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インナーチャイルドとは?癒やし方や理解に役立つおすすめ資格を紹介

幼少期に家庭環境が原因で負った心の傷は、「インナーチャイルド」という負の感情として、大人になってからの性格や思考に影響を与えることがあります。

現代の心理カウンセリングにおいても、インナーチャイルドセラピーは注目度が高いため、理解を深めることは心理カウンセリング関連の就職・転職やキャリアアップに効果的です。

本記事では、心理学やカウンセリング分野でも注目されているインナーチャイルドとはどのようなものか、その原因や克服の仕方、主な種類について解説します。

インナーチャイルドの理解に役立つおすすめの心理系資格もあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

インナーチャイルドとは?原因と癒やし方について

インナーチャイルドとは、幼少期の家庭環境や子ども時代のつらい経験がトラウマとなって現れる、負の記憶や感情のことを指します。
家庭での出来事によって、自分の感情や欲求を抑えながら過ごすことで負った心の傷は、年月が経過しても癒えずに残り続けることがあります。
その結果、大人の成熟な考え方を持てないまま同じような経験を繰り返すようになり、人間関係の構築につまずいたり、生きづらさを感じたりするようになるのです。
インナーチャイルドは、直訳すると「内なる子ども」となりますが、わがままや甘えなどを連想させる「子どもっぽい考え方」を指す言葉ではありません。
次に、インナーチャイルドの原因や向き合い方について触れていきます。

インナーチャイルドの原因

インナーチャイルドの主な原因は、次に挙げる3つのネグレクト(虐待)にあります。
・感情的ネグレクト:高圧的な態度で感情を表に出させない
・心理的ネグレクト:感情表現や愛情表現を無視する、またはほとんど反応を示さない
・身体的ネグレクト:暴力、ご飯を与えない、お風呂に入らせない など
インナーチャイルドは、3歳から10歳ごろまでにこれらのネグレクトを受け、感情的・心理的・身体的な安心感を得ることなく育った人に現れやすいとされています。

インナーチャイルドの癒やし方

インナーチャイルドを癒やすための働きかけは、幼少期のトラウマからの解放や、傷ついた経験からくる生きづらさの解消につながります。
インナーチャイルドを癒やす作業は、「インナーチャイルドセラピー」「インナーチャイルドワーク」などと呼ばれ、以下のような方法で行われます。
1. 自分の中にあるインナーチャイルドに気づく
2. 傷ついた事実を認め、当時の状況をまっすぐ受け止める
3. インナーチャイルドとの対話を通して怒りの感情を発散する
4. 対話から「本当はどうしたかったのか」を明らかにする
5. 感情や行動を選び直す
これらは、自分自身で行うことも可能ですが、専門家の心理カウンセリングを受けることで、客観的な視点からインナーチャイルドを見つめ直せるため、抱え込まずに相談するのも有効な手段の一つです。

インナーチャイルドの9つのタイプと形成される性格の傾向

インナーチャイルドの症状は、9つのタイプに分類されます。
育った環境やトラウマとなった出来事などによって現れる症状は異なり、複数の症状が同時に出現する場合もあります。
ここでは、各タイプの特徴や、形成される性格の傾向についてみていきましょう。

孤独感のあるロストラブ

「ロストラブ」は、愛情が少なく、家族との関係が軽薄な冷たい家庭環境で育ったときに見られるインナーチャイルドです。
「自分には他者から愛される価値がない」という感情に縛られやすく「嫌われることを極端に恐れる」「他者に過度に執着する」といった傾向がみられます。
愛という感情が理解できず、人に対して好意を抱かないのも、ロストラブの特徴の一つです。

2-2.良い子を演じるニゲージョン

「ニゲージョン」は、兄弟姉妹や友人などと比較され、否定や差別を受けながら育ったときに見られるインナーチャイルドです。
自分を否定された経験から「嫌われたくない」という思考が強く「良い子を演じる」「自分の感情や願望を表に出さない」「親の期待に必死に応えようとする」などの傾向がみられます。

