ガーデニングの土選びと土のつくり方とは?種類や方法!
記事更新日:2024年10月21日ガーデニングで美しい花を咲かせたり、健康な野菜を育てたりするためには、土作りが最も重要な要素の一つです。
土壌の質が植物の成長に直接影響を与えるため、適切な土を選び、整えることが成功への第一歩となります。
ガーデニングを始めれば、美しい花や緑を思いきり楽しむことができます。とはいえ、ガーデニングで重要なのは、そういった植物だけではありません。植物はよい土があってこそしっかり育つことができます。それぞれの植物によって合う土は異なることもあるので、植物を植える前によく確認しておくことが必要です。
土にはいろいろな種類があるので難しそうだと感じるかもしれません。しかし、コツさえ掴んでしまえば簡単です。今回は、ガーデニングの土選びや土の作り方について説明します。
目次
ガーデニングで必要な土作りの基本
ガーデニングを成功させるためには、まず土作りの基本を理解することが重要です。 植物の健康や成長は、土の質に大きく依存しており、適切な土壌環境を整えることが、美しい庭や豊かな収穫を実現する鍵となります。 理想的なガーデニングの土とは何か、その基礎について解説していきます。
理想的なガーデニングの土とは
理想的なガーデニングの土は、植物が健やかに育つための条件を満たすものでなければなりません。 植物の根は、土から水分や栄養分を吸収するため、土の質が植物の成長に直接影響を与えます。 ここでは、理想的な土が持つべき要素について詳しく解説します。
健全な植物のための土の役割
土は単なる栄養の供給源にとどまらず、植物の成長を支える重要な役割を果たしています。 まず、土は植物にとっての支えとなり、根を固定する役割を果たします。 適切な土壌がないと、植物は強風や雨で倒れやすくなり、根の成長も阻害される可能性が高いです。 次に、土は植物に必要な水分を保持し、適度な排水性を持つことで過剰な水分を排出します。 これにより、根腐れの防止が可能となり、植物が必要とする水分を効果的に吸収できる環境を提供します。 さらに、土は微生物の住処ともなり、これらの微生物が有機物を分解して栄養分を植物に供給する役割を果たしています。 微生物の活動が活発な土壌は、肥沃で栄養豊富な環境の維持に有効です。
ガーデニングを始める前に知っておくべき土の知識
ガーデニングの成功には、土の種類や特性を理解することが不可欠です。 植物が健康に育つためには、土のpH値、質感、構造などが重要な要素となります。 例えば、酸性土壌が好まれる植物もあれば、中性やアルカリ性の土壌が適している植物もあります。 そのため、ガーデニングを始める前に、栽培する植物に適した土のpHを確認し、それに応じて土壌を調整するようにしましょう。 また、土の質感も植物の成長に大きく影響します。 砂質土は排水性が高く、根が呼吸しやすい環境を提供しますが、水分や栄養分の保持力が低い傾向があります。 一方、粘土質土は水分や栄養分を保持する力が強いですが、排水性が悪くなりがちです。 理想的な土は、これらの特性をバランスよく持ち合わせたローム質土であり、ガーデニングに最適とされています。 さらに、土壌の構造も考慮する必要があります。 土が固まりすぎると、根の成長が妨げられ、酸素供給が不足することがあります。 逆に、土が緩すぎると、水分や栄養分が保持できず、植物が十分に育たない可能性が高いです。 これらの問題を防ぐためには、適度な土の改良が必要です。 堆肥や腐葉土を加えることで、土壌の構造を改善し、植物にとって最適な成長環境を作り出せます。
ガーデニングに最適な土の条件
ガーデニングを成功させるためには、植物が健康に育つための最適な土を選ぶことが重要です。 植物が根を張り、成長するためには、土の質が大きな影響を与えます。 特に注目すべき条件は、適切な排水性と保肥性です。 これらの条件が整っていれば、植物はストレスを感じることなく、健全な成長を遂げられます。 ガーデニングにおける理想的な土の条件について、詳しく解説していきます。
適切な排水性の重要性
排水性は、ガーデニングの土を選ぶ際に考慮すべき最も重要な要素の一つです。 土が適切な排水性を持っているかどうかは、植物の根が健康に成長するか否かを大きく左右します。 ここでは、排水性が植物の健康に与える影響と、その改善方法について詳しく解説します。
排水性が悪い場合の影響と改善方法
