花の特徴を生かしたフラワーアレンジメントのコツ!
記事更新日:2024年10月22日フラワーアレンジメントの魅力を最大限に引き出すためには、花の特性を理解し、それを活かした配置とデザインが不可欠です。
単に花を集めて並べるだけではなく、各花の特徴を知り、その特性を活かすことで、調和のとれた美しいアレンジメントが完成します。
一口に花と言ってもそのかたちには、茎が長くてラインが特徴的なもの、花びらが多くて丸いものなどさまざまな種類があります。フラワーアレンジメントでは、そのような花の特徴を生かしてアレンジを行うことで、より魅力的な作品を作ることができます。
これはフラワーアレンジメントのプロも意識している方法です。しかし、初心者でもコツさえつかめば、すぐにアレンジに取り入れることが可能です。
今回は、花の特徴を生かし、フラワーアレンジメントをより素敵に見せるコツについて紹介します。
目次
フラワーアレンジメントを美しく仕上げるための基本的なポイント
フラワーアレンジメントは、単なる花の寄せ集めではなく、美しい調和とバランスを追求する芸術です。 美しく仕上げるためには、基本的なポイントを押さえ、各要素が互いに引き立て合うように設計することが重要です。 ここでは、美しいフラワーアレンジメントを作るための基本的な要素について詳しく解説します。
美しいアレンジメントに必要な基本的な要素
フラワーアレンジメントの美しさを引き出すためには、いくつかの基本的な要素が必要です。 これらの要素が上手く組み合わさることで、アレンジメントは調和のとれた美しさを放つようになります。 その基本的な要素と、それぞれの要素を活かすための具体的な方法について解説していきます。
花材選びの基本的な考え方
花材選びはフラワーアレンジメントの成功を左右する重要なステップです。 まず、季節に合った花材を選ぶことで、アレンジメント全体に自然な雰囲気と調和が生まれます。 春にはチューリップや桜、夏にはヒマワリやラベンダー、秋にはダリアやコスモス、冬にはポインセチアやアマリリスなど、その季節ならではの花を取り入れることで、視覚的な季節感を表現できます。 さらに、花材の選択においては花の寿命も考慮することが大切です。 長持ちする花材を選ぶことで、アレンジメントの美しさを長く楽しめます。 例えば、バラやカーネーションは比較的長持ちするため、アレンジメントに取り入れやすい花材です。 また、観賞用の葉物やグリーンを加えることで、アレンジメントに動きとリズムを与えられます。 最後に、花材の大きさと形にも注目しましょう。 異なる形状やサイズの花材を組み合わせることで、視覚的な興味を引き出し、アレンジメント全体のバランスを整えます。 例えば、大きな花をフォーカルポイントとして配置し、小さな花やグリーンをその周りに配置することで、視線が自然に中心に集まるようにできます。
色と形のバランスを取る方法
美しいフラワーアレンジメントには、色と形のバランスが欠かせません。 色の選び方一つで、アレンジメントの印象は大きく変わります。 色相、明度、彩度を考慮して色を選ぶことで、調和の取れたデザインを作り出すことができます。 例えば、同系色でまとめると統一感が生まれ、補色を使うとコントラストが強調されて、視覚的なインパクトが増します。 また、色の配置にも工夫が必要です。 明るい色は視線を引きつけやすいため、フォーカルポイントとして使うことが一般的です。 一方、落ち着いた色は背景やサブポイントとして使用することで、全体のバランスを整える役割を果たします。 例えば、鮮やかな赤いバラを中央に配置し、その周りに淡いピンクや白の花を配置することで、中央の花がより一層引き立つデザインになります。 形のバランスも同様に重要です。 異なる形状の花材を組み合わせることで、視覚的な動きとリズムが生まれます。 縦長のラインフラワーは高さを強調し、丸みを帯びたマスフラワーはボリューム感を加えます。 これらを組み合わせることで、アレンジメント全体にダイナミズムと安定感を持たせることが可能です。
花の種類とその役割を理解する
