フェルティングニードルを使わずに石鹸で代用する方法とは?作り方とコツ
記事更新日:2024年8月27日石鹸を使ってフェルティングニードルなしで手作りフェルティングする方法をご紹介します。
水と石鹸を使って手で生毛氈(なめらかなフェルト生地)を作る簡易的な技法で、材料も身近な物が使えるため初心者でも簡単に挑戦できます。
湿らせた手のぬくもりとマッサージ動作で羊毛を絡め合わせて固めるのがコツです。
時間をかけてゆっくり行えば、ニードルを使わずにも質の高い手作りフェルトを仕上げられますよ。
羊毛フェルトを使うと、優しい雰囲気が魅力的な作品をたくさん作ることができます。とはいえ、羊毛フェルトで作品を作る場合は、フェルティングニードルを使用するのが一般的です。フェルティングニードルは専門的な道具であり、初心者にとっては使い方も難しいと感じられる場合があります。そのような場合でも簡単に羊毛フェルトの作品を作る方法として、石鹸を使う方法があります。
フェルティングニードルを使わずに石鹸で代用する方法とはどのようなものなのでしょうか。今回は羊毛フェルトを石鹸水でまとめる方法について説明します。
目次
代用に必要な材料と道具
代用に必要な材料と道具は以下の通りです。 ・ウール(ロービング) ・石鹸(固形石鹸がおすすめ) ・作品の台になるもの(フェルト、布など) ・作業台 ・はさみ ・濡れタオル こちらを順にご紹介します。
ウール(ロービング)
ロービングは紡績前の羊毛の状態で、繊維がまとまった柔らかい布のようなものです。 ロービングは手芸店や通信販売などで簡単に入手できます。 洗剤の代わりに食器用液体洗剤やシャンプーなどでも代用可能です。 作業には両手を使うことが多いので、作品を置くためのプラスチックの容器やタオル、ラップなども用意すると便利です。 これらの材料と道具があれば、簡単な手順に沿ってフェルト作りを始められます。 初心者でも失敗せずに作品が完成するので、手作りフェルトの魅力を気軽に味わえます。 素敵な作品が仕上がるまで、ゆっくりとマッサージ感覚で取り組んでみましょう。
石鹸(固形石鹸がおすすめ)
中性的で低刺激性の固形石鹸がおすすめです。 固形石鹸は繊維を絡め合わせる際の粘着性があり、羊毛を徐々に固める効果があります。 洗剤の場合、アルカリ成分が羊毛を傷めてしまう可能性があるので、中性の石鹸が適しています。 カステリア石鹸やマリンウィップなどのナチュラルな石鹸がよい選択肢です。 その他に必要な材料は、ロービングと呼ばれる柔らかい羊毛の状態の繊維です。 手芸店や通販サイトなどで入手できます。水も必要不可欠で、あたたかめの水を使うと羊毛が絡みやすくなります。 作業には両手が使えるよう、プラスチックの容器やタオル、ラップなどがあると便利です。 容器に水を張り、石鹸を振り入れて溶かし、そこに羊毛を入れて手でマッサージするように作業します。 材料と道具を用意できたら、ゆっくりとしたマッサージ動作で手作りフェルトを仕上げていきましょう。
作品の台になるもの(フェルト、布など)
一般的には、厚手の布やフェルトなどが適しています。 布地の場合は、綿やウールなどの天然素材がおすすめです。 フェルト生地を使えば、作品の成形がしやすくなります。 台となる素材は、作品を支えて形を保つ役割があり、鹸液の中で羊毛をマッサージしていくと、徐々に羊毛が密着し固まっていきます。 この過程で、台となる素材が作品の形を助けてくれるのです。 また、台の上で作業するため、濡れた手や石鹸液の飛び散りを吸収してくれる効果もあり、作業中の滑り止めにもなり、作品の仕上がりを左右する重要な役割を果たします。 台となる素材は、作品のサイズに合わせて切り取ったり、折り畳んで使うことができ、平らな面が確保できれば、プラスチックの容器の蓋なども代用できます。 材料と道具を整えたら、次は作品作りにチャレンジしていきましょう。
作業台