排水性が悪い土は、水が土中に滞留しやすくなり、根腐れの原因となります。 根が常に水に浸かっている状態では酸素不足に陥り、植物は窒息状態に陥ってしまいます。 これが続くと、根が腐り始め、最終的には植物全体が枯れてしまう可能性が高いです。 また、排水性が悪いと、病害虫の発生リスクも高まります。 過剰な湿気は、カビや菌類が繁殖する温床となり、植物に感染症を引き起こすことがあります。 排水性の改善には、いくつかの方法があります。 まず、砂や小石を土に混ぜることで、土壌の通気性を向上させ、水の流れを促進することが可能です。 特に粘土質の土壌は水はけが悪い傾向があるため、砂や小石を適度に混ぜることで排水性を改善できます。 さらに、堆肥や腐葉土を加えることで、土壌の構造を改善し、通気性と排水性を向上できます。 プランターや花壇の底に排水用の穴を設け、鉢底石を敷くことも、効果的な排水対策です。
保肥性の高い土の選び方
保肥性とは、土がどれだけの栄養分を保持できるかを示す重要な特性です。 植物が必要とする栄養素が効率よく土壌に保持され、適切なタイミングで供給されることは、植物の健康と成長に直結します。 次に、保肥性の高い土の特徴と、それをさらに高めるための工夫について解説していきます。
植物に必要な栄養を保つ土の特徴
保肥性の高い土は、栄養分を保持し、植物が必要とするタイミングで徐々に放出する能力を持っています。 このような土は、有機物が豊富に含まれており、微生物の活動が活発であることが特徴です。 微生物は有機物を分解し、植物が吸収しやすい形に変えることで、栄養供給を助けます。 例えば、堆肥や腐葉土が含まれた土は、保肥性が高く、植物にとって理想的な環境を提供します。 また、保肥性の高い土は、クレイ(粘土)成分を適度に含んでいることも特徴です。 クレイは微細な粒子から成り、肥料成分を吸着し保持する能力があります。 これにより、栄養分が雨や灌水によって流失するのを防ぎ、長期間にわたって植物に栄養を供給できます。
保肥性を高めるための工夫
保肥性を高めるためには、定期的に有機物を土に加えることが有効です。 堆肥や腐葉土を土に混ぜることで、土壌の有機質含量を増やし、微生物の活動を促進します。 有機物が分解される過程で、栄養分が土に供給されるため、植物にとって豊かな栄養源となります。 さらに、緩効性肥料の使用も効果的です。 緩効性肥料は、長期間にわたって徐々に栄養を放出するため、土壌中の栄養バランスを維持しやすくなります。 また、肥料の過剰投与を防ぐことで、土壌の塩分濃度の上昇を防ぎ、植物の健康を保てます。
ガーデニング用土の種類とその特徴
ガーデニングを成功させるためには、適切な土の選択が重要です。 土は植物の成長に直接影響を与える要素であり、その特性や種類に応じて選ぶことが、健康で美しい植物を育てる鍵となります。 土の分類とその特性に基づいた選び方、さらに一般的に使用されるガーデニング用土の種類とその用途について詳しく解説していきます。
土の分類と特性に基づく選び方
ガーデニングに使用される土は、その特性に応じてさまざまな分類が存在します。 土の特性は、水はけの良さや栄養保持能力など、植物の成長に大きく影響を与えるため、目的や育てる植物に合った土を選ぶことが重要です。 まずは、ガーデニング初心者でも理解しやすい土の選択基準について解説します。
ガーデニング初心者向けの土の選択基準
初心者にとって、どの土を選べば良いのか迷うことが多いでしょう。 基本的には、購入時に「培養土」として売られているものが最も手軽で便利です。 培養土は、すでに必要な栄養分やpHが調整されており、そのまま植物を植えられるため、初めてのガーデニングに最適です。 また、初心者は「オールパーパス培養土」や「多用途培養土」といった名称の土を選ぶと良いでしょう。 これらの土は、さまざまな種類の植物に適しており、特に花や野菜の育成に向いています。 初心者が育てる植物の多くは、このような汎用的な培養土で十分に育てることが可能です。 さらに、排水性が良く、保水性も兼ね備えたローム質土(砂、シルト、粘土がバランス良く混ざった土)は、初めてのガーデニングにも適していると言えます。 植物の根が健全に育つためには、適度な水分と空気が必要であり、ローム質土はその両方を提供します。
一般的なガーデニング用土の種類と用途