フラワーアレンジメントを成功させるためには、使用する花の種類とそれぞれの役割を理解することが重要です。 特に、ラインフラワー、マスフラワー、フィラーフラワーという3つの主要な花のカテゴリを理解することで、アレンジメント全体のバランスや調和が格段に向上します。 ここでは、それぞれの花の特徴と使い方について詳しく解説します。
ラインフラワーの特徴と使い方
ラインフラワーは、フラワーアレンジメントの基盤を形成する重要な要素です。 その名前の通り、長い茎を持つラインフラワーは、アレンジメントに高さと動きを与え、全体の構造を引き締める役割を果たします。 これらの花を効果的に使うことで、アレンジメントに視覚的な流れを生み出すことができます。
ラインフラワーを使った空間の構築
ラインフラワーを使用する際には、その長い茎を活かして空間を構築することが重要です。 ラインフラワーの特徴である高さを利用して、アレンジメントに垂直方向のラインを作り出すことで、視線が自然と上方に誘導されます。 これにより、アレンジメント全体が動きと活力を持つ印象を与えられます。 例えば、グラジオラスやデルフィニウムなどのラインフラワーを使用する場合、それらを中心から外側に向けて配置することで、視覚的な広がりを持たせることが可能です。 また、同じ高さのラインフラワーを均等に配置するのではなく、異なる高さに配置することで、より自然で立体感のあるデザインを作り上げることができます。
高さと動きを強調するテクニック
ラインフラワーを使ってアレンジメントの高さと動きを強調するためには、いくつかのテクニックがあります。 まず、異なる高さのラインフラワーを組み合わせることで、視覚的な興味を引き出せます。 例えば、背の高いラインフラワーを背景に配置し、前景には少し短めのラインフラワーを配置することで、奥行きと立体感を強調できます。 さらに、ラインフラワーを斜めに配置することで、視覚的な動きを加えることも可能です。 垂直に配置するだけでなく、角度をつけて配置することで、アレンジメント全体にダイナミズムを加え、視線を引きつける効果があります。 また、ラインフラワーの先端を外側に向けることで、アレンジメントに広がりを持たせることも可能です。
マスフラワーの役割とデザインの要点
マスフラワーは、アレンジメントの中でボリュームを持たせる役割を果たします。 その丸みを帯びた形状は、アレンジメントに安定感と豊かさを加え、視覚的な重心を作り出します。 マスフラワーをどのように配置するかによって、アレンジメント全体の印象が大きく変わります。
ボリューム感を出すための配置のコツ
マスフラワーを効果的に使ってボリューム感を出すためには、配置の方法が重要です。 まず、アレンジメントの中心部分にマスフラワーを配置することで、視線を中央に集め、安定感を持たせられます。 例えば、バラやガーベラなどのマスフラワーをアレンジメントの中心に配置し、その周りに小さな花やグリーンを配置することで、視覚的な焦点を作り出せます。 また、複数のマスフラワーをグループ化して配置することで、さらにボリューム感を強調できます。 この際、マスフラワー同士の間隔を少し空けることで、自然な流れを保ちつつ、アレンジメントに動きを持たせることが可能です。
中心に配置する際の注意点
マスフラワーを中心に配置する際には、いくつかの注意点があります。 まず、マスフラワーが他の花を圧倒しないように、バランスを保つことが重要です。 マスフラワーが多すぎると、アレンジメント全体が重く見えてしまうため、適度な数を選び、他の花材とのバランスを考慮する必要があります。 また、マスフラワーの色合いや形状が他の花材と調和するように配置することも大切です。 色のコントラストが強すぎると、視覚的にちぐはぐな印象を与えてしまうため、隣接する花材との色の相性を考慮して配置しましょう。 さらに、マスフラワーの配置は、高さや角度を変えてみることで、視覚的な興味を引き出し、アレンジメントに動きを持たせることができます。
フィラーフラワーの使い方と効果