自身を追い詰めやすいエクスペクテーション

「エクスペクテーション」は、親からの強すぎる期待を受けながら育ったときに見られるインナーチャイルドです。
過度な期待によるプレッシャーは、恐怖や不安、不快感として記憶に残り「強迫観念にとらわれる」「自暴自棄になる」といった傾向のほか、反抗や反発をともなう非行行為として現れることもあります。

コンプレックスを感じやすいアビアランス

「アビアランス」は、世間体重視で育てられたときに見られるインナーチャイルドです。
「一流大学を出て、一流企業に就職する」といった親の価値観が正しいと思い込みながら育ったこのタイプには「コンプレックスを感じやすくなる」「人を見下すことで優越感を抱く」「見栄を張る」などの傾向がみられます。

感情を表に出せないシークレット

「シークレット」は、秘密のある家庭で育てられたときに見られるインナーチャイルドです。
「他人に嘘をついてはいけないといいながらも、友達への嘘を強要する」などの親からの矛盾ある言動によって、他者と接する際に罪悪感や不安をおぼえ「感情を表に出しづらくなる」「自分の考えを隠して嘘をつく」「人に心を開かない」といった傾向がみられるようになります。

存在を否定しがちなディスライク

「ディスライク」は、もっとも愛されたい存在である親から嫌悪され、否定されながら育ったときに見られるインナーチャイルドです。
容姿や性別を否定された経験が原因となり「自己否定しやすくなる」「容姿にコンプレックスを感じる」「自信を持てない」といった傾向が現れやすくなります。

世話をしすぎるヘルパー

「ヘルパー」は、親の代わりに兄弟姉妹の面倒を見るなど、助け役をしながら育った人に現れやすいインナーチャイルドです。
家族のサポートを褒められたことで、世話をすることに自分の存在意義や価値観を見出すようになり「世話をしすぎる」「自分を犠牲にする」「承認欲求が強くなる」などの傾向がみられるようになります。

過度な自己中心インダルジ

「インダルジ」は、何をしても許され甘やかされながら育ったときに見られるインナーチャイルドです。
自分のわがままがすべて通り、モラルや社会の常識・ルールを学ぶ機会が少なかったこのタイプには「過度に自己中心的でわがまま」「親離れできない」「自分の欲求を満たしてくれる人に依存する」などの傾向が現れます。

逃避癖のあるディスペンデンスパーソン

「ディスペンデンスパーソン」は、アルコールやギャンブル、ゲーム、薬物などに依存する親に育てられたときに見られるインナーチャイルドです。
依存症状の原因は「困難な現実から逃げ出したい」という思いであるケースが多く、そのような親を見て育った子どもには「問題から逃げる癖がつく」「集中力が低い」「最後までやり遂げるのが苦手」といった傾向や、中毒性の高いものへの依存症状が現れやすくなります。

インナーチャイルドセラピーに期待される4つの効果とは?

幼少期のトラウマが原因となって現れるインナーチャイルドを癒やす「インナーチャイルドセラピー」は、心の問題を解決に導く心理カウンセリングにおいて注目されています。
インナーチャイルドセラピーを行ううえで、幼少期のトラウマと向き合うつらい時間を経験することは避けられません。
しかし、乗り越えることで、今後の人生が大きく変化する可能性もあります。
ここでは、インナーチャイルドセラピーに期待される4つの効果について解説します。

自分の感情や欲求を表現できるようになる

インナーチャイルドセラピーでは、カウンセリングを通して自分をまっすぐ見つめ、ありのままの自分をさらけ出すことで、今まで抑え込んでいた感情や欲求を素直に表現できるようになります。
また、インナーチャイルドが現れた原因をひも解いていくことで「愛されたい」「甘えたい」といった気持ちに嘘をつく必要はないと自覚できるため、罪悪感を抱くことなく、自分の思いを素直に伝えられるようになるでしょう。