ガーデニング用土には、様々な種類があり、それぞれに特定の役割や用途があります。 特にピートモス、パーライト、バーミキュライトなどは、土壌改良材として広く利用されており、植物の健康な成長を促進します。 これらの土の特徴と、それらがどのようにガーデニングに役立つのか、詳しく解説します。
ピートモス、パーライト、バーミキュライトなどの役割
ピートモスは、ガーデニングで非常に一般的に使用される有機材料です。 主にミズゴケから作られ、非常に軽量で、優れた保水性と通気性を持っています。 ピートモスは、特に酸性土壌を好む植物に適しており、土壌のpHを下げるのに有効です。 また、土壌の構造を改善し、根の成長を助けるため、種まきや苗の育成にも広く利用されています。 パーライトは、火山岩を高温で処理して作られる無機質の材料で、非常に軽量でありながら優れた排水性と通気性を持っています。 パーライトを土に混ぜることで、土壌の通気性が向上し、根腐れを防ぐのに効果的です。 これにより、根が酸素を十分に取り込みやすくなり、植物の健全な成長を促進します。 バーミキュライトは、鉱物を高温で膨張させたもので、保水性に優れています。 バーミキュライトを土に混ぜることで、土壌の保水性が高まり、乾燥を防ぐことが可能です。 また、肥料分を保持し、必要に応じて植物に供給する能力も持っています。 そのため、乾燥しがちな環境や、保水性が必要な植物に適しています。
有機質土と無機質土の違いと選び方
有機質土は、植物や動物の遺骸からできた有機物が豊富に含まれている土です。 腐葉土や堆肥などが代表的な有機質土であり、微生物が活発に活動することで、栄養豊富な環境を提供します。 有機質土は、特に栄養が必要な植物や野菜の育成に適しています。 一方、無機質土は、鉱物成分が主成分で、有機物をほとんど含まない土です。 パーライトやバーミキュライト、砂などがこれに該当します。 無機質土は、通気性や排水性を重視する場合に使用され、特に多肉植物やサボテンなど、乾燥に強い植物に適しています。 選び方としては、育てる植物の特性やガーデニングの目的に応じて、適切な土を選ぶことが重要です。 有機質土と無機質土を組み合わせて使用することで、保水性と通気性をバランス良く保つことができ、さまざまな植物の育成に対応できます。
プランターでの土入れのコツとステップ
ガーデニングを楽しむ際、プランターでの植物栽培は手軽で人気があります。 しかし、プランターでの栽培でも適切な土入れが重要であり、植物の健康な成長に欠かせません。 プランターに適した土の準備から土を入れる手順まで、正しい方法を理解することで、植物が元気に育つ環境を整えられます。 ここでは、プランターでの土入れのコツと具体的なステップについて詳しく解説します。
プランターに適した土入れの準備
プランターでの土入れを始める前に、必要な道具を準備し、適切な土を用意することが重要です。 土入れの準備が整っていないと、植物の成長を妨げる原因になりかねません。 土入れの際に必要な道具と準備すべきものについて解説していきます。
必要な道具と準備すべきもの
プランターでの土入れには、いくつかの基本的な道具が必要です。 まず、スコップや手先が小さいガーデニング用のスプーンがあると、土をプランターに入れる際に便利です。 これにより、土を均等に入れることが容易になります。 次に、手袋も用意しておくと良いでしょう。 手が汚れるのを防ぐだけでなく、手を保護する役割も果たします。 また、プランター自体も重要な要素です。 使用するプランターは、植物の根が十分に広がることができる深さと幅があるものを選びます。 プランターの材質も考慮に入れましょう。 プラスチック製のプランターは軽量で移動が簡単ですが、陶器製やテラコッタ製のプランターは通気性が良く、根にとって健全な環境を提供します。 土の選択も準備の一部です。 ガーデニング用の培養土は、多くの場合、必要な栄養素がすでに含まれており、排水性と保水性のバランスが取れています。 これに加えて、必要に応じてピートモス、パーライト、バーミキュライトなどの土壌改良材を用意すると、土の特性を調整できます。
プランターに土を入れる手順と注意点
土入れの準備が整ったら、次は実際にプランターに土を入れる手順について考えましょう。 正しい手順を守ることで、植物の根が健やかに成長できる環境を整えられます。 ここでは、プランターの底の準備と、土を均等に入れるためのテクニックについて詳しく解説します。
プランターの底の準備と適切な排水方法
