【心の専門家】学校や一般企業における心理カウンセラーの役割 | 通信教育・通信講座のSARAスクールジャパン資格講座
現在位置
通信教育・通信講座SARAトップ > 心理学・カウンセラーの資格取得講座一覧 > 心理カウンセラー資格取得講座 > 【心の専門家】学校や一般企業における心理カウンセラーの役割

【心の専門家】学校や一般企業における心理カウンセラーの役割

心理カウンセラーは、相談者の悩みに寄り添い自力での解決へと導くサポート役です。
この役割は、どのような現場・シチュエーションでも変わりませんが、求められる細かな役割はそれぞれ異なります。
本記事では、近年特にカウンセリングの需要が高まっている学校や一般企業における心理カウンセラーの役割について、具体的な仕事内容を含め詳しく解説します。
心理カウンセラーに向いている人の特徴や、心理学の知識を身につけるのにおすすめの資格もあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

学校や一般企業における心理カウンセラーの役割|代表的な4つの働き方と求められる役割

心理カウンセラーの代表的な働き方として、「学校所属」「企業所属」「病院所属」「フリー」の4つが挙げられます。
ここでは、働き先によって異なる心理カウンセラーの役割や相談内容の違いについて解説します。心理カウンセラー資格はこちら

学校で働く心理カウンセラー

学校で働く心理カウンセラーは「スクールカウンセラー」と呼ばれ、学校に通う児童生徒やその保護者、教職員に対して心のケアなどを行います。
スクールカウンセラーは、いじめや不登校などの問題の増加を受け、1995年から「教育現場における心の専門家」として全国の学校に配置されています。
スクールカウンセラーになるためには、選考条件として定められた「公認心理師資格取得者」「臨床心理士資格取得者」「精神科医」などの基準を満たすことが必須です。
詳しくは、「スクールカウンセラーになるには?必要な資格とスキルを磨く方法」をご覧ください。

役割

学校で働くスクールカウンセラーの主な役割は、以下のとおりです。
・児童生徒の悩みをカウンセリングで聞き取り、必要に応じてアドバイスをする
・教職員や保護者と連絡を取り、問題解決に向けたカウンセリングやアドバイスを行う
・教職員への心理検査やメンタルケアを行う
・地域の人々へ向けた子どもや教育に関する講話を行う など
スクールカウンセラーには、学校で起こる問題に対して、教員とは異なる第三者の視点で相談者に寄り添い、心理学の知識を生かして問題解決のサポートを行うことが求められます。

相談内容の一例

スクールカウンセラーには、次のような相談が寄せられます。
・いじめ
・不登校
・虐待
・学校や家庭での人間関係
・進学・就職
・恋愛 など
複数の問題が複雑に絡み合っている場合もあり、家族全体を対象に行う「家族療法」などを用いて、問題解決を図ることもあります。

一般企業で働く心理カウンセラー

一般企業で働くカウンセラーは「企業内カウンセラー」「産業カウンセラー」「キャリアコンサルタント」などと呼ばれ、働く人の心やキャリア、職場環境や人間関係などに関する問題のサポートを行います。
企業内カウンセラーとして働くにあたって資格取得は必須ではありませんが、産業カウンセラーとキャリアコンサルタントに関しては、それぞれ認定資格の取得が必要です。
・産業カウンセラー:一般社団法人日本産業カウンセラー協会が実施する試験の合格者に与えられる民間資格
・キャリアコンサルタント:厚生労働大臣の登録を受けた登録試験機関が実施する試験の合格者に与えられる国家資格
メンタルサポートが主な業務となる企業内カウンセラーや産業カウンセラーに対し、キャリアコンサルタントは、職業選択や能力開発などに対する助言を専門に行います。

役割

一般企業で働く心理カウンセラーの主な役割は、以下のとおりです。
・経営者や社員に対してストレス緩和などを目的としたカウンセリングを行う
・心理テストの実施と結果の分析を行う
・社員のキャリア開発への援助を行う
・リーダーシップやコミュニケーションスキルの開発を行う
企業内カウンセラーや産業カウンセラーの業務内容には、リストラされた社員の再就職支援や、休職中の社員のメンタルサポートなども含まれます。

