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アダルトチルドレンとは?特徴・原因や理解を深められる資格を紹介

「自己肯定感が低く、生きづらさを感じるのは、自分がアダルトチルドレンだからではないか」とお悩みの方もいるでしょう。
アダルトチルドレンとは、子ども時代に親から受けたトラウマが原因で、大人になってからも生きづらいと感じて過ごしている人のことです。

本記事では、アダルトチルドレンの特徴や原因、回復に向けてするべきことを解説します。
アダルトチルドレンの理解を深めたい人におすすめの資格もご紹介するので、生きづらさを感じている方や身近な人のつらさを解消してあげたい方はぜひ参考にしてください。

アダルトチルドレンとは?概要とよく見られる特徴

親から受けたトラウマが原因で、生きづらいと感じているアダルトチルドレン。
ここでは、アダルトチルドレンの概要とよく見られる特徴をご紹介します。

アダルトチルドレンの概要

アダルトチルドレン(AC)とは、子どものころに親や養育者から受けたトラウマ(心的外傷)によって、大人になってからも生きづらいと感じて生活している人のことです。
アダルトチルドレンは医学的な診断名ではなく、ひとつの概念として考えられています。
元々、アダルトチルドレンは、アルコール依存症の親に育てられた子ども「Adult Children of Alcoholics(ACoA)」という意味で使われていました。
しかし、次第に解釈が広義になっていき、アダルトチルドレンのなかでも受けたトラウマによって性格が異なります。
子どもらしい子ども時代を送れなかったことから、幼少期の思考・行動が大人になっても残り、人の顔色をうかがうのがアダルトチルドレンです。

アダルトチルドレンによく見られる特徴

アダルトチルドレンによく見られる特徴として、主に以下2点が挙げられます。
・自尊心や自己肯定感が低く人に依存しやすい
・精神疾患にかかりやすい
詳しく見ていきましょう。

自尊心や自己肯定感が低く人に依存しやすい

虐待を受けていた、親の言うことを聞かないと愛情を受けられなかったといった環境で育つと、自尊心や自己肯定感が持てないまま大人になってしまいます。
自尊心や自己肯定感が低い人の性格は、以下のとおりです。
・自分は価値のない人間だと思いやすい
・周囲の期待に応えたいと強く思う
・自分の意見が言えない
・自分が必要とされていることに価値や存在意義を感じる
・相手に好かれようと無理をする
自尊心や自己肯定感が低いあまり「相手に何かを与えないと自分を好きになってもらえない」と感じて尽くし過ぎるため、相手と依存関係になりやすく、お互いに自立できない恐れがあります。
また、恋愛面において「自分がいないとこの人は生きていけない」と思いやすい点もアダルトチルドレンの特徴です。
子ども時代のトラウマが原因で自尊心や自己肯定感が低くなり、人に依存しやすいため、大人になってから社会でうまく人間関係を築けずに悩む人が多くなります。

精神疾患にかかりやすい

子どものころのトラウマによって「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」「パーソナリティ障害」といった精神疾患になるアダルトチルドレンもいます。
また、ストレスを抱えやすいアダルトチルドレンは、以下のような疾患にかかりやすい点も特徴です。
・うつ病
・摂食障害
・アルコール依存症
・ギャンブル依存症
・不安障害
・適応障害
いずれの疾患も、自己肯定感が低いことや自分の気持ちを抑圧していること、コミュニケーションがうまくとれないことなどが原因となるでしょう。

アダルトチルドレンになる4つの原因

機能不全家族のもとで育った人は、アダルトチルドレンになる可能性があります。
機能不全家族とは「親としての役割を果たしていない」「家庭内で虐待が日常化している」など、家族としてお互いを支えあう機能がない家族のことです。
ここでは、アダルトチルドレンになる原因を具体的に解説します。

親から虐待を受けて育った

親や養育者から虐待を受けて育った場合、アダルトチルドレンになる可能性があります。
例として、虐待にあたる行為を下表にまとめました。

虐待の種類 虐待の例
身体的虐待 殴る、蹴る、熱湯をかける
精神的虐待 罵声を浴びせる、子どもの前で夫婦喧嘩をする
性的虐待 性的な暴行を加える、性的な行為を見せつける
ネグレクト(育児放棄) 食べ物を与えない、病院に行かせない、教育を受けさせない