作業台には、平らで安定した場所が適しています。 テーブルやキッチンカウンター、床でも可能です。作業台は作品のサイズに合わせて用意しましょう。 作業台の上には、濡れた手や石鹸液の飛び散りを吸収するためのタオルやラップを敷きます。 作品が置かれる台となる素材(厚手の布やフェルト生地など)も、作業台の上に準備しておき、作業台の高さは、長時間作業する際の負担を考慮します。 立ったままだと腰が痛くなる可能性がありますので、椅子に座って作業するのがおすすめです。 作業台の材質は、濡れた手でもしっかりと作品を置ける堅牢なものが好ましいです。 木製やプラスチック製のテーブルなどが適しています。 作業台の確保と整備ができたら、次はロービング(羊毛繊維)や石鹸など、その他の材料と道具を用意しましょう。 快適な作業環境が整うことで、フェルト作りの楽しさを最大限に味わえます。
はさみ
はさみは、羊毛のロービングを整えたり、作品の形を整える際に活用します。 ロービングを切り分けて適量を取り出したり、作品の輪郭をきれいに整えるのに便利です。 はさみの選び方としては、シャープで切れ味の良いものが望ましいです。 刃の部分が滑らかで、手に馴染みやすいタイプが扱いやすいでしょう。 金属製のはさみが一般的ですが、プラスチック製のものでも十分な切れ味が期待できます。 また、作品のサイズに合わせて大小のはさみを使い分けると効果的です。 小さな細かい部分を整えるには、小さめのはさみが便利です。 大きな作品を扱う際は、大きなはさみを使うと作業が楽になります。 はさみ以外にも、羊毛をほぐしたりまとめる際に、フォークやスポーンなどの道具を活用するのもよいでしょう。 はさみや付属の道具を上手に使いこなすことで、フェルト作りがより楽しく、素敵な作品が仕上がります。
濡れタオル
濡れタオルは、作品を作る過程で発生する水分や石鹸液を吸収する役割があります。 羊毛をマッサージしていくと、徐々に繊維が絡み合い固まっていきますが、その際に水分が必要不可欠です。 濡れタオルはこの水分を適度に供給してくれます。 また、作品を包み込むように濡れタオルを使うことで、繊維が均一に絡み合うよう成形する効果もあり、タオルの重みと柔らかさが、作品の形を整えてくれるのです。 濡れタオルは、作品の大きさに合わせて複数枚用意するのがよいでしょう。 作品の上下や側面を包み込むように使うと良い仕上がりが期待できます。 タオルは吸水性の高い素材が望ましく、厚手のものが作業に適しています。 毛羽立ちの少ないタオルを選ぶと、作品への付着を最小限に抑えられ、濡れタオルを上手に活用することで、フェルト作りの工程がスムーズに進み、素敵な仕上がりが期待できるでしょう。 ぜひ濡れタオルを活用して、楽しいフェルト作りを楽しんでみてください。
石鹸を使ったニードルフェルトの作り方
石鹸を使ったニードルフェルトの作り方は以下の通りです。 ・ウールを小さくちぎる ・石鹸で摩擦しながら擦り合わせる ・形を作る ・濡れタオルで包んで圧縮する ・繰り返し摩擦して密着させる ・完成後に形を整える こちらを順にご紹介します。
ウールを小さくちぎる
ウールのロービング(繊維状の素材)を手で小さくちぎっていきます。 ロービングを細かく分割することで、後の工程でウールの繊維同士が絡み合いやすくなります。 ちぎるときのコツは、ロービングを軽く引っ張りながら、手の指の間で少しずつ小さな塊に分割し、できるだけ均一な大きさのウール塊を作ることが理想的です。 ロービングをくるくると丸めて、その塊を再度ちぎっていくと効率的です。 ウールを細かくちぎり終えたら、次は石鹸水を使ってフェルティングを行います。 ちぎったウールを石鹸水に浸し、手でマッサージしていき、これによりウールの繊維が絡み合って固まっていきます。 ウールの繊維を細かく分割する工程は、ニードルフェルトの仕上がりを左右する重要なステップです。 丁寧に行うことで、滑らかで密度の高いフェルトが完成します。
石鹸で摩擦しながら擦り合わせる
ちぎったウールを水と石鹸液が入った容器に入れ、水の量はウールをしっかりと覆える程度が適切です。 石鹸は中性石鹸を使うと良いでしょう。 次に、手のひらでウールを優しくマッサージするように擦り合わせていきます。 この時、手のひらを上下左右に動かしながら、ウールの繊維同士が絡み合うよう圧をかけていきます。 擦り合わせる際のコツは、強すぎず優しい力加減を心がけることです。 強すぎるとウールが潰れてしまうため、やさしい力で丁寧に行うのがポイントです。 擦り合わせを繰り返すことで、ウールの繊維がどんどん絡み合っていき、やがてフェルトの固まりが出来上がっていき、この工程を5分から10分ほど続けると、ウールが固くなってきます。