プランターに土を入れる際、最初に行うべきことは、プランターの底を適切に準備することです。 多くのプランターには、底に排水穴が設けられていますが、これだけでは排水が不十分な場合があります。 排水を確保するために、プランターの底に鉢底石を敷くと良いでしょう。 鉢底石は水はけを良くし、土が排水穴を塞ぐのを防ぐ役割を果たします。 鉢底石を敷いた後、その上に通気性の良い不織布やメッシュシートを敷くことも効果的です。 これにより、土が鉢底石の間に入り込むのを防ぎつつ、余分な水分が効果的に排出されるようになります。 この準備を行うことで、根腐れのリスクを減少させ、植物の健康を保つことができます。
土を均等に入れるためのテクニック
プランターの底の準備が整ったら、次に土を均等に入れるステップに進みます。 土を均等に入れることは、植物の根がまんべんなく広がるために重要です。 まず、土を少しずつプランターに入れながら、スコップやスプーンで軽くほぐします。 これにより、土が固まりにくくなり、根がスムーズに広がります。 土を入れる際は、一度に大量の土を入れるのではなく、数回に分けて入れると良いでしょう。 土を入れた後は、軽くプランターを揺すったり、土を手で均して均等にしたりすることを心がけます。 また、土の表面を軽く押さえて整えることで、植物を植えた際に根がしっかりと固定されやすくなります。 最後に、土を入れたプランターは、しっかりと水を与えて土を落ち着かせます。 この時、排水がスムーズに行われているか確認することも忘れずに行いましょう。 これにより、プランターでの土入れの作業は完了です。
花壇での効果的な土作りの方法
美しい花壇を作るためには、適切な土作りが不可欠です。 土作りは、植物が健康に育つための基盤を整える重要な作業です。 花壇の土壌を適切に整えることで、植物の成長を促進し、鮮やかな花を咲かせられます。 花壇での効果的な土作りの方法について、基礎知識と具体的なステップを詳しく解説していきます。
花壇の土作りに必要な基礎知識
花壇の土作りを始める前に、基本的な知識を理解することが大切です。 土の状態や質は、植物の成長に直接影響を与えるため、土の特性やその改善方法について知っておく必要があります。 ここでは、土の掘り返しと混合の重要性について解説します。
土の掘り返しと混合の重要性
土の掘り返しは、花壇の土作りにおいて基本的かつ重要な作業です。 掘り返しを行うことで、土壌が柔らかくなり、根が伸びやすくなります。 さらに、掘り返すことで土中の空気が循環し、酸素が供給されることで、微生物の活動が活発になります。 これにより、土壌の有機物が分解され、植物に必要な栄養素が供給されやすくなります。 また、掘り返しと同時に土を混合することも重要です。 花壇に異なる種類の土や有機質材料を混ぜることで、土壌の質を向上できます。 例えば、砂質の土には堆肥を混ぜて保水性を高め、粘土質の土には砂やパーライトを加えて排水性を向上させることが可能です。 適切な土の混合によって、植物が求める理想的な土壌環境を整えられます。
花壇の土作りのステップバイステップガイド
花壇の土作りを成功させるためには、計画的な手順が必要です。 土壌を改良し、植物に最適な環境を提供するための具体的なステップを理解することで、初心者でも効果的な土作りが可能になります。 花壇の土壌改良と最適な土壌環境の整え方、そして花壇に適した土壌の種類とその選び方について詳しく解説していきます。
花壇の土壌改良と最適な土壌環境の整え方
花壇の土壌改良は、土の物理的性質と化学的性質を改善することを目的としています。 最初のステップとして、花壇の土を深さ20〜30cm程度掘り返します。 これは、根が十分に伸びるスペースを確保し、土壌の通気性を高めるためです。 掘り返した土に対して、必要に応じて有機質材料(堆肥、腐葉土など)を加えると良いでしょう。 有機質材料は、土壌の構造を改善し、保水性と栄養供給能力を向上させます。 次に、石灰を適量加えることで、土壌のpHを調整します。 多くの植物は中性から弱酸性の土壌を好むため、酸性が強い場合は石灰を加えてpHを中和することが重要です。 ただし、石灰の量が多すぎると逆効果になるため、土壌のpHを測定し、適切な量を加えることが求められます。 最後に、土壌改良が完了したら、土をしっかりと均して表面を整えます。 この際、土の表面を軽く押さえて、根が接触する際にしっかりと支えられるようにすることがポイントです。 改良された土壌は、植物が健康に育つための理想的な環境を提供します。
