カカオとココアやチョコレートの違いは?作り方などを詳しく解説
記事更新日:2024年10月8日カカオは古くから「神の食べ物」として崇められ、その豆から作られるチョコレートやココアは世界中で愛されています。
しかし、カカオとチョコレートの違いについては、意外と知られていない部分が多いです。
カカオ豆はどのようにしてチョコレートやココアに変わるのか、その過程にはどんな違いがあるのかを知ることは、これらの食品をより楽しむための鍵となります。
カカオとココアやチョコレートは、具体的に何が違うのかよく分からないという人も多いのではないでしょうか。何となく違うというイメージがあっても、具体的に違いを説明するのはなかなか難しいですよね。しかし、カカオとココアやチョコレートにはそれぞれ大きな違いがあります。せっかくカカオを摂取するなら、それぞれの違いについてもしっかり理解しておきましょう。
今回は、スーパーフードとしても注目されているカカオについて、ココアとチョコレートの違いについて解説します。違いを押さえて、カカオの魅力の理解を深めましょう。
目次
カカオの基本情報
カカオは、チョコレートやココアの原料となる植物で、その豆から多くの美味しい製品が作られます。 カカオは熱帯地域で栽培され、特に中南米やアフリカが主要な生産地です。 カカオ豆は収穫され、発酵、乾燥、焙煎などの過程を経て、さまざまな形態に加工されます。 ここでは、カカオに関する基本情報について詳しく解説していきます。
カカオ製品の基礎知識
カカオ製品は、カカオ豆から得られるさまざまな製品のことです。 主な製品にはカカオマス、カカオバター、ココアパウダー、そしてチョコレートがあります。 これらの製品はそれぞれ異なる加工方法と用途を持ち、多くの食品や飲料に使用されます。ここでは、これらのカカオ製品について詳しく解説します。
カカオマスとは何か
カカオマスは、カカオ豆を発酵、乾燥、焙煎した後に粉砕して得られるペースト状の物質です。 カカオマスにはカカオ固形分とカカオバターが含まれており、チョコレートの基礎となる重要な材料です。 カカオマスはそのままでも使用されますが、通常はさらに加工されてチョコレートやココアなどの製品に利用されます。
カカオマスの用途と特性
カカオマスはその豊かな風味と滑らかな食感から、チョコレート製品の基礎材料として広く使用されます。 また、カカオマスはココアパウダーの原料ともなります。 カカオマスは高いカカオ含有量を持つため、ビターチョコレートやダークチョコレートの製造にも欠かせません。
ココアの製造過程と用途
ココアはカカオマスからカカオバターを抽出し、残ったカカオ固形分を粉末にしたものです。 ココアの製造過程は複雑で、品質の高いココアを作るには、カカオ豆の選別から焙煎、粉砕までの各ステップが重要です。 ココアの製造過程とその用途について詳しく解説していきます。
ココアの製造過程
カカオ豆の発酵と乾燥 カカオ豆は収穫後、数日間発酵させて風味を引き出します。 その後、天日干しまたは機械乾燥によって水分を取り除きます。 焙煎 乾燥したカカオ豆を焙煎することで、香りと風味が引き立ちます。 焙煎の温度や時間は、最終製品の品質に大きく影響します。 粉砕 焙煎したカカオ豆を粉砕し、カカオマスを作ります。 カカオバターの抽出 カカオマスからカカオバターを圧搾して抽出し、残ったカカオ固形分を乾燥させて粉末にします。
ココアの用途
ココアは飲料としてだけでなく、製菓材料としても広く使用されます。 ココアパウダーはケーキやクッキー、アイスクリームの風味付けに利用され、また、ホットチョコレートやココアドリンクとしても親しまれています。 ココアの豊かな風味と香りは、多くのレシピで欠かせない要素です。
チョコレートの作り方と種類
チョコレートはカカオマス、カカオバター、砂糖、乳製品などを組み合わせて作られるスイーツです。 その種類は多岐にわたり、ミルクチョコレート、ダークチョコレート、ホワイトチョコレートなどが代表的です。 ここでは、チョコレートの基本的な作り方と種類について詳しく解説していきます。
チョコレートの基本的な作り方
