食育の資格をやさしく紹介！難易度の違いからまで取得方法まで徹底ガイド

食育の資格一覧｜代表的な20種類を紹介

食育インストラクター
NPO日本食育インストラクター協会がプライマリーから1級までの5段階で資格を認定。入門のプライマリーは指定の通信講座を修了することで取得可能。食育の第一人者である服部幸應氏が監修・指導している。
食育アドバイザー
一般財団法人日本能力開発推進協会が認定。正しい食の基礎知識を持つ食育のスペシャリストを目指せる。食を通したコミュニケーション能力も審査される。通信講座で資格取得が可能。
食育健康アドバイザー
日本安全食料料理協会（JSFCA）が認定。食育に関する基本知識から栄養学、食事のバランス、健康管理まで多くの知識と技能を学べる。食育の専門家として資格取得後に食育関連企業に就職する人、講師としてセミナーを開く人も多く存在する。
食育指導士
NPO法人日本食育協会が、食と健康に関する正しい知識を身につけその意義を普及できる人材を認定。1日のプログラムで資格取得が可能。取得後には上級食育指導士も目指せる。
食育スペシャリスト
NPO法人みんなの食育が認定。飲食業界で役立つメニュープランニングを重視した内容が学べる。プレゼンテーション演習など実践の講座があるため通学での学習が必要。
食育メニュープランナー
NPOみんなの食育と職業訓練法人日本技能教育開発センターが共同認定。年代別、症状別の食育メニューを学べる。家庭での食事以外にも、教育機関の給食や介護施設・病院での食事メニューなどを的確に提供するスキルが身に付く。
食育実践プランナー
一般社団法人日本味育協会が認定。食に関することや味覚の役割、おいしさについての正しい知識が学べる。通信講座で資格取得が可能。
食育栄養コンサルタント
一般社団法人日本能力教育促進協会（JAFA）が認定。栄養学の基礎知識から安心安全な食べ物の選び方を学ぶことができる。乳幼児から高齢期までの多岐にわたるライフステージに合わせた安心な食選びと指導が可能になる。
食育栄養インストラクター
一般社団法人全国栄養士養成施設協会が認定する、食育の指導者を養成するために作られた資格。養成施設にて資格認定に必要な授業科目を受講し、試験に合格することで資格を取得することが可能。
食育デザイナー
日本食文化環境研究所が認定する資格。食と心の関係、農業、メタボリックの栄養学などの知識を学べる。
食育コミュニケーター
日本食育コミュニケーション協会が実施する講座の修了後に認定証が授与される資格。試験はなし。食品スーパーや食品メーカーなどの企業で活躍できる知識・スキルを学べる。
食生活アドバイザー
一般社団法人 FLAネットワーク協会が、健康な食生活を送るために的確な指導やアドバイスをするスペシャリストとして認定。検定試験の内容は3級・2級の種別あり。
フードコーディネーター
特定非営利活動法人日本フードコーディネーター協会が認定。新しい食のブランドやトレンドを創ることができるようになり、食品メーカーでの商品開発やレストラン、料理教室のプロデュースなど様々な場で活躍することが目指せる。
フード・インストラクター
NPO法人みんなの食育が認定。食べ物を選ぶ力や食材の栄養と機能、調理方法から味覚形成など食べ物による生育に関する知識、流通や安全表示まで幅広く学ぶ。
食学士・準食学士
IFCA国際食学協会が認定。同協会認定の下位の資格に食学A級、美容食学A級、マクロビオティックA級がある。
管理健康栄養インストラクター
日本インストラクター技術協会（JIA）が認定し、ビタミンなどの栄養素や腸内細菌が身体に及ぼす働きなどについて学べる。食材の栄養素や食品表示の見方など食品に関する理解度を証明することができる資格。
細胞美食アドバイザー
泉メディカルハーブアカデミーが認定。指定講座では細胞美容など、栄養バランスやデトックスなどについて学習し、実習では美容食の調理も学ぶことができる
ヘルシー＆ビューティー フードアドバイザー
NPO法人職業技能専門教育研究機構認定 フードマネジメント協会が認定。身体と食と運動に関する基礎知識が身についていることを証明する資格。家族や実生活で活用できる3級、ビジネスに生かせる2級などで難易度が分かれている。
ナチュラルフード・コーディネーター
日本創芸学院が認定する民間資格。有機野菜や無添加食材を使った調理法を身につけられる。指定の通信講座を受講し、提出課題に合格することで資格取得が可能。
食学調味料アドバイザー
IFCA国際食学協会の講座を受講することで資格の取得が可能なため試験はなし。調味料の製造方法や働き、その選び方を学べる。

