音楽療法のやり方は?対象者に合ったプログラム例とは?
記事更新日:2024年6月11日音楽療法を実施する場合、プログラムを組んで取り組みます。音楽療法のプログラムとは、どのようにして組み立てればいいのでしょうか。音楽療法のプログラムは、対象者に合わせることがとても重要です。対象者の年齢や状態によって、効果の出やすい音楽療法は異なることを押さえておく必要があります。
今回は音楽療法のやり方について説明します。プログラムの例を交えて説明するので、これから音楽療法を実施する場合はぜひ参考にしてプログラムを組んでみてください。
目次
音楽療法のやり方
音楽療法を実践する場合、どのようなやり方をとればいいのでしょうか。音楽療法にはさまざまな手法があり、対象者に合わせた内容をおこなうことが求められます。対象者の状態に合わない内容をおこなっても、音楽療法の効果は得にくいので注意が必要です。具体的には、対象者の健康状態や課題などを確認し、目標やプログラムを作成します。本人だけでなく、家族や主治医からもヒアリングをおこなうことが多いです。子どもであれば、学校の先生から状況を聞く必要もあるでしょう。音楽療法を実践する際には価表を作成し、実施記録や実施してどうだったかの評価について入力をおこないます。改善点を確認し、次の音楽療法に活かすという流れが必要です。
音楽療法のプログラム例と選曲方法
音楽療法をおこなうときは、どのようにプログラムを組み立てればいいのでしょうか。ここでは、具体的に音楽療法のプログラムを作るとよいのかについて説明します。
プログラムの基本
音楽療法のプログラムを作るときは、起承転結を意識するようにしましょう。起承転結を意識することにより、メリハリのあるプログラムにすることができます。音楽療法は、対象者が集中して楽しみながらおこなえるようにすることが大切です。もちろん、対象者の個別的な状況によっては、特別な組み立て方をしたほうが効果的な場合もあります。実際には対象者の状況に合わせたプログラムを組むことを優先したほうがいいです。そのほうが対象者にとても無理なく、スムーズな取り組みになるはずです。対象者の個別の状況に合わせた音楽療法をおこなえるようにプログラムを作りましょう。
子どものプログラム例
子どもに対して音楽療法をおこなうときは、子どもの障害の有無や体力を考慮する必要があります。子どもによって集中力も大きく異なる場合があるので、まずはその子の様子をきちんと把握することから始める必要があるでしょう。子どもによっても抱えている状況は異なるため、きちんとひとりひとりに向き合うことが求められます。子どもの周囲の人の意見も参考にしながら、ベストなプログラムを探っていくとよいです。具体的なプログラムとしては、最初にウォーミングアップをおこなったうえで、楽器や即興曲で自分を表現する工程をおこない、最後にクールダウンを入れるようにするとよいでしょう。このようにすることで、子どもはスムーズに音楽療法のプログラムに取り組むことができます。
大人のプログラム例
大人に対して音楽療法をおこなう場合、目的は社会性の向上やコミュニケーションの促進を目指しているケースが多いです。大人でも、状況によっては人とのかかわりについて問題を抱えているケースもあり、そのような場合に音楽療法は大きな効果をもたらします。そのような目的を達成するためのプログラムを意識しておこないましょう。たとえば、音楽を利用した発声や歌唱をおこなうのもよいです。また、楽器を演奏したり、体操をおこなったりする方法もあります。大人に対して音楽療法をおこなう際は、さまざまなパターンを取り入れることができるため、対象者の状況に合わせながらいろいろな方法を取り入れてみましょう。
高齢者のプログラム例
高齢者に対して音楽療法をおこなう際は、それぞれの個別の事情をよく考慮することが大切です。高齢者のなかには認知症の方もいるため、状況に合わせたプログラムを組むことが求められます。高齢者に対して音楽療法を実施するときには、ユーモアを交えながらリラックスした明るい雰囲気を作ることが重要なポイントとなります。会話や体操を交えたり、可能であれば楽器の演奏や歌唱をおこなったりしてもよいでしょう。音楽鑑賞を取り入れることも可能です。特に集団で音楽療法に取り組む場合は、誰でも気軽かつ簡単に取り組める内容を意識する必要があります。
さまざまな人が参加する場合は?
音楽療法を実施する場面としては、さまざまな年齢や健康状態の人が参加するケースも考えられるでしょう。その場合、どのようなことを意識してプログラムを組めばいいのでしょうか。基本的には、すべての人が無理なく取り組めるような内容にすることが求められます。ただし、参加者によってはそれが難しい場合もないとはいえません。そういったときは、それぞれの対象者に合った曲を交互に使用すると、すべての人に公平な音楽療法を実施することができます。それぞれの対象者の様子を考慮して、なるべく全ての人が楽しめる内容を作るようにしましょう。
その他のプログラム例
音楽療法のプログラムとしては、ほかにもさまざまな手法を取り入れることが可能です。たとえば、音楽療法で使用する楽器を手作りするというのもよいでしょう。手作り楽器を使えば、音楽療法に対する参加意欲を高めることができます。楽器と言っても、簡単に作ることができるものも意外と多くあります。簡単な楽器であれば誰でも実際に使用することができるので、音楽療法にはぴったりだといえます。また、認知症の方を対象とする場合は、回想法を取り入れて選曲するというのもひとつの方法です。それぞれの対象者に合わせて工夫したプログラムをおこないましょう。
音楽療法のやり方を押さえて効果的なプログラムを組もう
療法を実践する場合、最も考慮すべきなのは対象者の状況です。対象者の状況によって、必要なプログラムの構成や内容は大きく異なります。対象者の年齢によっても、求められる効果は異なるでしょう。音楽療法のプログラムの効果を最大限に発揮するためには、対象者についてよく理解することから始める必要があります。対象者のことを理解しないままでは、どんなにさまざまなことを思い巡らすとしても、本当に必要なプログラムを用意することはできません。誰かにとっては効果があるといえる内容であっても、他の人には効果があまりない場合もあります。
音楽療法のプログラムを組むためには、当然ですが音楽療法に関する深い知識を身につけている必要があります。音楽療法について理解するためには、音楽のさまざまな特徴とともに心理学的な知識ももたなければなりません。そのため、音楽療法についてきちんと理解するためには、ある程度しっかりと勉強する必要があります。音楽療法に関する資格もあるため、そういった資格の取得を目指して勉強するとよいでしょう。音楽療法の資格をもつ人は、病院や介護施設などさまざまな場所で活躍しています。音楽療法は楽しみながらケアができる方法であるため、対象者にも受け入れられやすいという特徴があります。そのため、対象者にとって重要なケアとなる可能性も高いです。対象者のために音楽療法のプログラムを組み、問題解決を目指しましょう。
- 通信講座のSARAスクール編集部
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