花壇に適した土壌の種類とその選び方
花壇に適した土壌の選択は、育てる植物の種類や花壇の場所、気候条件によって異なります。 一般的に、花壇にはローム質土が最も適していると言われています。 ローム質土は、砂、シルト、粘土がバランスよく含まれており、保水性と排水性の両方を備えています。 このため、さまざまな種類の植物に対応できる万能な土壌です。 砂質土は、排水性が非常に良く、乾燥に強い植物に適していますが、水分や栄養分がすぐに流れてしまうため、定期的な水やりと肥料の補給が必要です。 一方、粘土質土は保水性と保肥性に優れていますが、排水性が悪く、根腐れの原因になることがあります。 この場合、砂や有機質材料を加えて、排水性を向上させることが推奨されます。 また、特殊な植物を育てる場合には、専用の培養土を使用するのも良い方法です。 例えば、バラ専用の培養土や、ハーブ専用の土など、市販されている専用土を使用することで、特定の植物の成長を最大限に引き出せます。 これらの知識と手順を活用することで、花壇に適した土壌を作り、植物が元気に育つ美しい庭を実現できます。 適切な土壌環境を整えることは、ガーデニングの成功の鍵となります。
ガーデニングの土作りとは?
ガーデニングでの土づくりには、さまざまな役割があります。しっかりした土を用意することによって、植物が根をしっかり張れるようにしたり、根に必要な栄養や水分を与えたりすることができます。土はこのように、植物を内側と外側の両方から支える役割を果たしています。ガーデニング用の土としてはさまざまな種類があるため、それぞれの植物に合うように土を作ることで、自然界に近い環境に整えることが可能です。植物の育成に適した状態を作ることで、より美しく植物を成長させることができます。
ガーデニングに適した土の条件
ガーデニングに適した土の条件としては、どの植物にも共通する内容がいくつかあります。ガーデニングの土づくりの基本となることばかりなので、ガーデニングを始める前に一通り頭に入れておくとよいでしょう。
排水性
植物は、排水性の高い土を好むことが多いです。排水性が高いということは水はけがよいということであり、土が乾きやすいということになります。土が乾きやすければ、新しくて新鮮な水を多く取り入れることが可能になるのです。水は潤いを与えるだけでなく、肥料となる成分を溶かし、植物に浸透させる効果もあります。
保肥性
保肥性は、肥料となる成分を蓄えたり、土そのものが肥料の成分となったりすることを示しています。堆肥や腐葉土は、微生物が寄ってきやすい土であるため、保肥性が高い土だということができます。
ガーデニング用の基本的な土の種類
ガーデニングに使用する土には、さまざまな種類が存在します。それぞれの大まかな特徴をおさえることで、ガーデニングの土づくりを適切に行いましょう。
土の特性による分類
ガーデニングに使用する土は、大きく分けて「基本用土」「補助用土」「培養土」の3つです。基本用土とは、主体となる土のことで全体の5割以上を占めるものです。基本用土をよりよい状態に整えるために使用するのが、補助用土です。そして、基本用土や補助用土、肥料などを合わせて植物に合った状態に調整した土のことを培養土と呼びます。
土の種類
ガーデニングに使用する土には、さまざまな種類があります。ここでは、そのうちのいくつかについて特徴を紹介します。
*赤玉土
赤玉土は、何層にも重なった火山灰を乾燥させた土のことです。関東ローム層で採取します。赤みがかった色をしており、粒状になっています。水はけがよく、肥料のもちがよいのが特徴です。ほとんどの植物に対して使用することができる万能な土です。
*鹿沼土
鹿沼土は、赤玉土と同じように関東ローム層で採取することができます。主に、栃木県の鹿沼地方で採取されます。やや黄色を含んだ白っぽい色をした軽石で、粒状なのが特徴です。酸性の土を好む植物に対して使用します。
*日向土
日向土は、宮崎県南部などで採取することができます。日向土のうち、湿っているものは「ボラ土」と呼ばれることもあります。日向土は固いので、長い時間が経っても粒が潰れにくいです。単体で使用されることもありますが、補助用土として使われることも多いです。細かい小さな穴が開いているため、養分を保ちやすいのもポイントだといえます。赤玉土や鹿沼土との相性がよいです。
