オンラインスクール

オンラインスクールなら、独学では限界を感じる方でも行動心理学を本格的に学べます。
オンラインスクールは、場所を選ばずレッスンを聞くことができ、専門家や有資格者から話を聞けるのが大きなメリットです。

通信講座

通信講座は、行動心理学を詳しく解説したテキストで学べるのがメリットです。
カリキュラムがスケジュールに沿って進んでいくため、計画的に学習できます。
また、いつでも自分で学習時間やタイミングを決められるため、テキストを持ち歩けばオンラインスクールより手軽に学習を進めることが可能です。

行動心理学で取得できる資格

行動心理学に関する資格を取得するなら、一定の知識や理解力を有していることを証明できます。
例えば、日本メディカル心理セラピー協会が提供する各種資格は、通信講座で手軽に心理学の資格を取得できるためおすすめです。
以下に、通信講座受講で学べる行動心理学関連の資格を4つご紹介します。

行動心理カウンセラー資格

行動心理カウンセラー資格は、人の行動から相手の気持ちを理解する行動心理学について、基本的な知識を有していることを証明する資格です。
この試験では、行動心理学の基礎知識や歴史を学びます。
加えて、行動心理学を活用した仕事やプライベートのコミュニケーションについても知識を有していることをアピールできるでしょう。
上記でご紹介した以外にも多数研究されている各種現象や、手の動きや目の動きといった動作に関して、心理的な意味を読み解く技能を身につけられます。
資格取得後は、行動心理カウンセラーとして施設や企業で活躍するなど、仕事の選択肢を増やせます。

福祉心理カウンセラー資格

福祉心理カウンセラーは、心理学に加えて福祉に関する知識を有していることを証明する資格です。
福祉の現場で心理学を活用し、対象者をケアする能力を身につけます。
病気や通院でストレスを抱える方をサポートするには、心理学だけでなく福祉の面での理解も必要となります。
福祉心理カウンセラー資格では、医師と患者の間に立って、心理面をフォローする役割を担うために必要な知識を学びます。
現在では、福祉に携わる人自身のストレスも問題視されているため、福祉心理カウンセラーによるケアの効果が注目されています。
福祉心理カウンセラーが活躍できる現場は、一般的に医療機関、福祉施設、教育機関などさまざまです。

メンタル士心理カウンセラー

メンタル士心理カウンセラー資格は、心理学の基本知識に加え、ストレスが生み出す症状を十分理解し、カウンセラーとしての活動できる人に認定される資格です。
メンタル士心理カウンセラーは、悩みを抱える人々にカウンセリングと心理学の知識を用いて問題解決にあたるスペシャリストとなります。
医療機関、教育機関、企業などさまざまな分野で需要があり、病院や介護施設、学校など多様な業界で活躍できます。

アンガーカウンセラー資格

アンガーコントロールカウンセラー資格とは、怒りの感情の理解と管理に関する幅広い知識を持つことを証明する資格です。
アンガーコントロールカウンセラー資格では、怒りの順序や怒りの生理的反応、怒りを引き起こす思考、心にゆとりを作るテクニックについて学びます。
資格を取得するなら、自己や他者との関係改善、よりよいコミュニケーションのため役立つ技術を提供できます。
資格取得者はアンガーカウンセラーとして活動し、自宅やカルチャースクールで講師としても活動できるでしょう。

まとめ

行動心理学は、私たちの日常生活や人間関係に大きな影響を与えます。
行動心理学では、この記事で紹介したもの以外にもさらに多くの効果や仕草が研究されています。
行動心理学を学び、理解することで、自分の成長や他者とのよりよいコミュニケーションに役立てましょう。
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