相談内容の一例

一般企業で働く心理カウンセラーには、以下のような相談が寄せられます。
・上司・同僚・部下との人間関係
・職場内でのハラスメント
・職務内容に対する不安や不満
・キャリア形成
・再就職 など
業種や会社の規模などの条件によって相談内容が異なるため、カウンセラーとして必要な心理学の知識とあわせて、就労先の社内風土や社員同士の距離感なども十分に理解しておく必要があるでしょう。

病院で働く心理カウンセラー

一般的に「カウンセラー」と聞いてイメージされやすい医療・保健領域で働くカウンセラーの就業先には、病院・クリニック・診療所・保健所・精神保健福祉センター・リハビリテーションセンター・市町村の保健センターなどが挙げられます。
これらの場所で心理カウンセラーには、多くの場合、国家資格である「公認心理師」や「精神保健福祉士」「社会福祉士」、心理系の民間資格の中でも信頼性の高い「臨床心理士」などの保有が求められます。

役割

病院を含む医療機関で働く心理カウンセラーの主な役割は、以下のとおりです。
・主治医の指示にもとづきカウンセリングや心理検査を行う
・他科への橋渡しや調整を加味してカウンセリングを行う
・必要に応じてグループカウンセリングを実施する
・心理支援の必要性を判断し医療関係者に見立てや意見を伝える
・保健師などと連携し社会復帰支援を行う
・子どもの成長の様子を確認し保護者に伝える など
医療機関でのカウンセリングは、主に精神疾患のある患者に対して行われます。

相談内容の一例

病院などで働く心理カウンセラーには、精神疾患を引き起こす原因となった出来事に関連するさまざまな相談が寄せられます。
・生い立ち
・学校や職場での人間関係
・家族との関係
・子育て など
悩みの原因は表面にあらわれていないことも多いため、些細な出来事でも安心して話してもらえるよう、信頼関係を丁寧に築いていくことが大切です。

フリーで活動する心理カウンセラー

心理カウンセラーの中には、学校や一般企業などの団体に属さず、独立起業してフリーで活動する方もいます。
働き方としては、実店舗を構えるスタイルのほか、レンタルルームやカフェなどで相談に乗る形態や、ビデオチャットを使ってオンラインでカウンセリングを行う形態などがあります。
また、カウンセラーとして実績を積んだのち、企業やクリニックなどと業務提携して活動の幅を広げていく方もいます。
オンラインであれば活動範囲の制限がないため、副業で心理カウンセリングに携わりたい方でも挑戦しやすいでしょう。

役割

フリーの心理カウンセラーには、就労先が定まっている働き方の場合と異なり、対象とする相談者の悩みに柔軟に対応することが求められます。
そのため、保有する資格やこれまでの経験や実績、得意分野などをふまえ、自分の知識を生かしてカウンセリングを行えるよう、ある程度相談者を限定することも大切です。
相談者を絞って心理カウンセラーとして活動するは、「子育ての悩み専門」「人間関係の悩み専門」など、相談者を募る時点で、自分の専門性を明らかにしておくとよいでしょう。

相談内容の一例

フリーの心理カウンセラーに寄せられる可能性のある相談内容は、多岐にわたります。
・夫婦・パートナーとの関係
・結婚・恋愛
・子育て
・就職・起業 など
専門性と信頼性のアピールとして、特化したい分野の関連資格を取得するのもおすすめです。

学校や一般企業の心理カウンセラーに向いている人の6つの特徴

学校や一般企業など、働く場所によって求められる役割や相談内容は異なりますが、心の問題を解決へと導くカウンセリング本来の目的は変わりません。
ここでは、どのような場所で活動する心理カウンセラーにも共通する「向いている人の6つの特徴」について解説します。

相手の本心をうまく聞き出せる

心理カウンセリングでは、相談者の本心を引き出すアプローチとして、相手の言葉を真摯に受け止め共感的に理解しようとする「傾聴」が重視されます。
相談者が自ら答えを導き出せるよう待つのがカウンセリングの基本であり、心理カウンセラーには、自らの意見を押しつけたり異なる価値観を否定したり、あるいは解決策を積極的に提示したりすることなく、相談者と誠実に向き合うことが求められます。
また、結論や決断を急がせたり人の話を遮ったりすることなく、じっくり相手の話を聞けることも、心理カウンセラーに向いている人の特徴といえるでしょう。
傾聴力は、生まれもった性質がすべてではなく、心理学やカウンセリングに関する学びをとおして身につけることが可能です。

