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心理カウンセラーになるには文系・理系どちらを選ぶ?目的別の選択方法を解説

心理学は、物事の心理や本質を追求・研究する「哲学」から生まれた学問、つまり文系に属する学問です。

そのため、心理学の知識を生かして相談者の心の問題を解決に導く心理カウンセラーになるためには、大学や大学院において文系を選択すべきと考える方もいらっしゃるでしょう。

しかし、実際には必ずしも文系の学部を選ぶ必要はありません。

本記事では、その理由とともに、心理カウンセラーになるには文系・理系どちらを選べばよいかをケース別に解説します。

将来心理カウンセリングに携わる職に就きたい方や、大学や大学院で心理学を学びたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

心理カウンセラーになるには文系・理系のどちらがいいの?

心理カウンセラーになるためには、一般的に文系科目に分類される心理学の知識の習得が欠かせません。
ただし、心理学の勉強を主な目的として大学や大学院に進学する場合、必ずしも文系を選ぶ必要はありません。
ここでは、文系・理系どちらを選んでも心理カウンセラーを目指せる理由や、文系・理系の選択が心理カウンセラーの仕事に影響を与えるケースについて解説します。

文系・理系のどちらからでも心理カウンセラーを目指せる

心理カウンセラーは、文系・理系のどちらの学部を卒業していても目指せる仕事です。
勤務先や働き方によっては、採用条件に学歴自体が定められておらず、心理学の知識やカウンセリングスキルの有無、カウンセリング業務に携わった経験などが重視されるケースもあります。
また、心理カウンセラーの仕事に生かせる心理系資格の取得を検討している場合でも、受験資格が設けられていない民間資格であれば、特に進路で文系・理系の選択にこだわる必要はないでしょう。

学歴や資格取得の際に文系・理系が影響することがある

心理カウンセラーは、文系・理系どちらからでも目指せますが、心理学をメインに学べる大学に進学したい方や、心理系の国家資格や信頼性の高い民間資格の取得を目指している方は、文系・理系を意識して選択する必要があります。
一般的に、大学や大学院では、心理学部は文系に分類されています。
以下は、心理学が関連している学部・学科の一例です。

大学 学部・学科
青山学院大学 教育人間科学部心理学科(文系)
学習院大学 文学部心理学科(文系)
関東学院大学 人間共生学部コミュニケーション学科(文系)
慶應義塾大学 文学部人文社会学科(文系)
横浜国立大学 教育学部(文系)

ただし、近年AI(人工知能)や情報分析などの理系分野と心理学の関連性が注目され始め、文系と理系を融合した学部・学科を設置する大学も増えています。
そのため、心理学を学べる学部の選択肢は、文系・理系の垣根を越えて、今後ますます広がっていくことが予想されます。
心理系の国家資格や、信頼性の高い民間資格には、受験条件に心理系の指定大学・大学院の修了や、特定の科目履修(学部・学科不問)が含まれているものもあるため、取得を検討している方は文系・理系の選択とあわせて確認しておくとよいでしょう。

文系・理系の選択が影響する心理カウンセラー関連資格

病院やクリニック、保健所などの医療・保健分野の現場の心理カウンセラーには、心理系の国家資格や特定の民間資格の保有が求められる場合があります。
これらの資格には、受験資格に学歴や経歴を含む細かな条件が含まれているため、進路の選択が資格取得に影響する可能性があります。
ここでは、心理学の知識を備えた専門家としての信頼性向上につながる、国家資格・民間資格の受験条件を確認していきましょう。

公認心理師(国家資格)

「公認心理師」は、保健医療や福祉、教育の分野において、心理学の知識を用いて心の問題を抱える方に対して心理状態の分析やカウンセリングを行ったり、心の健康に関する知識の普及活動を行ったりする専門職です。
心理職唯一の国家資格であり、取得するためには以下の受験資格を満たしたうえで、認定試験に合格する必要があります。
【受験資格】
・四年制大学および大学院で、心理学そのほかの公認心理師となるために必要な科目を修了した者、またはそれに準ずる者
・四年制大学で心理学その他の公認心理師となるために必要な科目を修めて卒業した者、またはそれに準ずる者で、一定の施設において心理に関する支援の業務に従事した者
・上記2つに掲げる者と同等以上の知識・技能を有する者
「公認心理師となるために必要な科目」は、「心理学部」「文学部」「教育学部」などの文系学部で履修可能です。