材料の混合 カカオマスとカカオバターを溶かし、砂糖や乳製品を加えて混ぜ合わせます。 混合比率によって、チョコレートの種類や風味が決まります。 コンチング 混合した材料を攪拌して滑らかにする工程で、数時間から数日かけて行われます。 これにより、チョコレートのテクスチャーが滑らかになり、風味が豊かになります。 テンパリング チョコレートを適切な温度で冷却し、結晶構造を整えることで、光沢と口溶けの良さを実現します。 この工程は職人の技術が問われる重要なステップです。 成形と冷却 テンパリングしたチョコレートを型に流し込み、冷却して固めます。 これにより、最終製品の形が決まります。
チョコレートの種類
ミルクチョコレート カカオマス、カカオバターに加え、乳製品と砂糖が多く含まれた甘いチョコレートです。 子供から大人まで幅広く人気があります。 ダークチョコレート カカオ含有量が高く、ビターな風味が特徴です。 砂糖の量が少なく、カカオの風味をしっかり楽しめます。 ホワイトチョコレート カカオマスを含まず、カカオバター、砂糖、乳製品で作られるチョコレートです。 独特の甘さと滑らかさが特徴です。 チョコレートの世界は非常に多様で、それぞれの種類が異なる風味と用途を持っています。 日常のおやつから特別なギフトまで、チョコレートはさまざまなシーンで楽しめます。
カカオの歴史と産地
カカオは古代から重要な役割を果たしてきた作物で、その歴史と産地に関する知識はカカオ製品の理解を深める上で欠かせません。 カカオは長い歴史を持ち、現在でも世界中で広く栽培されています。 ここでは、カカオの起源と歴史、学名の意味、原産地の中南米の歴史、現在の主要産地について詳しく解説していきます。
カカオの起源と歴史
カカオの起源は古代中南米に遡ります。 紀元前2000年頃からオルメカ文明がカカオを栽培し、飲料として利用していたとされています。 その後、マヤ文明やアステカ文明でもカカオは重要な位置を占めており、宗教儀式や通貨としても使用されました。 スペイン人が新大陸を征服した際にカカオがヨーロッパに伝わり、次第に世界中に広がっていきました。
カカオの学名「テオブロマ カカオ」の意味
カカオの学名である「テオブロマ カカオ」は、18世紀にスウェーデンの植物学者カール・リンネによって命名されました。 「テオブロマ」はギリシャ語で「神の食べ物」という意味を持ち、カカオの価値を象徴しています。 「カカオ」はナワトル語で「カカワトル」に由来し、カカオの木やその豆を指します。 この学名は、カカオが古代から神聖視されてきたことを物語っています。
カカオの原産地:中南米の歴史
カカオの原産地は中南米で、特に現在のメキシコ、グアテマラ、ホンジュラスなどが知られています。 ここでは、豊かな熱帯気候と土壌がカカオの栽培に適しており、古代文明がカカオを利用してきた歴史があります。 カカオは宗教的な儀式や祝祭で重要な役割を果たし、その後、貴族や戦士の飲み物として広く普及しました。
現在のカカオの主要産地
現代において、カカオの栽培は中南米だけでなく、アフリカやアジアなど世界中に広がっています。 各地の気候と土壌がカカオの品質に影響を与え、それぞれ異なる風味を持つカカオが生産されています。 ここでは、主要なカカオ産地について詳しく解説していきます。
アフリカが中心となるカカオの栽培地
アフリカは現在、世界最大のカカオ生産地となっています。 特にコートジボワール、ガーナ、ナイジェリアなどの西アフリカ諸国が主要な生産国です。 これらの国々では、カカオが経済の重要な柱となっており、多くの小規模農家がカカオの栽培に従事しています。 アフリカ産のカカオは、力強い風味と豊かなアロマが特徴です。
世界各地のカカオ生産量と市場動向
カカオの生産量と市場動向は、世界の経済や消費者の嗜好に大きく影響されます。 近年では、カカオの需要が増加しており、特に高品質なチョコレートの需要が増加傾向です。 これに伴い、持続可能な栽培方法やフェアトレードの重要性が強調されるようになっています。 主要な生産国の生産量や市場の動向について、具体的なデータと共に解説していきます。
コートジボワールのカカオ生産量
コートジボワールは、世界最大のカカオ生産国であり、年間約200万トンのカカオを生産しています。 この国のカカオ産業は経済において極めて重要であり、多くの農家が生活をカカオに依存しています。
ガーナのカカオ市場
ガーナはコートジボワールに次ぐ世界第2位のカカオ生産国です。 ガーナ産のカカオは高品質で知られ、特にヨーロッパ市場で高い評価を受けています。 フェアトレードや有機栽培の取り組みも盛んで、持続可能なカカオ生産が推進されています。