フィラーフラワーは、アレンジメント全体の調和を保ち、隙間を埋めるために使用される小さな花です。 これらの花は主役ではありませんが、アレンジメントの完成度を高め、全体のバランスを取るために欠かせない存在です。 フィラーフラワーの使い方を工夫することで、アレンジメントに繊細さと奥行きを加えられます。
全体の調和を保つためのフィラーフラワーの配置
フィラーフラワーを配置する際には、アレンジメント全体の調和を考慮することが重要です。 フィラーフラワーは、大きな花材の間の隙間を埋める役割を果たしますが、配置が均等すぎると人工的な印象を与えてしまいます。 自然なバランスを保つためには、フィラーフラワーをランダムに配置し、アレンジメントに柔らかさと動きを加えることが効果的です。 例えば、カスミソウやスターチスなどのフィラーフラワーを、大きなマスフラワーやラインフラワーの周りに散りばめることで、アレンジメントに軽やかな印象を与えられます。 また、フィラーフラワーの配置により、視線がアレンジメント全体に自然に流れるように工夫することが大切です。
ディテールを引き立てるフィラーフラワーの選び方
フィラーフラワーの選び方も、アレンジメントの印象を大きく左右します。 フィラーフラワーの色や形状が他の花材と調和することで、アレンジメント全体がまとまりのある印象を与えます。 例えば、淡い色のフィラーフラワーを使用することで、メインの花材が引き立ち、全体が落ち着いた印象になります。 また、フィラーフラワーの形状も重要です。 小さく丸みを帯びたフィラーフラワーは、優雅さを加え、細長い形状のフィラーフラワーは動きとダイナミズムを加えます。 これにより、アレンジメントのテーマやスタイルに合わせて、適切なフィラーフラワーを選び、配置することで、視覚的な調和を実現できます。
花の種類を生かしたアレンジメントのテクニック
フラワーアレンジメントを成功させるためには、使用する花の種類に応じたテクニックを理解し、それぞれの特性を最大限に引き出すことが重要です。 特にグリーン、ラインフラワー、マスフラワー、フィラーフラワーを効果的に活用することで、アレンジメント全体に深みと調和をもたらすことができます。 これらの花材を使ったアレンジメントのテクニックについて詳しく解説していきます。
グリーンの使い方でアレンジの基礎を固める
グリーンはフラワーアレンジメントの基礎を形成する重要な要素です。 グリーンを効果的に使用することで、他の花材の魅力を引き立て、全体のバランスを整えられます。 また、グリーンはアレンジメントに自然な感じを加え、視覚的な安定感を提供してくれます。
土台にグリーンを使用する理由とその効果
アレンジメントの土台にグリーンを使用することには、いくつかの重要な理由があります。 まず、グリーンはアレンジメントのバックグラウンドとして機能し、他の花材を引き立てる役割を果たします。 例えば、ユーカリやアイビーなどのグリーンを使用することで、アレンジメント全体がより自然で柔らかな印象になります。 また、グリーンはアレンジメントの空間を埋め、ボリューム感を加えるのにも有効です。 グリーンを土台に使用することで、アレンジメントが見た目に豊かで充実したものとなり、空白や隙間が目立たなくなります。 さらに、グリーンはアレンジメントに新鮮さと生命感を加え、長持ちするアレンジメントを作り上げるためにも重要な役割を果たします。
グリーンの配置でバランスを取る方法
グリーンを配置する際には、バランスを考慮することが重要です。 均等に配置されたグリーンはアレンジメントに安定感をもたらします。 例えば、アレンジメントの両側にグリーンを配置することで、対称性を持たせられます。 一方で、非対称の配置もまた、興味深いデザインを生み出す手法です。 一方に多くのグリーンを配置し、反対側に少量のグリーンを配置することで、視覚的な動きと興味を引き出せます。 このように、グリーンの配置を工夫することで、アレンジメントの印象を大きく変えられます。
ラインフラワーでアレンジの枠組みを作る
ラインフラワーは、その長い茎を活かしてアレンジメントの枠組みを形成する役割を持ちます。 これらの花を効果的に使うことで、アレンジメントに高さと動きを加え、視覚的な流れを作り出すことが可能です。 ラインフラワーを使ったアレンジメントは、ダイナミックで視覚的に引き付けられるものとなります。