負の連鎖を食い止められる

インナーチャイルドを抱えている方の中には、自分のトラウマとなった幼少期に受けた言動を、無意識のうちに自身の子どもに向けてしまう人もいます。
ネグレクトをする親が幼少期に虐待を受けていたケースが多いのも、インナーチャイルドが持つこのような特徴が原因の一つといえるでしょう。
インナーチャイルドを癒やし、トラウマを乗り越える経験からは、自分が過去に親から受けていた言動が決して正しいものではなかったという気づきを得られ、インナーチャイルドを子どもへ引き継ぐ負の連鎖を食い止めることにつながります。

自己を受容できるようになる

インナーチャイルドセラピーによって、感情や欲求を抑え込まざるをえなかった状況から解放されることで、他人の目線や意見を気にすることなく、自分らしく行動できるようになります。
「親の影響を受けながら生きる自分」から「自身の意志で生きる自分」への変化は、自信にもつながり、親の影響を受けることなく生きる一人の人間としての第一歩を踏み出すきっかけにもなるでしょう。

他者を受け入れられるようになる

インナーチャイルドセラピーを通して自己を受容できるようになると、自分と他者を区別して考えられるようになるため、自分にとって周りの人が比較対象ではなくなり、他者を素直に受け入れられるようになります。
また、過去の出来事や親の存在といった自身を縛り付けていたものから解放されることで視野が広がり、考え方も柔軟になるため、人間関係がより円滑になる効果も期待できます。

インナーチャイルドと相互関係にある4つの要素

インナーチャイルドと深いかかわりのある要素として、「潜在意識」「アダルトチルドレン」「共依存」「マインドフルネス」の4つが挙げられます。
ここでは、インナーチャイルドと各要素の関係性について解説します。

インナーチャイルドと潜在意識

人間の意識は、普段認識できる「顕在意識」と、無意識の領域である「潜在意識」で構成されています。
2つの意識の比率については諸説ありますが、顕在意識が3%~10%、潜在意識が90%~97%といわれており、私たちの意識の大部分を潜在意識が占めていることが明らかにされています。
インナーチャイルドは内なる子ども、つまり意識の内側である潜在意識に存在するため、意識したりコントロールしたりするのが難しく、ごまかしが効きません。
インナーチャイルドを癒やし、インナーチャイルドによる不調を解消していくためには、潜在意識にアクセスし自分の無意識の領域に気づくワークを行うなどの方法が有効です。

インナーチャイルドとアダルトチルドレン

子どもの頃に抱いた負の感情が「インナーチャイルド」であるのに対して、幼少期のトラウマに縛られながら生きる大人を「アダルトチルトレン」と呼びます。
「大人になった子ども」と訳されるアダルトチルドレンは、インナーチャイルドが強く現れた状態であり、精神症状によって生きづらさを感じたり、感情や欲求を抑え込もうとするあまり本来の能力を発揮できなかったりします。
よって、インナーチャイルドを癒やすことは、アダルトチルドレンの克服にも効果的といえるでしょう。

インナーチャイルドと共依存

共依存とは、特定の人間や関係性に依存している状態を指します。
共依存は、親の顔色をうかがいながら過ごした幼少期のトラウマによって形成されたインナーチャイルドが原因で、引き起こされることがあります。
そのため、インナーチャイルドを癒やすことで、他者に過剰に合わせたり執着したりする共依存の症状がやわらぐ可能性があるのです。

インナーチャイルドとマインドフルネス

インナーチャイルドは、自分の内に傷ついた幼少期の自分が住み着いている状態と言い換えられます。
インナーチャイルドが強く現れているとき、人は過去の記憶に捉われた状態であり、今現在の自分に意識が向いていません。
そのため、呼吸や瞑想によって「今、この瞬間」に意識を集中させるマインドフルネスは、インナーチャイルドを癒やし、ありのままの自分を受け止めるのに役立つと考えられています。