精神保健福祉士(国家資格)

「精神保健福祉士」は、精神病院やそのほかの医療施設で精神障害の治療を受けている方や、治療を経て社会復帰を目指している方の相談援助を行う専門職の国家資格です。
資格を取得するためには、以下の受験資格を満たしたうえで、認定試験に合格する必要があります。
【受験資格】
・四年制の保健福祉系大学等で指定科目を修了した者
・保健福祉系短大等(3年・2年)で指定科目を修了し、一定の施設で相談援助の実務(1年・2年)に従事した者
・四年制の福祉系大学等で基礎科目を修了したのち、短期養成施設等(6月以上)を修了した者
・福祉系短大等(3年・2年)で基礎科目を修了し、一定の施設で相談援助の実務(1年・2年)に従事したのち、短期養成施設等(6月以上)を修了した者
・社会福祉士登録者で、短期養成施設等を修了した者 ※一部試験科目免除
・四年制の一般大学を卒業後、一般養成施設等(1年以上)を修了した者
・一般短大等(3年・2年)を卒業後、一定の施設で相談援助の実務(1年・2年)に従事したのち、一般養成施設等(1年以上)を修了した者
・一定の施設で相談援助の実務(4年)に従事したのち、一般養成施設等(1年以上)を修了した者
四年制の保健福祉系大学等(文系)での指定科目の修了が、受験までの最短ルートです。
「四年制の一般大学」「一般短大等」に文理の指定はありませんが、卒業後の実務経験と養成施設の修了が必須となっています。

社会福祉士(国家資格)

「社会福祉士」は、身体上もしくは精神上の障害や環境上の理由で日常生活を営むのに支障がある方に対して、福祉に関する相談に応じたり、福祉サポートを行ったりする専門職の国家資格です。
資格を取得するためには、以下の受験資格を満たしたうえで、認定試験に合格する必要があります。
【受験資格】
・四年制の福祉系大学等で指定科目を修了した者
・保健福祉系短大等(3年・2年)で指定科目を修了し、一定の施設で相談援助の実務(1年・2年)に従事した者
・四年制の福祉系大学等で基礎科目を修了したのち、短期養成施設等(6月以上)を修了した者
・福祉系短大等(3年・2年)で基礎科目を修了し、一定の施設で相談援助の実務(1年・2年)に従事したのち、短期養成施設等(6月以上)を修了した者
・社会福祉主事養成機関を修了したのち、短期養成施設等(6月以上)を修了した者
・児童福祉司・身体障害者福祉司・査察指導員・知的障害者福祉司・老人福祉指導主事のいずれかの実務経験(4年以上)を有し、短期養成施設等(6月以上)を修了した者
・四年制の一般大学を卒業後、一般養成施設等(1年以上)を修了した者
・一般短大等(3年・2年)を卒業後、一定の施設で相談援助の実務(1年・2年)に従事したのち、一般養成施設等(1年以上)を修了した者
・一定の施設で相談援助の実務(4年)に従事したのち、一般養成施設等(1年以上)を修了した者
四年制の福祉系大学等(文系)での指定科目の修了が、受験までの最短ルートです。
精神保健福祉士と同様に、「四年制の一般大学」「一般短大等」に文理の指定はありませんが、卒業後の実務経験と養成施設の修了が必須となっています。

臨床心理士(民間資格)