アウトラインを決めるラインフラワーの配置の仕方
ラインフラワーを使ってアレンジメントのアウトラインを決める際には、高さと方向を意識することが重要です。 例えば、グラジオラスやデルフィニウムなどのラインフラワーを使う場合、垂直に配置して高さを強調することで、アレンジメント全体にドラマチックな印象を与えられます。 また、斜めにすれば、動きとリズムを加えることも可能です。 視線が全体に流れるようになり、視覚的な興味を引き出せます。 このように、アレンジメントの骨組みを作る上でラインフラワーの配置は非常に重要な役割を果たします。
ラインフラワーの選び方で変わる印象
ラインフラワーの選び方によって、アレンジメントの印象は大きく変わります。 例えば、細くて繊細なラインフラワーを使用すると、アレンジメントに軽やかさと優雅さが加わります。 一方で、太くてしっかりとしたラインフラワーを使用すると、アレンジメントに力強さと存在感を加えることが可能です。 また、ラインフラワーの色もアレンジメントの印象に影響を与えます。 明るい色のラインフラワーを使用することで、視覚的に目を引くデザインとなり、落ち着いた色のラインフラワーを使用することで、シックで上品な印象を与えられます。
マスフラワーで中心部分を強調する
マスフラワーは、その丸みを帯びた形状と大きさで、アレンジメントの中心部分を強調するために使用されます。 これらの花は、視覚的な重心を作り出し、アレンジメントに安定感と存在感を加える役割を果たします。 マスフラワーを適切に配置することで、アレンジメントの魅力がさらに引き立ちます。
アレンジのフォーカルポイントを作るテクニック
マスフラワーを使ってフォーカルポイントを作る際には、その配置場所が重要です。 アレンジメントの中心にマスフラワーを配置することで、視線が自然とその部分に引き寄せられ、アレンジメント全体の印象が引き締まります。 例えば、バラやダリアなどの大きなマスフラワーを中心に配置し、その周囲を小さな花やグリーンで囲むことで、強調されたフォーカルポイントが生まれます。 また、フォーカルポイントを複数作ることで、アレンジメントに動きと変化を加えることも可能です。 この場合、異なる高さや位置にマスフラワーを配置することで、視線がアレンジメント全体に移動し、視覚的な興味が持続します。
配置場所と量で変わるマスフラワーの印象
マスフラワーの印象は、配置場所と量によって大きく変わります。 多くのマスフラワーを使用すると、アレンジメントが豪華で華やかな印象になりますが、過剰になると重たく見えることがあります。 適度な量を選び、他の花材とのバランスを考慮することが大切です。 また、マスフラワーをアレンジメントの中心以外の場所に配置することで、全体に広がりを持たせることもできます。 例えば、アレンジメントの片側にマスフラワーを集中させ、反対側には小さな花やグリーンを配置することで、視覚的なバランスと動きを加えられます。
フィラーフラワーで全体の形を整える
フィラーフラワーは、アレンジメントの隙間を埋め、全体の形を整えるために使用される小さな花材です。 これらの花は、主役ではないものの、アレンジメントの完成度を高めるために欠かせない役割を果たします。 フィラーフラワーの使い方を工夫することで、アレンジメントに繊細さと奥行きを加えられます。
アレンジの隙間を埋めるフィラーフラワーの役割
フィラーフラワーは、大きな花材の間の隙間を埋めるために使用されます。 これにより、アレンジメントが見た目に一貫性を持ち、視覚的な空白を減らせます。 フィラーフラワーを適切に配置することで、アレンジメント全体がまとまりのある印象を与え、視覚的な混乱を避けることが可能です。 例えば、カスミソウやワックスフラワーなどの小さなフィラーフラワーを、大きな花材の間に配置することで、アレンジメントに軽やかさと柔らかさを加えられます。 これにより、アレンジメントがより自然で調和の取れたものとなります。