その他の生産国の動向
ナイジェリアやカメルーン、エクアドル、ペルーなども重要なカカオ生産国として知られています。 これらの国々では、地元の気候と風土に適したカカオ品種が栽培され、それぞれ独特の風味を持つカカオが生産されています。 また、アジアのインドネシアやフィリピンもカカオ生産が盛んで、地域特有のカカオ製品が作られています。
カカオ豆の種類と特徴
カカオ豆は、チョコレートやココアの原料として広く知られていますが、その種類によって風味や特性が大きく異なります。 主に、クリオロ種、フォラステロ種、トリニタリオ種の3種類に分類され、それぞれが独自の特徴を持っています。 ここでは、これらのカカオ豆の種類とその特徴について詳しく解説します。
カカオ豆の主要な3種類
カカオ豆は大きく分けてクリオロ種、フォラステロ種、トリニタリオ種の3つに分類されます。 これらの種は、栽培地域や風味、耐病性などが異なり、各種のカカオ製品において異なる役割を果たしています。 それぞれのカカオ豆の特徴を理解することで、より豊かなカカオの世界を楽しめます。
クリオロ種の特徴と栽培地域
クリオロ種は、最も古くから栽培されているカカオ豆の一種で、高品質なチョコレートに使用されることが多いです。 この種は繊細な風味を持ち、フルーティーでフローラルな香りが特徴です。 しかし、病害虫に弱く、生産量が少ないため、非常に高価となっています。 クリオロ種の主な栽培地域は、中南米のベネズエラやメキシコ、コロンビアなどです。 これらの地域では、適切な気候と土壌条件がクリオロ種の栽培に適しており、高品質なカカオが生産されています。
フォラステロ種の特性と生産地
フォラステロ種は、世界のカカオ生産の大部分を占める品種で、非常に耐病性が高く、収量も多いのが特徴です。 この種は、力強い風味と豊かなカカオ感が特徴で、ミルクチョコレートやダークチョコレートの製造に広く使用されています。 主な生産地は、西アフリカのコートジボワールやガーナ、ナイジェリアなどです。 これらの国々では、フォラステロ種のカカオが経済の重要な柱となっており、大規模なプランテーションで栽培されています。
トリニタリオ種の概要と栽培条件
トリニタリオ種は、クリオロ種とフォラステロ種の交配によって生まれたハイブリッド品種です。 この種は、クリオロ種の繊細な風味とフォラステロ種の耐病性を兼ね備えており、バランスの取れた特性を持っています。 トリニタリオ種の主な栽培地域は、カリブ海諸国や南米の一部です。 特にトリニダード・トバゴがその名の由来となっており、ここで多くのトリニタリオ種のカカオが生産されています。 栽培条件としては、適度な湿度と温暖な気候が求められます。 トリニタリオ種は、風味のバリエーションが豊富で、ダークチョコレートや高級チョコレートの製造に適しています。 これらの特性により、トリニタリオ種のカカオは多くのチョコレート愛好家から人気が高いです。 カカオ豆の種類とその特徴を理解することで、チョコレート選びがより楽しくなり、風味や品質に対する理解が深まります。 クリオロ種の希少な風味、フォラステロ種の力強いカカオ感、トリニタリオ種のバランスの取れた特性、それぞれが異なる魅力を持っていることを知ることで、カカオの世界が一層広がります。
カカオの健康効果と栄養成分
カカオは、古代から「神の食べ物」として称えられ、その豊富な栄養成分と健康効果が注目されています。 現代においても、カカオはスーパーフードとして認識され、多くの健康効果が研究されています。 カカオに含まれる健康成分や栄養価、具体的な健康効果について詳しく解説します。
カカオに含まれる健康成分
カカオには、さまざまな健康成分が含まれており、その中には特に注目されるものがいくつかあります。 これらの成分は、体に良い影響を与えるだけでなく、心の健康にも寄与します。 ここでは、カカオに含まれる主な健康成分について詳しく解説していきます。
テオブロミンの効果と効能
テオブロミンは、カカオに含まれるアルカロイドの一種で、カフェインと類似した化学構造を持っています。 しかし、カフェインとは異なり、テオブロミンはより穏やかな刺激作用を持ち、リラックス効果があります。 また、テオブロミンは血管を拡張させ、血流を改善するのに効果的です。 これにより、高血圧の予防や改善に寄与することが期待されています。
フェニルエチルアミンの役割と影響