虐待を受けると、子どもは自分を抑圧したり、いい子を演じたりといった自分を守る行動をとるようになるでしょう。
そのため、大人になってからも人と信頼関係を結べず、人間関係をうまく築けなくなります。

アルコール依存症の親に育てられた

アルコール依存症の親や養育者がとる行動の例を、以下にまとめました。
・お酒に溺れて、家族に目が向かない
・常に体内にお酒が入っているため働けない
・子どもにお酒を買いに行かせる
・お酒がないと家族に暴力を振るう
アルコール依存症が原因で子どもに虐待するケースや、働けないことで経済的に困窮するケースもあります。
アルコール依存症の親や養育者が、子どもの心身に影響を与えるのは間違いないでしょう。

毒親に育てられた

子どもに悪影響を及ぼす親や、子どもが厄介と感じる親である毒親に育てられることが、アダルトチルドレンになる原因のひとつです。
毒親がする行動として、以下の例が挙げられます。
・子どもの意思と関係なく、高校や大学などの進路を決める
・子どもの交友・交際関係を制限する
・子どもの行動を監視する
・子どもを無視したり、意見を常に否定したりする
・体調が悪いと嘘をついて、子どもに心配させる
子どものためを思って上記の行動をとるのは問題ありません。
「長い年月に渡って行われる」「行動が過剰である」の2点が毒親の特徴です。
毒親に育てられた子どもは親の言う通りに動くため、子ども自身で考える力が養われず、社会に出たときに仕事や人間関係がうまくいきづらいでしょう。

親から子どもの特性に合わない養育を受けた

親や養育者から子どもの特性に合わない養育を受けると、アダルトチルドレンになる可能性もあります。
たとえば、子どもには性格や発達の違いによって「集中力が欠けている」「理解力が低い」「落ち着きがない」といった特徴があります。
しかし、特性を理解せずに親や養育者が大きな声で叱ると、子どもは委縮するでしょう。
叱られ続けることで「何をやってもうまくいかない」「どうせ自分はだめな存在」といった感情を抱き、自尊心や自己肯定感が低くなります。

アダルトチルドレンの6つのタイプ

アダルトチルドレンは子ども時代にとっていた行動によって、いくつかのタイプに分かれます。
アダルトチルドレンのタイプを6つご紹介するので、どのタイプに当てはまるのか確認してみてください。

ヒーロー(英雄)

ヒーロー(英雄)は「真面目な頑張り屋さん」タイプです。
ヒーロータイプは勉強やスポーツなどに一生懸命取り組むため、学校や社会での評価がよい傾向にあります。
しかし、ヒーロータイプが頑張る裏には、以下のような思惑が隠れています。
・親の期待に応えたい
・親からよい評価をもらいたい
・親に叱られたくない
・家族のよい雰囲気を壊したくない
家族のために努力し、第三者からの評価が高いヒーロータイプは、挫折を味わうと急に心が折れてしまうでしょう。

スケープゴート(いけにえ)

スケープゴート(いけにえ)は「悪者になる問題児」タイプです。
スケープゴートタイプは、ヒーロータイプと反対の行動をとり、家庭内で悪者の立場を背負います。
たとえば、スケープゴートタイプは以下のような行動をとります。
・勉強をしない
・万引きする
・暴力を振るう
しかし、スケープゴートタイプは、本当の問題児になったわけではありません。
「この子さえいなければ」と親に幻想を抱かせることで、本来の家族の問題を自分の問題にすり替えて家庭崩壊を防いでいるのです。
また、問題児でなくても、不出来な子として扱われることもあります。

ロスト・ワン(いない子)