「臨床心理士」は、臨床心理学の知識を用いて心理審査やカウンセリングを行う専門家です。
教育現場で児童生徒や保護者、教職員らの心のサポートを行うスクールカウンセラーの資格要件にも含まれており、信頼性の高い心理系資格に位置づけられています。
臨床心理士の受験資格は、以下のとおりです。
【受験資格】
・指定大学院(1種・2種)を修了し、所定の条件を充足している者
・臨床心理士養成に関する専門職大学院を修了した者
・諸外国で指定大学院と同等以上の教育歴があり、修了後の日本国内における心理臨床経験2年以上を有する者
・医師免許取得者で、取得後、心理臨床経験2年以上を有する者 など
指定大学院・専門職大学院には、心理学に特化した文系の学部・学科が指定されています。

認定心理士(民間資格)

「認定心理士」は、心理学の専門家として仕事をするために必要な、最小限の標準的基礎学力と技能を有することの証明となる民間資格です。
認定心理士には試験が設けられておらず、以下の基準を満たしたうえで書類申請を行うことで、認定を受けられます。
【認定基準】
・四年制大学での指定の基礎科目・選択科目の履修と、卒業論文・研究の提出
大学の指定はないため、文系・理系にかかわらず、科目履修の条件を満たせれば申請可能です。
基礎科目には「心理学概論」や「心理学研究法」、選択科目には「教育心理学」や「臨床心理学」などが含まれています。

受験資格が設けられていない資格を取得するならこだわる必要なし

受験資格が設けられていない資格であれば、大学や大学院の選択で文系・理系にこだわる必要はありません。
民間資格の中には、通信講座の受講で心理学の知識を身につけながら取得を目指せるものもあります。
大学に通い直したり、資格取得に標準を合わせて大学を選択したりすることなく、心理カウンセリングに役立つ資格を取得したいとお考えの方は、まず気軽に受験できるものから挑戦してみてはいかがでしょうか。

心理学部で学べる主な心理学分野

心理学部で学べる心理学の分野は多岐にわたり、それぞれの学校や学部で注力している分野も異なります。
ここでは、大学や大学院で取り扱われることの多い7つの心理学分野について解説します。

臨床心理学

「臨床心理学」は、心の問題やそこから生じる精神障害や心身症を自力解決へと導くために役立つ、カウンセリングや心理療法の知識を身につけ、実践に向けた研究をする学問です。
心理にまつわるさまざまな分野の知識だけでなく、脳の働きなどの医学的な知識も学習内容に含まれています。

認知心理学

「認知心理学」とは、何かを理解・認識するはたらきである人間の認知機能に着目し、人が認知する仕組みや過程、その行動などを研究する学問です。
情報が脳で認知されてから処理されるまでのメカニズムに関する研究は、不安症などの治療にも役立てられています。

行動心理学

「行動心理学」は、人間の無意識の行動やしぐさのパターンから思考を分析する学問です。
目や手の動きから心理状態を読み取る行動心理学のテクニックは、心理カウンセリングだけでなく、マーケティングなどのビジネスにも活用されています。

教育心理学

「教育心理学」は、子どもや青少年の成長にともなう心と行動の変化や、子どもと保護者、子どもと教師の関係などについて研究し、教育を効果的に行う方法を探求する学問です。
子どもが対象となる学校教育の現場だけでなく、家庭教育、社会教育、生涯教育など、教えをともなうさまざまな場所で必要とされています。

社会心理学

「社会心理学」は、個人間や集団の中での心の動きや行動の特性について研究し、学校や家庭も含めた社会全体において個人が受ける影響を明らかにする学問です。
社会心理学には、心理カウンセリングを受ける相談者の心の問題と関連しているケースも多い「自己防衛」「偏見」「コミュニケーション」などの項目も含まれています。

犯罪心理学

「犯罪心理学」は、犯人の心理や動機、犯罪にかかわる事柄について、心理学的観点から研究する学問です。
犯罪心理学の研究は、事件の捜査や防犯、犯罪者の更生、被害者と加害者への支援などに役立てられています。

発達心理学

「発達心理学」は、胎児期から老年期までの人間の一生の中で起こる、心と体の成長と変化を研究する学問です。
感情や認知、対人関係、社会性などのさまざまな要素が含まれている発達心理学は、どのようなライフステージに立つ人にも役立てられるため、教育関連施設や子育て支援施設、介護老人福祉施設などさまざまな場所で生かされています。