食育の資格｜おすすめ5選

通信講座の受講が必須の資格は、きちんと学習すれば難易度はそれほど高くありません。

食育インストラクター（プライマリー）

食育インストラクターとは、食育基本法の制定にも関わった食育の第一人者、服部幸應氏が監修しています。食育の重要性や食生活の改善方法などを学び、人々に食育の指導を行う専門家を目指します。
今回紹介したプライマリー（入門）から4、3、2、1級と5段階の資格種別に分かれます。プライマリーは通信教育で取得可能ですが、4級からは協会が定める推進校に通う必要があります。3級からはよりハイレベルになり、食育に関する国家資格を持つ方も受験する内容です。

資格認定団体	特定非営利活動法人 NPO 日本食育インストラクター協会
取得方法	通信講座修了後に最終課題に合格（70点以上）
学べる内容	食育、栄養学、食生活の改善方法、調理方法、食材などに関する基本的な知識
取得にかかる費用（目安）	46,490円（講座受講料＋受験料）
標準学習期間	6か月

参考：食育インストラクターとは｜特定非営利活動法人 NPO 日本食育インストラクター協会

食育アドバイザー

食育アドバイザーは食育に関する基礎知識を備え、食育活動が行えることを証明する資格です。教育、医療、福祉、フードビジネス業界の仕事のスキルアップになります。
学習は紙テキストとWebテキストの両方で進めることができます。

資格認定団体	日本能力開発推進協会（JADP）
取得方法	通信講座修了後に試験の合格（得点率70％以上）
学べる内容	栄養バランス、旬の食材、安全な食材の見分け方など
取得にかかる費用（目安）	35,400円（講座受講料＋受験料）
標準学習期間	3か月

参考：JAJD認定食育アドバイザー®｜日本能力開発推進協会（JADP）

食育インストラクターと食育アドバイザーの違いは？

食育インストラクターと食育アドバイザーの大きな違いは資格種別の有無です。食育インストラクターは難易度により資格種別が分かれます。
ステップアップしていけるか、初心者から上級者まで対応しているかに違いがあります。

乳幼児食指導士（幼児食アドバイザー）

乳幼児食指導士は元「幼児食アドバイザー」の名前でも知られています。似た名前に「離乳食・幼児食コーディネーター」がありますが、乳幼児食指導士は離乳食・幼児食に限らず、栄養学や生理学なども含む幅広い内容が学べます。
修了証と名刺サイズの認定証が発行できるのは嬉しい点かもしれません。

資格認定団体	株式会社日本フローラルアート（東京カルチャーセンター）
取得方法	通信講座の受講と課題の合格
学べる内容	乳児や幼児の体に関する基礎から発育に伴う食事の実践方法、病気の際の食事・食物アレルギーなど
取得にかかる費用（目安）	39,800円
標準学習期間	6か月

参考：乳幼児食指導士養成通信講座

食育スペシャリスト

食育スペシャリストは特に食関連の仕事で生かせるメニュープランニングを重視した内容が学べます。通学が必要な講座受講は、北海道から沖縄までの全国に校舎があります。標準学習期間は2か月ですが、校舎によってはなんと最短約3日で取得することが可能です。
実践的な内容が学べるため、食関連ビジネスでの就職に資格を生かしたい人にもおすすめです。資格の取得にかかる費用は通信や独学の資格と比べ高めです。

資格認定団体	NPO法人　みんなの食育
取得方法	講座受講後、試験の合格
学べる内容	素材を生かしたメニューの企画、プレゼンテーション、市場調査など
取得にかかる費用（目安）	183,150円（入学金＋受講料）
標準学習期間	2か月

参考：食育スペシャリスト講座｜NPO法人　みんなの食育

フードインストラクター

フードインストラクターは食育について指導していくための資格です。日常の食の楽しさと大切さを伝えることを目指します。
食材を5つに分け、深く掘り下げた内容が学べます。各種類ごとに講座が受講できるため、特定の食材に興味がある方にもおすすめです。

資格認定団体	NPO法人みんなの食育
取得方法	認定通信講座受講後、レポートの作成（※試験なし）
学べる内容	「野菜」「穀類」「魚」「畜産」「くだもの」の5つの食材に関する実践的な内容
取得にかかる費用（目安）	20,900円（各講座ごと）
標準学習期間	6か月

参考：食育講座｜フードインストラクター

独学でも目指せる食育の資格｜おすすめ2選

受験に合格することでシンプルに資格の取得が可能です。

食生活アドバイザー

食生活アドバイザーは食生活を総合的に見直すために、指導やアドバイスができる資格です。2級と3級で難易度が分かれています。
講座受講は不要で、誰でも受験に合格することで資格が取得できます。試験はウェブではなく、全国14都市で開催されます。ホームページで試験問題に関する情報が見られるため独学での取得が目指せます。