ロスト・ワン(いない子)は「存在感が薄い大人しめ」タイプです。
ロスト・ワンタイプは以下のような行動をとることで、生まれていない子として存在感を消しています。
・わざと遅く帰宅する
・家族とのお出かけに参加しない
ロスト・ワンタイプは家族との関係を断つことで、傷つけられないように自分の心を守っているのです。
また、自分で目立たないように暮らさずとも、家族からいない子として扱われるケースもあります。
存在感を消し、自分の意見や気持ちを抑圧して生きているため、自己肯定感が低く、ストレスが溜まりやすくなります。

ケアテイカー(世話役)

ケアテイカー(世話役)は「自分を犠牲にする世話役」タイプです。
ケアテイカータイプは親に代わって家事をしたり、妹・弟の面倒をみたりといった自分を犠牲にしてまで、家族を献身的にサポートする傾向にあります。
しかし、ケアテイカータイプが家族の世話をする裏には、以下のような気持ちが隠れています。
・家族の世話をして家庭崩壊を防ぎたい
・役割を全うして自分の存在価値を感じたい
・家族から褒められたい、感謝されたい
・自分に非難の目が向けられるのを避けたい
ケアテイカータイプは存在価値を感じたい、感謝されたいという思いが強く、社会に出てからも他人に過剰な世話を焼き「過干渉」「お節介」などと思われやすい点が特徴です。

ピエロ(道化師・クラウン)

ピエロ(道化師・クラウン)は「明るいひょうきん」タイプです。
ピエロタイプが人前で不機嫌になることはなく、おどけたり、冗談を言ったりします。
しかし、ピエロタイプが明るくふるまうのは、ただ演じているだけです。
「家庭内の険悪なムードを解消したい」「おもしろくない子は嫌われる」といった感情から、家族の顔色をうかがっています。
ときには、体調の悪さも隠すピエロタイプですが、明るくふるまったにもかかわらず事態が悪化した場合は、かなり落ち込みます。

イネイブラー(慰め役)

イネイブラー(慰め役)は「事態を悪化させる慰め役」タイプです。
イネイブラータイプは、家族の世話をする点ではケアテイカータイプと似ていますが、ケアテイカータイプと異なるのはその世話が問題を悪化させることです。
たとえば、イネイブラータイプは以下のような行動をとります。
・アルコール依存症の親のためにお酒を用意する
・親の借金を肩代わりする
イネイブラータイプは問題に目を背け、親の問題行動を解決することで自分の存在価値を見出しているのです。

アダルトチルドレンが回復に向けてするべきこと

アダルトチルドレンの生きづらさを解消するには、医師や心理カウンセラーなどの専門家のカウンセリングを受けるのが大切です。
たとえば、アダルトチルドレンが受けるカウンセリングは、以下のような流れで進みます。
1. 過去を振り返って、抑えていた自分の感情に気づく
2. アダルトチルドレン特有の思考や行動を認知する
3. 物事の受け止め方を変えていく
家族や他人の価値・評価で生きてきたアダルトチルドレンが、過去を振り返るのはつらいかもしれません。
また、生きづらさを解消しようと治療するのに対し、今までの生き方を否定されたと感じる人もいるでしょう。
しかし、アダルトチルドレンのタイプ6つのいずれにしても「家族の関係を保ち続けよう」と子どもなりに最善の行動をとってきたのは間違いありません。
過去を振り返ることで「自分は悪くない」と理解し、現在抱えている問題をひとつずつ解決していきましょう。
回復に向けて、同じ悩みをもつアダルトチルドレン同士で過去の経験を話す「自助グループ」という方法もおすすめです。
また、精神疾患がある方は、医師の判断のもと薬物療法を受けることで、症状が軽くなることもあります。

アダルトチルドレンの理解を深めたい人におすすめの資格

「アダルトチルドレンではないかと生きづらさを感じている」「身近にいるアダルトチルドレンの人のつらさを解消してあげたい」などアダルトチルドレンへの理解を深めたい方には、心理学の勉強をするのもおすすめです。
ここでご紹介する資格はすべて自宅で勉強・受験ができるため、気軽に挑戦してみてください。

チャイルド心理カウンセラー®資格

チャイルド心理カウンセラー®資格の試験で出題される主な内容は、以下のとおりです。
・子どもの話の聞き方
・話しやすい環境と態度
・親の心構え
・友だちをめぐる問題
チャイルド心理カウンセラー®資格の試験詳細を下表に示します。