フィラーフラワーの色と種類によるアクセント効果
フィラーフラワーの選び方によって、アレンジメントにさまざまなアクセントを加えられます。 例えば、鮮やかな色のフィラーフラワーを使用することで、アレンジメントにポップな印象を与えられます。 一方、落ち着いた色のフィラーフラワーを使用することで、全体がシックでエレガントな印象になります。 また、フィラーフラワーの種類も重要です。 小さくて丸い形状のフィラーフラワーは、アレンジメントに柔らかさを加え、細長い形状のフィラーフラワーは動きとリズムを加えます。 このように、フィラーフラワーの色と種類を工夫することで、アレンジメントのスタイルやテーマに合わせたデザインを実現できます。
美しいフラワーアレンジメントを作るための注意点
フラワーアレンジメントの美しさを引き出すには、細部に注意を払いながらデザインすることが重要です。 特に、花の向きや形状をうまく活用することで、立体感や動きを持たせることができます。 ここでは、美しいフラワーアレンジメントを作るための具体的な注意点と、それを実現するためのテクニックについて詳しく解説します。
花の向きを工夫して立体感を演出する
フラワーアレンジメントにおいて、花の向きを工夫することは非常に重要です。 正面だけでなく、あらゆる角度から見たときに美しく見えるように配置することで、アレンジメントに立体感が生まれ、見る人の視線を引きつける効果があります。
花の顔を見せるための角度と配置のコツ
花の「顔」とは、花の中心部分が見える位置のことを指します。 この顔をうまく見せるためには、花を配置する角度が重要です。 例えば、バラやガーベラのような花の場合、花の顔を正面に向けることで、花の美しさを最大限に引き出せます。 配置の際には、花の顔が全て同じ方向を向かないように注意しましょう。 異なる角度で配置することで、アレンジメント全体が立体的に見え、視覚的な興味が引き出されます。 花の高さも変化を持たせることで、自然な立体感が生まれます。 例えば、背の高い花を後ろに、低い花を前に配置し、さらに一部の花を斜めに配置することで、視線が自然にアレンジメント全体を巡るようになります。
見る方向を意識したデザインの工夫
フラワーアレンジメントを置く場所や見る方向を考慮することも大切です。 例えば、壁際に置く場合と、テーブルの中央に置く場合では、見る方向が異なります。 壁際に置く場合は、正面から見ることを前提に、花の顔を手前に向ける配置が一般的です。 一方、テーブルの中央に置く場合は、360度どこから見ても美しいように花を配置する必要があります。 この場合、中心部に向かって少しずつ高さを変えながら、全方向に花の顔が向くように配置すると良いでしょう。 また、花が重なり合わないようにすることで、全ての花の顔が見えやすくなり、アレンジメント全体が引き締まった印象になります。 このように、見る方向を意識したデザインは、アレンジメントの完成度を大きく左右します。
花の形状を活かすアレンジのポイント
フラワーアレンジメントの美しさを最大限に引き出すためには、花の形状を理解し、それを活かすアレンジが求められます。 花の形状をうまく利用することで、アレンジメントに動きとリズムを与え、視覚的に魅力的な作品を作り上げることができます。
自然な動きを引き出す花材の使い方
花材の自然な形状や動きを活かすことで、アレンジメントに生命感が生まれます。 例えば、枝物やつる植物のような曲線を描く花材は、その自然なラインを活かして配置することが重要です。 これにより、アレンジメント全体に流れるような動きを加えられ、視覚的な興味を引き出します。 また、花の茎の方向や葉の向きも考慮して配置することで、アレンジメントがより自然で調和の取れた印象を与えます。 茎を少し曲げて配置することで、花が風に揺れるような自然な動きの表現が可能です。 これにより、アレンジメントに柔らかさとリズム感が加わります。
違う形の花を組み合わせる際の注意点