資格認定団体	一般社団法人　FLAネットワーク協会
取得方法	試験の合格 3級：60点（100点満点） 2級：74点（123点満点）
学べる内容	普段の買い物など日常に生かせるものから、衛生管理や社会問題まで
取得にかかる費用（受験料のみ）	3級：5,500円 2級：8,000円
標準学習期間	2か月

参考：食生活アドバイザー｜一般社団法人　FLAネットワーク協会

食育健康アドバイザー

食育健康アドバイザーは食育に関する基本から栄養学、健康管理まで幅広い知識と技能を証明する資格です。在宅での受験に合格することで資格が取得できます。

資格認定団体	日本安全食料料理協会（JSFCA）
取得方法	試験の合格（70％以上の評価）
学べる内容	諸外国の食育、老化と酸化、腸内細菌、学校教育における食育、健康食品（サプリメント）の違いなど
取得にかかる費用（受験料のみ）	10,000円
標準学習期間	3か月

食育健康アドバイザーは認定講座のプラチナコースも設けられています。管理健康栄養インストラクターの資格も同時に取得できる講座内容となっています。
講座は最短2か月で100%資格が取得できる内容となっているので、試験の合格に自信のない方にもおすすめです。
おすすめの講座：食育資格取得検定の通信講座｜SARAスクール
参考：食育健康アドバイザー資格認定試験｜日本安全食料料理協会（JSFCA）

食育の国家資格とは？

民間の資格のうち、国家資格に関わる資格として食育栄養インストラクターを紹介します。

食育栄養インストラクター

食育栄養インストラクターは全国栄養士養成専門学校協議会が認定する資格です。食育基本法に基づき、健全な食生活を指導することを目指します。国家資格である栄養士や管理栄養士の資格にプラスαで取得するのにおすすめの民間資格です。
受験資格は全国栄養士養成専門学校協議会の栄養士・管理栄養士養成施設の学生のみに限られます。資格の交付までに最低2年を要する比較的難易度が高い資格です。
参考：食育栄養インストラクター資格要項｜全国栄養士養成専門学校協議会

食育とはどのようなもの？資格を取得して実践しよう

食育とは

食育とは食に関する知識や技能を身に付け、健全な食生活を実践するための教育のことです。生きる上での基本であり、発育や教育の基礎となるべきものであると位置付けられています。
食の安全、栄養、環境、文化、経済など食に関する知識は多岐にわたります。食育資格は人々が食育を実践する能力を身に付けることを主な目的としています。

食育資格の大切さ

食育について子どもから大人まで、生涯にわたって学び続ける姿勢が大切です。資格を生かし、健康な身体や心を維持することができます。食文化の継承や地域の食産業の振興にもつながります。

参考：「食育とは」｜農林水産省
　　　食育基本法｜厚生労働省

食育が必要な3つの理由

食育が必要な理由は主に3つが挙げられます。

食生活の変化

食生活の変化に伴い、栄養バランスの偏りや食の安全性への不安が高まっています。
外食や加工食品の増加、食のグローバル化などにより、食生活は多様化し、栄養バランスの偏りや食中毒のリスクも少なくありません。

食に関する知識の低下

食に関する知識の低下も問題視されています。
家庭科教育の時間の減少や、家庭での食事の簡略化などにより、食に関する知識や技能が低下し、自ら健康的な食生活を実践する能力が不足しています。

食文化の継承

食文化の継承や地域の食産業の振興の観点からも食育は重要です。ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」をはじめ、日本の伝統ある食文化が十分継承されていない点は食育推進基本計画でも重要課題の一つとなりました。
以上の3つはいずれも現代的な課題で、食育資格の需要はこれからますます増えていくでしょう。

食育の実践方法

食育の実践に資格は必ずしも必要ではありません。日常に目を向けることが食育の実践の第一歩です。
例えば、自分が今日何を食べたのかを思い浮かべてみましょう。そしてそれらを食事バランスガイドに当てはめてみましょう。これだけで普段の食事にどのような偏りがあるかが分かります。

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参考：「食事バランスガイド」について｜農林水産省
子どもにおつかいを頼むことも食育の一つです。スーパーでどのように肉や魚、野菜が売られているかを実際に見て学ぶことができます。夕飯の支度を手伝ってもらうとさらに良いでしょう。買ってきた食材の調理についても学べます。食育は特別なことではなく、日常的なことなのです。