*黒土
黒土は、火山灰の1種です。関東ローム層の表層から採取されます。枯れた植物と火山灰が混ざり合ってできているため、養分を豊富に含んでいます。土がやわらかいのが特徴で、根菜類など野菜の栽培によく利用されています。赤玉土と混ぜることもあります。
*まさ土
まさ土は、花崗岩が風化して砂状になったもののことをいいます。粘土質で、栄養はほとんど含まれていません。ガーデニングに使用する際は、肥料などを混ぜて使用する必要があります。
プランターの土入れ手順
プランターに土を入れるときは、どのように行ったらよいのでしょうか。ここでは、基本的な土入れの手順について紹介します。
プランターの土入れに必要なもの
プランターの土入れを行う際に用意するものは、以下のとおりです。土入れをする前に、全て手元にあるかきちんと確認しておきましょう。
【必要なもの】
・固形肥料 ・培養土 ・ネット状の袋 ・鉢底石 ・鉢底ネット(プランターに穴が開いている場合)
手順
まず、プランターの底を確認し、穴が開いている場合は鉢底ネットを敷きます。底にもともとネットやすのこがついている場合は、敷かなくて構いません。鉢底石をネット状の袋に入れたら、プランターの底が見えなくなる程度に薄く敷きましょう。その上から培養土を入れ、固形肥料を混ぜていきます。土は、プランターのふちよりも少し下のあたりまで入れます。
花壇の土づくり手順
花壇の土は、プランターに比べるとあまり入れ替えることがありません。そのため、最初の土づくりがその後の花壇の花の生育に大きな影響を与えることになります。 └花壇の土づくりに必要なもの 花壇の土づくりでは、複数の肥料を数回に分けて土に混ぜていきます。そうすることで、より豊かな土を作ります。花壇の土づくりに必要なものは以下のとおりです。
【必要なもの】
・苦土石灰 ・腐葉土 ・堆肥
手順
花壇の土づくりを行う際は、数週間かけてじっくり行う必要があります。植え付けを行う2週間ほど前になったら土を掘り返して耕しておきましょう。そのうえで、雑草や小石などもきれいに取り除いておきます。1㎡あたり100~120gの割合で苦土石灰を混ぜます。その状態で1週間ほど寝かしておきましょう。1週間が経過したら、腐葉土や堆肥を混ぜてさらに土を寝かせます。植え付けの当日になったら、肥料を足してさらによく混ぜてください。
ガーデニングは土が重要!植物を支えられる土を選んで
ガーデニングを行うなら、花の種類だけでなく、土にも気を配るようにしましょう。土の種類はとても豊富ですが、それぞれの使用方法はほとんど決まっています。植えたい花に合う土や肥料が分からないという場合には、園芸店などで質問すれば、適切なものを教えてもらうことが可能です。植物に合わない土を選んでしまうと、植物がきちんと育たなくなってしまう可能性もあるため注意しましょう。
なお、植物をプランターに植えるのか、それとも直接、花壇に植えるのかによっても、土づくりの方法は変わってきます。プランターに植物を植える際は、根の大きさとプランターのサイズが適合するかにも注意した上で、植物に合った土を選ぶことが大切です。また、花壇に植えるなら、2週間程度前から土の準備を始めてしっかり肥料と土を馴染ませておくことが重要です。きちんとした手順を踏むことでこそ、きれいな花を咲かせることが可能になります。土づくりにこだわりながら、素敵な庭づくりに取り組んでみてください。
まとめ
ガーデニングで美しい植物を育てるためには、まず土づくりが重要です。 適切な土壌環境を整えることで、植物が必要とする栄養や水分が効率よく供給され、健やかな成長が促されます。 理想のガーデニングのためには、排水性や保肥性のバランスが取れた土を選び、定期的に土を改良することが不可欠です。 これらの基本を押さえることで、ガーデニングの楽しさが倍増し、見た目にも満足のいく庭を作り上げることができるでしょう。
- 通信講座のSARAスクール編集部
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心理カウンセラー資格やリンパケアセラピスト等の体系資格、食育資格などを扱うSARAスクール編集部が運営するコラムです。主に女性向けのキャリアアップやスキル習得を目的とした講座が多く、家事や育児と両立しながら学べる環境が整っています。資格取得を目的とした講座も充実しており、仕事や日常生活に活かすことが可能です。