高齢者に対する音楽療法とは?効果やプログラムの考え方について解説!
記事更新日:2024年6月11日高齢者に対するケアの一環として、音楽療法がおこなわれることがあります。音楽療法は、どのようなものなのでしょうか。また、高齢者に対しておこなうことで、どういった効果が得られるのでしょうか。高齢者に対して音楽療法を取り入れるなら、そういった点についてもしっかり理解しておきたいところです。
今回は、高齢者に対する音楽療法について効果やプログラムの考え方を解説します。これから高齢者に対して音楽療法を取り入れたいと考えているなら、ぜひ参考にしてみてください。
目次
高齢者への音楽療法とは
音楽療法は、高齢者に対してもよくおこなわれています。たとえば、老人ホームやデイサービスといった高齢者向けの施設において音楽療法が取り入れられています。高齢者へ音楽療法をおこなうとどのような効果が期待できるのでしょうか。ここでは、高齢者に対する音楽療法についてみてみましょう。
そもそも音楽療法とは
そもそも音楽療法とはどのようなものなのでしょうか。音楽療法は、音楽を通してQOL(生活の質)を向上させるためのものです。音楽療法はさまざまなところで取り入れられており、病院などでも積極的におこなわれています。音楽療法の歴史はそれほど長くはないですが、一定の効果が認められていることから広く認知されるようになっています。音楽を聴くと元気になったりワクワクしたりした経験をしたことがある人も多いでしょう。そういった感覚があるからこそ、音楽療法は人に対して意味をもたらします。
高齢者への音楽療法の効果
音楽療法を高齢者に対しておこなった場合も、さまざまな効果が得られます。まず、音楽療法を取り入れることにより、精神の安定をはかることが可能です。高齢者は心身の加齢により、さまざまな問題を抱えていることも多いです。その場合、本人も気が付かないうちにストレスを感じているケースがあります。音楽療法を取り入れることで精神を安定させ、リラックスした状態を作り出しやすくなります。さらに、音楽療法には脳を活性化させる効果もあります。高齢者に多い認知症に対しても、音楽療法は一定の効果をもたらします。さらに、音楽療法を通して身体機能の維持や改善も目指すことが可能です。音楽があることで体を自然に動かしやすくなります。加えて、音楽療法にはコミュニケーションを支援する力もあります。音楽によって気持ちが高揚することにより、周囲の人と気軽にやり取りしやすい状況を作ることができるからです。このように音楽療法は、高齢者に対してさまざまな効果をもたらします。
高齢者への音楽療法プログラムとは
高齢者に対して音楽療法をおこなう場合、プログラムを通してそれを実践していきます。高齢者に対する音楽療法プログラムとは、具体的にどのようなものなのでしょうか。高齢者に対して音楽療法をおこなうのであれば、プログラムについてしっかり理解しておくことが大切です。ここでは、高齢者に対する音楽療法プログラムについて説明するので、詳しく確認しておきましょう、
プログラムの考え方
高齢者に対して音楽療法プログラムを実践する場合、まずはプログラムの目標を設定する必要があります。どのような状態を目指してプログラムを実践するのかということは、プログラムに取り組むうえでとても重要なことです。明確な目標が定まっていないと、プログラムそのものを上手く進めていくことができません。また、プログラムの内容は、起承転結を意識した構成にするというのも重要なポイントとなります。起承転結を意識することにより、メリハリのある内容にすることができます。高齢者の興味を引き、できるだけプログラムに集中できるようにしましょう。さらに、高齢者に対する音楽療法のプログラムにおいては、楽器演奏と歌唱を織り交ぜるというのが効果的です。楽器演奏と歌唱をバランスよく取り入れることにより、誰でも楽しみながら参加できるようになります。
プログラムで使う曲の選び方
プログラムで使う曲については、どのような選び方をすればいいのでしょうか。ポイントは、高齢者にとって馴染みのある曲を選ぶことです。懐かしいメロディを聴くだけでも、高齢者にとっては大きな刺激となります。懐かしさが嬉しさに変化することも多いでしょう。音楽療法においては、そういった感覚が重要です。加えて、音楽療法に使用する曲は、季節を感じられるようなものを選ぶことも大切です。季節に合った曲を選ぶことで、高齢者も飽きずに楽しむことができるでしょう。さらに、ずっと同じ調子の曲を選ぶのではなく、メリハリのある曲を選ぶというのも効果的です。あえて変化をつけることにより、よりよい刺激を与えることが可能になります。プログラムで使う曲を選ぶときは、高齢者に対してどのような効果を期待できるか考えることが重要だと言えるでしょう。
プログラムの進め方
高齢者に対して音楽療法をおこなう場合、プログラムはどのようにして進めたらいいのでしょうか。音楽療法の進め方としては、能動的音楽療法と受動的音楽療法があります。また、集団音楽療法と個人音楽療法という種類分けもあります。高齢者向けの施設では、利用者どうしで集まって一緒に歌を歌ったりダンスをしたりする取り組みがよくおこなわれています。そのような取り組みをおこなうことにより、利用者みんなで音楽療法に取り組むことが可能になります。音楽療法は工夫次第でさまざまな取り入れ方ができるので、利用者の状態に合わせて変化をつけてみてもよいでしょう。もちろん、効果的なプログラムを組むためには、音楽療法に関する深い知識も必要になります。
高齢者に対して音楽療法プログラムを取り入れよう
高齢者に対して音楽療法プログラムを取り入れれば、さまざまな効果を得ることが可能です。高齢者の中には、加齢によりさまざまな問題を抱えている人もいます。認知症などの症状がある人も少なくはありません。そのようななかでも、音楽療法プログラムを取り入れれば、高齢者に対してさまざまな刺激を与えることが可能になります。音楽療法には高い効果が認められており、病院などでも取り入れられています。そのため、高齢者に対して音楽療法プログラムを実践すれば、より効果的なケアを実践することができるようになります。音楽のリズムやメロディが楽しい雰囲気を演出し、自然と高齢者の心の中に働きかけをおこないます。
高齢者向けの施設のなかには、音楽療法によるプログラムをレクリエーションの一環として実践しているところも多いです。レクリエーションとして大人数で音楽療法をおこなえば、コミュニケーションもとりやすくなるでしょう。人と人とのかかわりのなかで楽しく過ごすというのは、高齢者にとっても重要なことです。心身にとってよい刺激になり、それが心身の健康にも直結します。音楽の種類を変えたり、歌やダンスなど複数の方法を取り入れたりすることで、いろいろなアレンジも可能です。高齢者に対して音楽療法プログラムを取り入れ、心身の健康をサポートする方法として実践していってはいかがでしょうか。そのためには音楽療法について専門的な知識を学ぶことも大切です。適切な方法をとることで、より高い効果を得ることができるようになります。
- 通信講座のSARAスクール編集部
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