フェニルエチルアミン(PEA)は、カカオに含まれる化合物で、「恋愛ホルモン」とも呼ばれることがあります。 これは、脳内で幸福感や快感をもたらす神経伝達物質の一種です。 PEAは、ストレスの軽減や気分の改善に役立つとされています。 特に、チョコレートを食べることで気分が高揚する現象は、この成分によるものと考えられています。
スーパーフードとしてのカカオ
カカオは、栄養価が非常に高く、多くの健康効果があることから、スーパーフードとされています。 カカオには、抗酸化物質やビタミン、ミネラルが豊富に含まれており、これらが健康維持や病気予防に寄与します。 カカオがスーパーフードとされる理由について詳しく解説していきます。
カカオの栄養価と健康効果
カカオには、フラボノイドと呼ばれる強力な抗酸化物質が含まれており、これが細胞の老化を防ぎ、心臓病やがんのリスクを低減する効果があります。 また、カカオには鉄分やマグネシウム、亜鉛などの重要なミネラルが含まれており、これらが体の機能を正常に保つのに効果的です。 さらに、カカオには食物繊維も豊富に含まれており、消化を助け、腸内環境を整える効果があります。これにより、便秘の予防や改善に寄与します。 また、カカオに含まれる健康成分は、血糖値の管理にも役立つことが研究で示されています。
ダークチョコレートの健康メリット
カカオの健康効果を最大限に享受するためには、ダークチョコレートを選ぶことが推奨されます。 ダークチョコレートは、ミルクチョコレートやホワイトチョコレートに比べてカカオの含有量が高く、その分、健康成分が豊富に含まれています。 ダークチョコレートの摂取は、心臓病のリスクを低減し、血圧を下げる効果があることが研究で示されています。 また、ダークチョコレートは、脳の機能を向上させるのにも効果的です。 これにより、認知機能の改善やストレスの軽減が期待されます。 さらに、ダークチョコレートには、肌の健康を保つ効果もあります。 抗酸化物質が肌の老化を防ぎ、紫外線から肌を保護する役割を果たします。 これにより、美肌効果も期待されているのです。 カカオの健康効果と栄養成分について理解することで、より健康的な生活を送るためのヒントを得られます。 カカオを適切に摂取することで、心身の健康を維持し、豊かな生活を送れるでしょう。
ココアの摂取に関する注意点
ココアは、豊かな風味と健康効果を持つ飲み物として広く愛されています。 しかし、ココアの摂取にあたっては、いくつかの注意点があります。 適切な種類を選び、高品質な製品を見極めることで、ココアのメリットを最大限に受けられます。 ココアの種類と選び方について見ていきましょう。
ココアの種類と選び方
ココアにはいくつかの種類があり、それぞれに特徴と選び方があります。 自分の好みや健康状態に応じて、適切なココアを選ぶことが重要です。 以下では、ココアの主な種類とその選び方について詳しく解説していきます。
2種類のココアとその違い
ココアは大きく分けて、ナチュラルココアとダッチプロセスココアの2種類に分類されます。 これらのココアは製造方法や風味、健康効果が異なります。 ナチュラルココア ナチュラルココアは、カカオ豆を焙煎し、圧搾して脂肪分を取り除いた後に粉末にしたものです。 このタイプのココアは、酸味があり、カカオ本来の風味を楽しめます。 また、ナチュラルココアにはフラボノイドなどの抗酸化物質が豊富に含まれており、健康効果が高いとされています。 ダッチプロセスココア ダッチプロセスココアは、ナチュラルココアにアルカリ処理を施して酸味を抑え、色を濃くしたものです。 この処理により、風味がまろやかになり、チョコレート風味が強くなります。 ダッチプロセスココアは、ベーキングなどに使用されることが多く、その滑らかな風味が特徴です。 ただし、アルカリ処理により一部の抗酸化物質が失われるため、ナチュラルココアに比べて健康効果はやや劣るとされています。
高品質なココアの選び方と注意点
高品質なココアを選ぶためには、いくつかのポイントに注意する必要があります。 ここでは、ココア選びの際の重要な注意点について詳しく解説します。
原材料の確認
高品質なココアを選ぶ際には、まず原材料を確認することが重要です。 原材料欄には、カカオ豆のみが記載されているものを選びましょう。 添加物や砂糖が含まれていない純粋なココアが最も健康的です。 また、オーガニック認証を受けた製品を選ぶことで、農薬や化学肥料の影響を避けられます。