異なる形状の花を組み合わせることで、アレンジメントにバリエーションを持たせることができますが、その際にはいくつかの注意点があります。 まず、あまりにも異なる形状の花を組み合わせると、全体がまとまりのない印象になってしまうことがあります。 そのため、形状の異なる花を組み合わせる場合は、色やサイズで統一感を持たせることが重要です。 例えば、丸みを帯びた花と細長い花を組み合わせる場合、それぞれの花の色味を揃えることで、アレンジメント全体が調和しやすくなります。 また、異なる形状の花を配置する際には、それぞれの花が引き立つように配置することが重要です。 丸い花の間に細長い花を配置することで、お互いの形状が際立ち、視覚的なバランスが取れます。 このように、形状の異なる花を組み合わせる際には、全体の調和を保つ工夫が求められます。
綺麗なフラワーアレンジメントを作るコツ
花はかたちによって、デザイン上の分類がされています。この分類を意識するとアレンジがしやすくなりますし、フラワーアレンジメント全体のバランスを整えることにも繋がります。花のかたちに関する知識はフラワーアレンジメントを上達させるために、必要不可欠な要素の1つです。 また、アレンジのメインとなる花を「フォーカルポイント」と呼びます。フォーカルポイントに向いている花もかたちによって向き不向きが決まっています。そのため、花の特徴をおさえてメインの花を選ぶようにしましょう。メインの花選びは、フラワーアレンジメントの工程なかでもとくに重要です。
花の特徴
花には、かたちによる分類が4つあります。それぞれ「ラインフラワー」「マスフラワー」「フォームフラワー」「フィラーフラワー」と呼ばれています。それぞれの特徴について確認しましょう。 なお、この分類を意識しながらプロの作品を観察すると、花の特徴を上手に生かしてフラワーアレンジメントを作っていることがよくわかりますよ。
ラインフラワー
ラインフラワーは長い茎の穂に花が咲く花です。線が特徴的であるため、アレンジの高さや幅を決めたり、アウトラインを決めたりする際に使います。また、線を生かすだけでなく、切り分けてアレンジすることも可能です。 【例】 スイートピー、ストック、フリージア、ベアグラス、ミスカンサス、フトイ、アイビーなど └フォームフラワー フォームフラワーは花びらが1枚でも欠けるとかたちが変わってしまう形態の花です。かたちが特徴的で1本でも存在感があるため、フォーカルポイントに適しています。 【例】 花:カトレア、ユリ、カラー、デンファレ、チューリップ、胡蝶蘭、モンステラ、クッカバラ、ゲイラックスなど。
マスフラワー
マスフラワーは花弁が集まって1つの花ができている、丸くてかわいらしいかたちをした花です。アレンジのメインとなる花で、フォームフラワーを使用しないときはマスフラワーをフォーカルポイントとして使用します。 【例】 花:ばら、くちなし、アネモネ、ひまわり、ガーベラ、芍薬、ラナンキュラス、レザーファン、レモンリーフ、ドラセナなど
フィラーフラワー
フィラーフラワーは1つの茎から枝分かれした先に小花をたくさんつける花です。花と花の隙間を埋めて全体を調和させたり、立体感を出したりする役割を果たします。 【例】 かすみ草、ライスフラワー、ホワイトレースフラワー、アスパラガス、ピットスポルム、アイビーなど
花のタイプを生かすフラワーアレンジメントのコツ
フラワーアレンジメントでそれぞれの花の特徴を生かしたアレンジをするためには、手順にもいくつかコツがあります。花のタイプに着目したフラワーアレンジメントの手順を紹介します。
底辺にグリーンを入れる
はじめに、底面にグリーンを入れます。グリーンはオアシス(花を挿して使用する、吸水性のスポンジ)を隠す役割を果たします。最後に調整をするため、だいたいの位置に置けばOKです。
ラインフラワーでアウトラインを決める
次に、ラインフラワーで高さ、幅、奥行きを決めます。これを基準にしてほかの花の配置を行っていくため、ラインフラワーの配置はとくに丁寧に行いましょう。ラインフラワーをうまく配置すれば、使う花が少なくても作品全体を大きく見せることも可能です。
ラインの内側にマスフラワーを入れる