心理学以外】心理カウンセラーになるなら必須!文系・理系の重要科目

心理カウンセラーとして必要な知識を身につけるためには、心理学のより深い理解につながる重要な科目もあわせて学んでおくとよいでしょう。
ここでは、大学で心理学を勉強する際や、心理カウンセラーとして働きながら最新知識を習得していく際に役立つ、文系・理系の代表的な科目をご紹介します。

文系重要科目【英語】

世界に向けて公表されている心理学関連の論文のほとんどは英文のため、英語力は最新の心理学の情報を得るために必須といえます。
特に、レポートや論文の作成が必要な場合は、英語の理解力が大きな手助けとなるでしょう。

理系重要科目【統計学】

「統計学」とは、データを解析し、予測や分析を行う学問です。
最新の研究データや統計、論文などにもとづいて人の心を分析していく心理学において、数字で表された解析結果を正しく読み解くための統計学の知識は必須といえます。

【通信講座で取得可】心理カウンセラーの仕事に役立つおすすめ資格3選

心理カウンセラーとして活動するうえで、資格は必須ではありませんが、心理学やストレス対処法などのメンタルにかかわる知識の習得は欠かせません。
ここでは、心理カウンセラーの仕事に役立つ民間資格の中でも、通信講座で取得可能なおすすめの3資格をご紹介します。

メンタル士心理カウンセラー資格

「メンタル士心理カウンセラー」は、心理学の基礎知識やストレスから起こる症状について十分に理解し、カウンセラーとして活動するレベルに至っているとされた者に与えられる資格です。

資格検定試験内容 ・心理的ストレスによる症状
・心理的ストレスの主な原因
・回復するための治療法 など
受験資格 特になし
受験料 1万円(税込)
受験申請 インターネットからの申し込み
受験方法 在宅受験・期日までに解答用紙を提出
合格基準 70%以上の評価
試験日程 2ヶ月に1回のペースで開催(年度により異なる)

行動心理カウンセラー資格

「行動心理カウンセラー」は、心理学部で学ぶ重要な学問の一つである「行動心理学」の基本的な知識を有することの証明となる資格です。

資格検定試験内容 ・アンダーマイニング効果
・ウィンザー効果
・ヴェブレン効果 など
受験資格 特になし
受験料 1万円(税込)
受験申請 インターネットからの申し込み
受験方法 在宅受験・期日までに解答用紙を提出
合格基準 70%以上の評価
試験日程 2ヶ月に1回のペースで開催(年度により異なる)

ストレスカウンセラー資格

「ストレスカウンセラー」は、アンガーマネジメントなどの心理トレーニングを用いたストレス対処法や、ストレスマネジメントなどの知識を十分に理解したことの証明となる資格です。

資格検定試験内容 ・主体性を発揮させ、自立させるトレーニング方法
・常に改善するために効果的な心理トレーニング方法
・能力を発揮するエンパワーメントを作り上げる方法 など
受験資格 特になし
受験料 1万円(税込)
受験申請 インターネットからの申し込み
受験方法 在宅受験・期日までに解答用紙を提出
合格基準 70%以上の評価
試験日程 2ヶ月に1回のペースで開催(年度により異なる)

まとめ

文系・理系いずれの大学・大学院を修了していても、心理カウンセラーとして活躍することは可能です。
ただし、学びたい内容や取得したい資格によっては、文系に分類される「心理学部」や、心理学をメインで学べる学部を選ぶことで、よりスムーズに知識を習得し、資格を取得できる場合もあります。
学歴などに関係なく、心理カウンセラーになるために基礎知識を習得するところから始めたいという方には、受験条件が設けられていない資格への挑戦もおすすめです。
本記事でご紹介した3資格は、「SARAスクールジャパン」プラチナコース、または「諒設計アーキテクトラーニング」W資格取得講座を受講することで、認定試験免除で取得を目指せます。
心理カウンセラーに関心のある方や、進学先を選ぶ前に一度心理学に触れてみたいとお考えの方は、ぜひご検討ください。

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