相手の気持ち・立場を深く理解できる

心の問題で悩んだ過去や、相談者としてカウンセリングを受けた経験は、自身が心理カウンセラーとして活動するうえで大いに生かせる可能性があります。
実際に心に傷を負い、それを克服した経験をふまえて、相談者に親身に寄り添うことで、相手の気持ちや立場を深く理解できることが、心理カウンセラーの仕事にプラスにはたらくはずです。
ただし、相談者と似たような境遇を味わっていないからといって、心の問題を抱える方の気持ちが理解できないわけではありません。
実際に経験していなくても、心理学の知識を身につけたり、最新のカウンセリング事例から学んだりすることで、心理カウンセラーとして重要な相手の気持ちを深く理解する力を育てられるでしょう。

情に流されない

情に流されず、常に冷静に物事を判断できることも、心理カウンセラーに向いている人の特徴の一つです。
カウンセリングでは、相手の感情や経験に対して理解を示す「共感」はしても、自分自身の考えにもとづいて相手の気持ちに同調する「同感」はしないのが基本です。
そのため、心理カウンセラーには、相談者の話に耳を傾け、心に寄り添いながらも、専門家として的確な判断ができなくなるほど感情移入しすぎないことが求められます。

秘密を守れる

心理カウンセラーに寄せられる相談内容の多くは、非常にセンシティブな問題です。
そのため、相談者にとって信頼でき、安心して悩みを打ち明けられる存在であるためには、秘密を守ることが重要です。
たとえばスクールカウンセラーの場合、「スクールカウンセラーの身分、心構え」として「秘密漏洩の禁止(公務員の守秘義務)」が明記されており、相談内容を漏らすことは許されません。
カウンセラーの責任で、相談を受けた事実や内容を学校に報告するケースもありますが、基本的には相談者の身内であっても、本人の許可なく伝えることはできません。

知的向上心がある

常に新たな学びを得ようとする知的向上心も、心理カウンセラーにとって重要な要素の一つです。
学校や、職場、家庭を取り巻く環境は、時代の流れとともに刻々と変化しています。
そのため、心理学に関する知識やカウンセリングスキルについて学び、相談者へ的確なアドバイスができる体制を整えていくことが大切です。
相談内容によっては、直近のカウンセリング事例が、解決の糸口となる場合もあるため、最新の研究にも積極的に触れるようにしましょう。

文章力がある

一見関連性が薄いように思える文章力も、心理カウンセラーの仕事に生かせる能力の一つです。
心理カウンセラーの業務には、文章をともなう情報共有のための報告書の作成などが含まれます。
特にスクールカウンセラーの場合は、カウンセリングを受けた児童生徒やその保護者に対して手紙を書くこともあるため、相手を気遣う言葉を選び、心に寄り添う文章を作成する力は重要といえるでしょう。

学校や一般企業での心理カウンセリングに役立つおすすめ3資格

先に挙げた「心理カウンセラーに向いている人の特徴」にもあるように、心理学の基礎知識やカウンセリングスキルに関する学びは、心理カウンセラーとして活動するうえで大いに役立ちます。
ここでは、心理カウンセリングに生かせる知識の習得につながる3つの心理系資格をご紹介します。

メンタル士心理カウンセラー資格

メンタル士心理カウンセラー」は、カウンセリングに役立つ心理学の基礎知識やストレスによって起こる症状について十分に理解し、カウンセラーとして活動するレベルに至っているとされた者に与えられる資格です。

資格検定試験内容 ・心理的ストレスによる症状
・心理的ストレスの主な原因
・外部的治療法・内部的治療法 など
受験資格 特になし
受験料 1万円(税込)
受験申請 インターネットからの申し込み
受験方法 在宅受験・期日までに解答用紙を提出
合格基準 70%以上の評価
試験日程 2ヶ月に1回のペースで開催(年度により異なる)

