メールやチャットでカウンセラーに相談できるネットカウンセリング
記事更新日:2024年6月11日近年、インターネット環境を利用してカウンセリングを行う「ネットカウンセリング」の需要が増えています。ネットカウンセリングは、若い世代からの高い支持を集めており、メールやチャット、SNSなどのインターネットツールを活用するのが特徴です。
ここでは、ネットカウンセリングの種類やメリットのほか、ネットカウンセラーになるための方法についてご紹介しましょう。
目次
ネットカウンセリングとは?
パソコンやスマートフォンの普及に伴い、インターネットは生活にとって非常に身近なものになってきました。そのインターネットを介したカウンセリングが、ネットカウンセリングです。
オンラインで対面に近いカウンセリングが受けられる
従来のカウンセリングは、カウンセラーと相談者が対面して行われることが一般的でした。しかし、パソコンやスマートフォンの普及やネットワークの発達に伴い、現在ではネットカウンセリングでも対面に近いコミュニケーションをとることが可能になっています。「実際に対面するよりも気軽に相談できる」という人も多く、注目が集まっているカウンセリング方法です。
このネットカウンセリングは、ほかにも「オンラインカウンセリング」や「遠隔カウンセリング」などと呼ばれることもあります。
若い世代の相談窓口として期待が高まる
若い世代を中心に、普段からコミュニケーションにSNSを活用している人は少なくありません。そのような背景から、SNSを使った相談窓口の整備について、国や地方自治体などでも力を入れているという現状があるのです。
対面には抵抗があってもSNSなら相談しやすいという人も多いため、おもに若い世代にとっての相談先として、ネットカウンセリングの期待が高まっています。
ネットカウンセリングにはさまざまな種類がある
ネットカウンセリングには、さまざまなネットツールを使ったカウンセリングがあります。代表的なネットカウンセリングには、下記のようなものがあります。
メールカウンセリング
メールカウンセリングは、メールのやりとりによって、文字だけでカウンセリングを行う方法です。大容量データの送受信が難しかったインターネット初期は、ネットカウンセリングといえばメールによるものが主流でした。メールカウンセリングは、会話のようにリアルタイムで相談が進行するものではありません。そのため、自分のペースで考えながら、メールの文章を作成することができます。また、時間が経った後でもカウンセリング内容を読み返すことができるという特徴があります。
チャットカウンセリング
チャットカウンセリングは、会話のようなテンポでメッセージを送り合うことができます。メールと同じ文字での相談になりますが、リアルタイムのやりとりである点が大きな違いといえるでしょう。
一文はメールより短く、実際の会話に近い形でカウンセリングを行うことができます。
ビデオカウンセリング
ビデオ通話アプリなどを利用したビデオカウンセリングは、対面カウンセリングのようにカウンセラーの顔を見ながら会話をすることができます。最近はテレワークなどの影響で、ビデオ通話アプリを利用する人も増えてきました。そのため、ビデオカウンセリングの利用者は、今後ますます拡大していくと考えられます。
オンライン通話カウンセリング
ネットカウンセリングが普及する前から、電話によるカウンセリングは一般的でした。オンライン通話カウンセリングは、声だけでやりとりをするため、相手の顔が見えません。表情はわからないものの、会話のスピードやニュアンスなど、文字だけのカウンセリングよりも多くの情報を伝えることができます。
ネットカウンセリングのメリット
ネットカウンセリングは、対面カウンセリングと比較して、どのようなメリットがあるのでしょうか。おもに、下記のようなものが挙げられます。
場所を選ばず移動の必要がない
予約した時間に合わせてカウンセリングルームなどに出向く必要がある対面カウンセリングとは異なり、ネットカウンセリングは自宅など好きな場所で相談をすることができます。移動の時間や手間がかからず、遠方のカウンセラーにも相談できるというメリットがあります。
気軽に相談しやすい
欧米などに比べ、日本ではまだまだカウンセリング自体に抵抗感を持つ人が多いのが実情です。特に、若い世代にとってカウンセリングを受けることはややハードルが高く、「悩みがあっても誰にも相談できない」という声も聞かれます。カウンセラーと直接顔を合わせない方法をとることも可能なネットカウンセリングなら、気軽に悩みを相談しやすくなります。
スケジュール調整がしやすい