食育の資格を生かせる仕事は？

食関連ビジネスの仕事

​​食育の資格は飲食店などの外食産業や、食品メーカーなどの食関連のビジネスに生かせます。
フードビジネスとも呼ばれるこの業界では、健康志向の高まりに応えるためのアイデアが求められます。美味しいだけでなく栄養面も考えられたレシピ作成や、その人に合わせた食品を選べるスキルはますます重宝されるでしょう。
資格を持っていることは知識の証明になるため、直接就職や転職に生かせます。

教育業界の仕事

食育の資格は小中学校、幼稚園や保育園など教育の仕事にも生かせます。食育は幼少期からしっかり行うことが大切なので、スキルとしての需要は高いです。

医療・介護業界の仕事

医療、歯科衛生士などの歯科医療、介護の業界での仕事にも食育資格の需要があります。食が一番の薬と言われることもあるように、栄養面の専門的な治療を求める人も多くいます。
高齢化で今後さらに需要が高まるといわれている介護施設でも食育資格は生かせます。専門的な食育資格には介護食アドバイザーなどがあります。
医療・介護の現場で既に働いている方で食育資格を取ることで、他の職員への指導にも生かせます。

食育資格を働きながら取得する方法は？

食育資格を働きながら取得するには、主に通学講座、通信講座、独学の3つの方法があります。

食育の資格は独学でも目指せる？

食育の資格は独学で取得することも目指せます。独学は時間と場所を完全に自由に選べるため、仕事がある人にもおすすめできる柔軟な学習方法です。
ただし学習の質や進度を自分で管理する必要があり、学習効果が低かったり、途中で挫折してしまう場合もあります。また外部からの適切なフィードバックがないため、正しい食育の知識やスキルを得られない場合も考えられます。独学の場合には以上の2点に注意が必要です。

働く人におすすめな通信講座

働く人におすすめな資格の取得方法は通信講座です。通信講座は教材を自宅で学習し試験を受ける方法です。
時間と場所を自由に選べるため、忙しい人や遠方に住む人でも学習しやすいという利点があります。また資格取得に向けたカリキュラムがしっかりと組まれているため、独学よりも継続しやすく、正しい知識が身につく点でおすすめの学習方法です。

通学講座はどんな人におすすめ？

通学講座は、専門の学校や施設に通って講義や実習を受ける方法です。国家資格を目指す人や、より実践的な学びを得たい人におすすめです。
また直接講師から指導を受け、他の受講生と交流することができるため、学習効果が高く、モチベーションを維持しやすいという利点があります。ただし通学に時間と費用がかかるため、仕事がある人には比較的難しい方法です。

食育の資格に関するよくある質問

食育の資格を取得するメリットは？

食育の資格を取得するメリットはこれまで紹介してきたように、子育てや自分の食生活に生かせるなどたくさんあります。しかし一番大きなメリットとしては、取得することが自分や周りの人にとって大きな投資となるという点でしょう。
単純に就職や転職に生かせるという実利的な面よりも、むしろ人間が生きていく上で必須な食についての知識や経験が得られることにあります。今後の人生において大きな財産になることは大きなメリットと言えるでしょう。

食育の資格は意味がない？

「食育の資格は意味がない」という意見もありますが、ここまで紹介してきたように食育に関する知識を学べることや、仕事でのスキルの証明にもなるため意味があると言えるでしょう。
意味がないという意見の代表的なものには、通信教育で民間資格を取得する場合に「実践的なことを学べない」というものがあります。しかし知識は実践の土台となります。意味がないかどうかは食育の実践がポイントです。

食育の資格の違いが分かりづらい！

食育の資格は20種類を超えるものがあり、栄養関係の資格まで視野を広げるとさらにたくさんあります。資格の違いが分かりづらいということもあるでしょう。
見通しを良くするために、まずは取得する目的を定め、次に自分の金銭的・時間的な状況で選択できるものを絞りましょう。
コスパを重視して、まずは講座受講などで確実に取れる資格を一つ取ってみるというのも手です。

食育の資格選びの失敗例は？

食育の資格は前述の通り多数存在します。資格選びに失敗してしまうことを避けるには、自分の譲れない条件を書き出してみるということが大切です。
例えば「必ず2か月以内には取りたい」「子どもの将来のために、時間がかかっても良いから子育てを重視した資格を取りたい」など条件が見えてくるでしょう。大きな失敗をしないためにホームページ、資料などの一次情報をしっかりと確認することも重要です。

まとめ

食育の資格には民間資格から国家資格まで様々な種類があります。目的や難易度に応じて自分に合った資格を選ぶことが大切です。