フラボノイドの含有量
ココアの健康効果を最大限に享受するためには、フラボノイドの含有量にも注意が必要です。 フラボノイドは、抗酸化作用があり、心血管系の健康をサポートする成分です。 製品によっては、フラボノイドの含有量が記載されている場合がありますので、これを参考に選びましょう。 ナチュラルココアは一般的にフラボノイド含有量が高いため、健康効果を重視する場合に適しています。
製造プロセスの透明性
高品質なココアを選ぶためには、製造プロセスの透明性も重要です。 信頼できるメーカーは、カカオの栽培から製品化までのプロセスを公開していることが多いです。 フェアトレード認証や持続可能な栽培方法を採用している製品を選ぶことで、環境や社会への配慮も行えます。
カカオ含有量
ココア製品を選ぶ際には、カカオの含有量にも注目しましょう。 カカオ含有量が高いほど、ココアの風味が豊かで、健康成分も多く含まれています。 一般的には、70%以上のカカオ含有量が推奨されますが、風味のバランスを考慮しながら選ぶことも大切です。
「カカオ」はココアやチョコレートの原材料
カカオは、ココアやチョコレートの原料として知られています。ただし、当然ですがカカオはそのままココアやチョコレートに変化しているわけではありません。カカオの実の中にあるカカオ豆から、ココアやチョコレートが作られています。具体的にはどのような加工方法により、ココアやチョコレートが作られているのでしょうか。ここでは、カカオの加工について詳しく説明します。
カカオマス
ココアやチョコレートの原材料名をチェックすると、「カカオマス」という表記があります。カカオマスとは、カカオ豆を発酵、乾燥、加熱、粉砕して作られるものです。カカオマスはココアやチョコレートを作るために必要不可欠なものだといえます。
ココア
ココアは、カカオマスから作られます。カカオマスから脂肪分であるカカオバターを取り除くと、ココアができます。
チョコレート
チョコレートもココアと同じくカカオマスから作られます。チョコレートの場合はカカオマスにさらにカカオバターを追加して作ります。
カカオの歴史
カカオは古い時代から、人々に愛されてきました。そのカカオの歴史は、具体的にはどのようになっているのでしょうか。ここでは、カカオの歴史について全体像をしっかり把握しておきましょう。
カカオの学名は「テオブロマ カカオ」
カカオの学名は「テオブロマ カカオ」です。「テオブロマ カカオ」は「神様の食べ物」という意味がこめられています。もともとはカカオの果肉が食べられていましたが、次第に豆の部分を焼くとよい香りがするということが知られるようになりました。これが、カカオ豆がよく食べられるようになった始まりです。
中南米が原産
古い時代、カカオの原産地は中南米が中心でした。ただし、カカオは栽培が難しいため、とても貴重な食べ物として扱われてきました。食べられるのは王様や貴族など一部の限られた人のみで、時には貨幣として使用されることもあったようです。16世紀ごろになるとカカオはヨーロッパに広まり、中南米以外でも栽培がおこなわれるようになりました。
現在の産地はアフリカが中心
カカオは年間の平均気温が27度以上の高温多湿の環境でなければ、栽培することができません。また、土地も水はけがよいことが条件となります。そのため、カカオを栽培できる場所はとても限られています。そのため、現在カカオが多く栽培されているのは、アフリカが中心となっています。
カカオ豆は3種類
ひと口にカカオ豆といっても、実は3つの種類があることをご存知でしょうか。その3種類というのは、クリオロ種、フォラステロ種、トリニタリオ種の3つです。ここでは、カカオ豆の3種類について詳しく確認しておきましょう。
クリオロ種
クリオロ種は、カカオ豆の中でも最も高級な品種です。カカオの原種であり、有史以前から存在するとても古いカカオ豆の種類です。虫ついたり病気になったりしやすいため、栽培がとても難しいといわれています。そのため、カカオの全体の生産量からすると1%にも満たないようです。苦味が少ないのが特徴的で、チョコレートの香りづけをおこなうためのフレーバービーンズとしても利用されています。
フォラステロ種