カウンセリングを受けたいと思っても、仕事や家事、子育てなどが忙しく、なかなかカウンセリングルームに行くための時間が取れないという人も少なくありません。移動の必要がないネットカウンセリングなら、休日の空いた時間や隙間時間などを使って、スケジュールを調整することができます。
外出が困難な人でも利用できる
悩みを抱える人の中には、身体面・精神面の状態から外出が難しいケースもあります。そのような人でも、ネットカウンセリングなら、自宅にいながらカウンセリングを受けることができます。
カウンセラーとして改行や副業を目指しやすい
時間や場所を調整しやすいネットカウンセリングは、相談者だけでなくカウンセラーにとってもメリットがあります。在宅でも働くことができるため、心理カウンセラーとして開業や副業を目指している人にとってもチャレンジしやすいでしょう。
ネットカウンセリングのデメリット
多くのメリットがある一方で、ネットカウンセリングにはいくつかのデメリットもあります。ネットカウンセリングを行う心理カウンセラーを目指す人やネットカウンセリングを利用する際には、メリットだけでなくデメリットについても知っておくことが大切です。
インターネット環境がないとカウンセリングができない
ネットカウンセリングは、その名のとおりインターネットを使ったカウンセリングです。インターネット環境とパソコンやスマートフォンなどのツールがなければ、カウンセリングを行うことはできません。
機器の不具合の可能性
カウンセリング中、ネット回線が不安定になったりパソコンなどの機器に不具合が生じたりすると、会話が中断してしまう可能性があります。カウンセラー側で準備をしっかり整えても、カウンセリングを受ける相談者側の環境に不備があると、スムーズにカウンセリングを行えないこともあるでしょう。
相手の表情などがわかりづらい
文字や声によるカウンセリングは表情や仕草が見えないため、言いたいことが相手に伝わりにくくなる可能性があります。顔を見ながら話せるビデオカウンセリングでも、実際に対面するのに比べると、やはりコミュニケーションの範囲は限られます。
ネットカウンセリングを行うカウンセラーにとっては、相談者の言葉や文章から気持ちを読み取るよう、十分配慮する必要があります。
ネットカウンセラーになるには?
ネットカウンセリングを行う心理カウンセラーは、一般的にネットカウンセラーと呼ばれています。「ネットでカウンセリングを受けたい」という需要に伴い、ネットカウンセラーのニーズも高まっています。
続いては、ネットカウンセラーとして活動するために必要なことをご紹介しましょう。
心理カウンセラーの専門知識を身に付ける
対面でもインターネットでも、カウンセリングを行う上で専門知識の習得は不可欠です。カウンセラーを目指すなら、心理学の知識やカウンセリングのスキルなどをしっかり身に付けましょう。専門知識を学ぶには、「大学や専門のスクールに通う」「通信講座で学ぶ」「本や参考書で独学する」といった方法があります。
資格を取得する
ネットカウンセラーをはじめ、心理カウンセラーになるために必須の資格はありません。しかし、専門スキルを証明するためにも、心理カウンセラーの資格を取得することが望ましいでしょう。
実際に、ほとんどのカウンセラーが何らかの資格を取得して活動しています。
スキル向上にはカウンセリング経験も大切
心理カウンセラーのスキルは、机上の学習だけではなく、実際のカウンセリング経験を通じて常に磨いていく必要があります。実績づくりを重視するなら、インターネットを通じて商品やサービスを受注できるクラウドソーシングや、個人のスキルを売買するシェアリングエコノミー(スキルシェア)を利用してカウンセリング経験を積むのもおすすめです。民間のカウンセリングルームなどに勤め、対面カウンセリングを経験してみるのも良い方法です。
悩みを気軽に相談しやすいネットカウンセリング
「緊張せずに悩みを相談しやすい」と、ネットカウンセリングを希望する人は増加しています。ニーズの高まりに応じて、対面カウンセリングと並行してネットカウンセリングを実施するカウンセリングルームも増えてきました。
ネットカウンセリングは、心理カウンセラーを目指す人にとっても、大きな活躍が期待できるフィールドになるでしょう。
- 通信講座のSARAスクール編集部
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心理カウンセラー資格やリンパケアセラピスト等の体系資格、食育資格などを扱うSARAスクール編集部が運営するコラムです。主に女性向けのキャリアアップやスキル習得を目的とした講座が多く、家事や育児と両立しながら学べる環境が整っています。資格取得を目的とした講座も充実しており、仕事や日常生活に活かすことが可能です。