チャイルド心理カウンセラー®資格の試験詳細
受験資格 特になし
受験料(税込) 1万円
受験申請 インターネットから申込み
受験方法 在宅受験
合格基準 70%以上
検定試験日程 2・4・6・8・10・12月の20~25日

チャイルド心理カウンセラー®資格取得に向けて、胎児期・乳児・幼児・学童・思春期までの子どもの心理や発達について勉強します。
アダルトチルドレンが子育てをする場合「子どもにきつくあたる」「褒め方がわからない」など親から受けた養育を見本にする傾向にあり、うまく子育てできないと自分を追い詰めることになりかねません。
そのため、子育てに不安を感じるアダルトチルドレンは、チャイルド心理カウンセラー®資格を取って、子どもの心理や発達について学んでおくとよいでしょう。
さらに、チャイルド心理カウンセラー®資格は、カウンセリングを行う技能や知識を有していることを証明でき「チャイルド心理カウンセラー®」「子供心理カウンセラー」「保育士・幼稚園教諭」などの職業にも活かせます。

行動心理カウンセラー®資格

行動心理カウンセラー®資格の試験で出題される内容は、主に以下のとおりです。
・アンダーマイニング効果
・両面提示の法則
・イエス誘導法
・類似性の法則
行動心理カウンセラー®資格の試験詳細を下表に示します。

行動心理カウンセラー®資格の試験詳細
受験資格 特になし
受験料(税込) 1万円
受験申請 インターネットから申込み
受験方法 在宅受験
合格基準 70%以上
検定試験日程 2・4・6・8・10・12月の20~25日

行動心理カウンセラー®資格では、人の行動や仕草から相手の気持ちを読み解く学問である行動心理学を学びます。
また、行動心理カウンセラー®資格は、行動心理学から考える仕事やプライベートにおけるコミュニケーションに関する知識があることを証明する資格です。
人間関係の築き方に悩みを抱えるアダルトチルドレンは、行動心理学を学んでみるのもよいでしょう。
行動心理カウンセラー®資格は「行動心理カウンセラー®」「行動主義心理アドバイザー」「行動心理士」などの職業にも活かせて、商業施設や企業のアドバイザーとして活躍できます。

メンタル士心理カウンセラー®資格

メンタル士心理カウンセラー®資格の試験で出題される内容は、以下のとおりです。
・基礎知識
・心理的ストレスによる症状
・心理的ストレスの主な原因
・回復するための治療法
メンタル士心理カウンセラー®資格の試験詳細を下表に示します。

メンタル士心理カウンセラー®資格の試験詳細
受験資格 特になし
受験料(税込) 1万円
受験申請 インターネットから申込み
受験方法 在宅受験
合格基準 70%以上
検定試験日程 2・4・6・8・10・12月の20~25日

メンタル士心理カウンセラー®資格では、心理学の基礎知識やストレスから起こる症状、症状別の治療法などを勉強し、資格取得後は病院や企業内でカウンセラーとして活動できます。
生きづらさに悩むアダルトチルドレンや、身近にいるアダルトチルドレンの悩みを解消してあげたい方などは、メンタル士心理カウンセラー®資格の勉強をしてみるとよいでしょう。
また、メンタル士心理カウンセラー®資格を取得することで「メンタル士心理カウンセラー®」「メンタル心理インストラクター®」として活躍できます。

まとめ

アダルトチルドレン(AC)とは、子どものころに親や養育者から受けたトラウマ(心的外傷)によって、大人になってからも自身が生きづらさを感じて生活している人のことです。
アダルトチルドレンには「自尊心や自己肯定感が低く人に依存しやすい」「精神疾患にかかりやすい」といった特徴があります。
また、アダルトチルドレンになるのは「親から虐待を受けて育った」「アルコール依存症の親に育てられた」など、機能不全家族のもとで育ったことが原因です。
アダルトチルドレンへの理解を深めたい方は、自宅で勉強・受験ができる心理学に関する資格に挑戦してみましょう。

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