ラインフラワーで決めたラインを壊さないよう、全体を見ながらマスフラワーを入れていきます。マスフラワーは華やかで目立ちやすいため、バランスが重要です。フォームフラワーを入れない場合は、フォーカルポイントにするマスフラワーも配置します。
フォームフラワーでフォーカルポイントを入れる
マスフラワーを入れ終えたら、フォームフラワーでフォーカルポイントを作ります。フォームフラワーを入れるだけで雰囲気が一気に変わります。作品のメインとなる部分であり、バランスや色使いがとくに重要な部分です。
フィラーフラワーで全体のかたちを整える
フィラーフラワーを使用する場合は、最後に全体を見てバランスを整えながら入れていきます。花と花の間に空間があれば、それを埋めるようにして入れましょう。
花のタイプを生かすための注意点
花の特徴を効果的に生かすためには、注意すべきポイントもいくつかあります。花のかたちにこだわるのはフラワーアレンジメントにとって大切なことですが、臨機応変にアレンジを楽しみましょう。
花のかたちの応用
基本的に、花の特徴を生かしたフラワーアレンジメントを作るには、先ほど確認した流れで花を配置していきます。とはいえ、必ずしも4種類すべてのタイプの花を入れなければいけないというわけではありません。 たとえば、プロが作ったフラワーアレンジメントでも、マスフラワーを使って、ラインフラワーの代わりにアウトラインを作ったり、フォームフラワーのかわりにフォーカルポイントを作ったりすることはよくあります。また、ラインフラワーを切り離してマスフラワーのように使うこともあります。実際に手元にある花の状態をよく観察して、オリジナルのフラワーアレンジメントを楽しみましょう。 手元の花が少なくても使い方を工夫すれば、もとの花のかたちにとらわれず綺麗なフラワーアレンジメントを作ることができます。
花の向きを考える
一見どこから見ても同じだと思われがちな花にも、向きがあります。花をよく観察して、いちばん綺麗な向きを探すようにしましょう。フラワーアレンジメントでは花の向きも全体のバランスを整える際には、とても重要なポイントになります。 イメージする方向に向いていない花は、無理に向きを変えてはいけません。強い力で引っ張ったり、曲げたりすると、花弁が破けてしまうため絶対にNGです。花の配置を変えるか、ほかの花を置いてバランスを整えることを検討してください。花は生き物であるため、同じ花でもかたちは1つ1つ違うということを覚えておきましょう。
花の特徴を生かすのがフラワーアレンジメントのコツ
花にはかたちによって、さまざまなデザイン的効果を発揮します。これを意識することが、フラワーアレンジメントを上手に作るコツです。
フラワーアレンジメントのプロも、花の特徴を生かすことで綺麗なフラワーアレンジメント作り上げています。アレンジメントを参考にするときは、使われている花の役割について考察するのがおすすめです。花のかたちと使い方の関係がわかってくると、花の選び方も上手になっていきます。
仮に手持ちの花の種類が少なくても、切り方や並べ方を工夫すれば華やかで印象的なフラワーアレンジメントを作ることが可能です。フラワーアレンジメントでは、それぞれの花の特徴を生かすことを念頭にデザインを考えてみましょう。
まとめ
フラワーアレンジメントの成功は、花の特性を理解し、それぞれの役割を巧みに活かすことにあります。 ラインフラワーが高さを強調し、マスフラワーが視覚的な焦点を作り、フィラーフラワーが調和をもたらします。 これらの要素をバランスよく組み合わせることで、アレンジメントは一層魅力的に仕上がります。 花の選び方や配置の工夫によって、個性豊かで洗練されたデザインを楽しむことができるでしょう。
- 通信講座のSARAスクール編集部
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心理カウンセラー資格やリンパケアセラピスト等の体系資格、食育資格などを扱うSARAスクール編集部が運営するコラムです。主に女性向けのキャリアアップやスキル習得を目的とした講座が多く、家事や育児と両立しながら学べる環境が整っています。資格取得を目的とした講座も充実しており、仕事や日常生活に活かすことが可能です。