インナーチャイルドの理解にもつながるおすすめ資格3選

インナーチャイルドに関する理解を深めるには、インナーチャイルドに関する知識を身につけるのはもちろん、心理学を体系的に学ぶことも有効です。
身につけた知識は、インナーチャイルド自身による心の問題の解決に生かせるだけでなく、インナーチャイルドに苦しむ相談者に対するカウンセリング業務などにも役立てられます。
ここでは、インナーチャイルドの理解や対処に役立つ知識を習得できるおすすめの資格を3つご紹介します。

メンタル士心理カウンセラー資格

「メンタル士心理カウンセラー」は、心理学の基礎知識やさまざまなストレスから起こる症状などに関する知識を有し、カウンセラーとして活動するレベルに達していると判断された方に与えられる資格です。
人の感情や思考、行動の仕組みを科学的に研究する学問である心理学の知識は、インナーチャイルドに思考や行動を左右されている相談者へのカウンセリングにも生かせるでしょう。

資格検定試験内容 ・心理的ストレスによる症状
・心理的ストレスの主な原因
・回復するための外部的治療法・内部的治療法 など
受験資格 特になし
受験料 1万円(税込)
受験申請 インターネットからの申し込み
受験方法 在宅受験・期日までに解答用紙を提出
合格基準 70%以上の評価
試験日程 2ヶ月に1回のペースで開催(年度により異なる)

チャイルド心理カウンセラー資格

「チャイルド心理カウンセラー」は、子どもの心理や発達を十分に理解し、悩みや問題に対してカウンセリングを行うための知識やスキルを有していることの証明となる資格です。
子どもの心理や家庭環境が子どもに与える影響などに関する知識は、トラウマとなった出来事と向き合いながら克服を目指すインナーチャイルドを癒やす過程で、おおいに役立つはずです。

資格検定試験内容 ・子どもの話の聞き方
・親の心構え
・自立と解決 など
受験資格 特になし
受験料 1万円(税込)
受験申請 インターネットからの申し込み
受験方法 在宅受験・期日までに解答用紙を提出
合格基準 70%以上の評価
試験日程 2ヶ月に1回のペースで開催(年度により異なる)

夫婦心理カウンセラー資格

「夫婦心理カウンセラー」は、夫婦関係や家族関係の問題解決や関係構築などに関する正しい知識を有する者に与えられる資格です。
資格取得を通して習得できる知識の中には、「家庭内暴力」「アダルトチルドレン」「夫婦と子どもの関係」など、幼少期のトラウマの原因となる要素が含まれているため、インナーチャイルドに対するより深い理解につながるでしょう。

資格検定試験内容 ・子どもと親のかかわり方
・家族関係の問題解決・関係構築
・夫婦間の問題が子どもに与える影響 など
受験資格 特になし
受験料 1万円(税込)
受験申請 インターネットからの申し込み
受験方法 在宅受験・期日までに解答用紙を提出
合格基準 70%以上の評価
試験日程 2ヶ月に1回のペースで開催(年度により異なる)

まとめ

幼少期に負った心の傷によって形成されたさまざまなタイプのインナーチャイルドは、自分と向き合うセルフワークなどのほか、インナーチャイルドセラピーをはじめとするカウンセリングによって克服できる可能性があります。
インナーチャイルドセラピーや、トラウマの克服を目指す心理カウンセリングでは、インナーチャイルドに関する知識はもちろん、心理学や子どもの心の発達などに関する学びが大いに役立つでしょう。
本記事でご紹介した3つの資格は「SARAスクールジャパン」「諒設計アーキテクトラーニング」の通信講座を受講することで、自分のペースで無理なく取得を目指せます。
インナーチャイルドに対する理解を深めたい方や、インナーチャイルドに苦しむ相談者に寄り添うカウンセラーの仕事に興味のある方は、ぜひご検討ください。

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