行動心理カウンセラー資格

行動心理カウンセラー」は、人の行動から相手の気持ちを読み解く行動心理学の基礎知識や、行動心理学から考えるコミュニケーションに関する知識について、十分に理解していることの証明となる資格です。

資格検定試験内容 ・単純接触効果
・イエス誘導法
・類似性の法則 など
受験資格 特になし
受験料 1万円(税込)
受験申請 インターネットからの申し込み
受験方法 在宅受験・期日までに解答用紙を提出
合格基準 70%以上の評価
試験日程 2ヶ月に1回のペースで開催(年度により異なる)

夫婦心理カウンセラー資格

「夫婦心理カウンセラー」は、夫婦関係や家族関係の問題解消や関係構築に関する知識を有し、適切なカウンセリングを行えることの証明となる資格です。

資格検定試験内容 ・夫婦関係や家族関係の問題解決・関係構築
・夫婦間の問題が子どもに与える影響
・子どもと親のかかわり方 など
受験資格 特になし
受験料 1万円(税込)
受験申請 インターネットからの申し込み
受験方法 在宅受験・期日までに解答用紙を提出
合格基準 70%以上の評価
試験日程 2ヶ月に1回のペースで開催(年度により異なる)

【要注意】学校や一般企業での心理カウンセリングでやってはいけない4つのこと

相談者に寄り添い心の問題の解決をサポートする心理カウンセラーの仕事では、個人的な内容やセンシティブな話題に触れる場面があるでしょう。
しかし、役割から逸脱する行為や、プライベートに踏み込みすぎる行動は、カウンセラーとしての信用を損ねるだけでなく、相談者の心の回復を妨げることにもなりかねません。
ここでは、心理カウンセラーとしてやってはいけない4つの行為について解説します。

診断・薬の処方を行う

心理カウンセラーは医師ではないため、悩みの相談を受けて診断を下したり、薬を処方したりすることはできません。
たとえ、スクールカウンセラーとして相談を受ける中で、発達障害の特徴に該当する兆候が見られたり、一般企業でのカウンセリングでうつ病の症状が確認できたりしたとしても、具体的な病名を告げることは医師のみに許された業務です。

カウンセラー側の意見を押しつける

相談者が悩みを自力で解決するためのサポートを行うのが、心理カウンセラーの仕事です。
そのため、カウンセラー側から特定の思考や行動を強制することはできません。
また、無理に心療内科や精神科の受診を勧めることは、心の問題の解決につながる可能性が高いとしても、相談者との信頼関係を崩すきっかけになる可能性もあります。

守秘義務を怠る

プライベートな内容やセンシティブな問題を取り扱うカウンセリング業務において、秘密厳守は徹底されなければなりません。
家族や教職員、職場の上司など、まわりの人の協力が必要なケースであっても、相談者本人の意思を尊重しながら慎重に伝えていく必要があります。

友人や恋人に成り代わる

相談者の悩みを受け止める心理カウンセラーが恋人や友人に成り代わることは、「多重関係」と呼ばれ、倫理違反とされています。
心理カウンセラーは、相談者の悩みに対し、心理学の知識と客観的視点をふまえて冷静に判断できる「専門知識を備えた第三者」としての立場を崩してはいけません。

まとめ

心理カウンセラーの果たす役割は、対象とする相談者の属性によって異なりますが、どのような悩みに対応する場合でも、心理学の基礎知識やカウンセリング技術に関する学びは欠かせません。
本記事でご紹介したおすすめの3資格は、「SARAスクールジャパン」プラチナコース、または「諒設計アーキテクトラーニング」W資格取得講座を受講することで、認定試験免除で資格取得を目指せます。
学校や一般企業で心理カウンセラーとして働きたい方や、カウンセラーとして幅広い分野で活動したいと考えている方は、ぜひご検討ください。

通信講座のSARAスクール編集部
心理カウンセラー資格やリンパケアセラピスト等の体系資格、食育資格などを扱うSARAスクール編集部が運営するコラムです。主に女性向けのキャリアアップやスキル習得を目的とした講座が多く、家事や育児と両立しながら学べる環境が整っています。資格取得を目的とした講座も充実しており、仕事や日常生活に活かすことが可能です。
通信講座のSARAスクール編集部

心理カウンセラー資格に関する記事一覧