フォラステロ種は、最も生産量の多いカカオ豆です。具体的にいうと、フォラステロ種の生産量はカカオ豆全体の90%以上にあたります。成長が早くて病気にも強いため、栽培しやすいのが大きな特徴です。西アフリカだけでなく、東南アジアでも栽培されています。フォラステロ種の豆は扁平になっており、色は紫色をしています。
トリニタリオ種
トリニタリオ種は、クリオロ種とフォラステロ種を交配してつくった品種です。18世紀初頭に南米のトリニダード島でカカオが絶滅してしまったことにより、新たに交配してつくられたのがトリニタリオ種です。トリニタリオ種はさらに細かい品種に分かれており、さまざまな香りを楽しめるのが魅力的です。そのため、フレーバービーンズとしてもさまざまなところで親しまれています。
スーパーフードとして注目されるカカオ
おいしいココアやチョコレートとして人気のカカオは、スーパーフードとしての一面ももっています。カカオはどのような成分が含まれているのでしょうか。ここでは、カカオの成分についてみてみましょう。
テオブロミン
カカオには、テオブロミンとよばれる栄養素が豊富です。テオブロミンという名前は、カカオの学名から名付けられました。テオブロミンはカカオの代表的な成分であり、血流を促したり集中力や思考力を高めたりする働きが期待できます。自律神経のバランスを整えるのにも役立つため、心身のリラックスも促します。
フェニルエチルアミン
フェニルエチルアミンという栄養素もカカオには多く含まれています。テオブロミンは人に高揚感をもたらし、幸せな気分にする効果をもっているといわれています。
ココアを飲むときの注意点
ココアを飲めば簡単にカカオの成分を取り入れることができます。ただし、ココアを飲むときは注意したいこともあるのが実際のところです。ここでは、ココアを飲むときの注意点について詳しく押さえておきましょう。
ココアには2種類ある
ひと口にココアと言っても、実際には2つの種類があることに注意しましょう。1つ目は純粋にココアをパウダーにしたピュアココアです。2つ目は砂糖などを加え飲みやすくした調整ココアです。後者は砂糖などが加えられている分、飲み過ぎには注意しなければなりません。
栄養だけでなくカロリーや糖分のとりすぎに注意
ココアを飲むときは栄養だけに気を取られるのではなく、カロリーや糖分などのとりすぎに注意しましょう。ピュアココアを飲む場合でも、自分でガムシロップや砂糖などを入れて味を調整するときは気を付けたほうがよいでしょう。また、ココアに牛乳を入れて作るときはカロリーの取り過ぎになる恐れがあるので、カロリーをチェックしたうえで飲む量を調整するようにしてください。
カカオとココアやチョコレートにはさまざまな違いがある
カカオとココアやチョコレートには、それぞれ明確な違いがあります。カカオはスーパーフードとしても有名ですが、せっかく摂取するのであればそれぞれの違いをしっかりと理解しておいたほうがよいでしょう。ココアやチョコレートを摂取すれば、カカオの成分を体に取り入れることができます。ただし、ココアやチョコレートには砂糖なども含まれているため、摂取するときはとり過ぎには注意したほうがよいでしょう。砂糖や脂肪分などが抑えられたものもあるので、カカオの成分を摂取したいという目的があるなら、そういったものを選ぶのもひとつの手です。カカオの成分をしっかりと体に取り入れて、健康を目指しましょう。
まとめ
カカオとチョコレートの基本知識を通じて、食品の奥深い世界を理解できたかと思います。 カカオはその栽培から加工、そして最終的なチョコレート製品になるまで、多くの工程を経て私たちの手元に届きます。 ナチュラルココアとダッチプロセスココアの違いや、高品質なココア製品の選び方を学ぶことで、健康効果を最大限に受けられます。 また、チョコレートの種類や製造方法を知ることで、用途に応じた最適な選択が可能です。 これからもカカオとチョコレートの魅力を楽しみつつ、賢い消費者としての知識を深めていきましょう。
- 通信講座のSARAスクール編集部
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心理カウンセラー資格やリンパケアセラピスト等の体系資格、食育資格などを扱うSARAスクール編集部が運営するコラムです。主に女性向けのキャリアアップやスキル習得を目的とした講座が多く、家事や育児と両立しながら学べる環境が整っています。資格取得を目的とした講座も充実しており、仕事や日常生活に活かすことが可能です。