形を作る
擦り合わせによってウールの繊維が絡み合って固まってきたら、次は作品の形を整えていき、この工程では、濡れタオルを使ってウールを包み込むように成形していきます。 まず、固まったフェルトの塊を濡れタオルの上に置き、そして、タオルを使ってフェルトを優しく押し付けながら、手のひらで形を整えていきます。 フェルトの形を作る際のコツは、タオルの中に入っているフェルトをつまんで引っ張ったり、押し付けたりして、徐々に目的の形に成形していくことです。 この工程では、フェルトが固まりすぎていないうちに形づくりを行うと効果的です。 固まりすぎると形を整えるのが難しくなるため、擦り合わせ時よりも早めに形づくりに取り組むのがよいでしょう。
濡れタオルで包んで圧縮する
擦り合わせによってフェルト化が進んだウールの塊を濡れたタオルの上に置き、タオルは水を含ませて適度に濡らしておきます。 次に、濡れタオルを使ってフェルトの塊を包み込むように覆います。 タオルの端を内側に折り込むように巻き付けていきます。この時、タオルが全体を包み込むように丁寧に行い、包み込んだタオルの上から手のひらで優しく押し付けるように圧力をかけていき、この圧縮によってフェルトの形が整えられ、繊維同士の絡み合いも強化されるでしょう。 圧縮する際は、フェルトが完全に固まりきる前に行うのがポイントです。 固まりすぎるとタオルで形を整えるのが難しくなります。 数分間、タオルの中のフェルトを圧縮し続けましょう。 フェルトが十分に固まってきたら、タオルから取り出して最終的な形を整えると完成です。 濡れタオルを使った圧縮工程は、ニードルフェルトの仕上がりを左右する大切な工程です。
繰り返し摩擦して密着させる
ウールを小さくちぎって水と石鹸が入った容器に入れます。 ウールは水で十分に覆われる程度の量が適切です。 次に、手のひらで優しくウールを押し付けるように、上下左右に動かしながら擦り合わせていき、この擦り合わせを5分から10分ほど続けることで、ウールの繊維が絡み合い始めます。 擦り合わせる際のコツは、強すぎず丁寧な力加減を心がけることです。 強すぎるとウールが潰れてしまうため、やさしい力で丁寧に行うのが重要です。 擦り合わせを繰り返すことで、ウールの繊維がどんどん絡み合っていき、やがてフェルトの固まりが出来上がっていき、この工程を続けると、ウールが徐々に固くなっていきます。
完成後に形を整える
完成したフェルトの塊を濡れタオルの上に置き、タオルは水を含ませて適度に濡らしておきます。 次に、濡れタオルを使ってフェルトの塊を包み込むように覆い、タオルの端を内側に折り込むように巻き付けていき、この時、タオルが全体を包み込むように丁寧に行います。 包み込んだタオルの上から手のひらで優しく押し付けるように圧力をかけ、この圧縮によってフェルトの形が整えられ、繊維同士の絡み合いも強化されるでしょう。 圧縮する際は、フェルトが完全に固まりきる前に行うのがポイントです。 固まりすぎるとタオルで形を整えるのが難しくなります。 数分間、タオルの中のフェルトを圧縮し続けましょう。 フェルトが十分に固まってきたら、タオルから取り出して最終的な形を整えると完成です。 濡れタオルを使った圧縮工程は、ニードルフェルトの仕上がりを左右する大切な工程です。
コツとアドバイス
コツとアドバイスは以下の通りです。 ・石鹸の選び方 ・水の温度の調整 ・摩擦の強さ ・形を整えるタイミング こちらを順にご紹介します。
石鹸の選び方
石鹸の種類としては、中性石鹸がおすすめです。 アルカリ性の強い石鹸を使うと、ウールの繊維が傷んでしまう可能性があります。 一方、中性石鹸は繊維に優しく、フェルトの仕上がりも滑らかになります。 石鹸の成分も確認しましょう。 植物油脂を主原料とした石鹸がよい選択肢です。 動物性脂肪由来のものは、ウールの繊維を傷めやすいので避けるのがよいでしょう。 また、無添加や低刺激性の石鹸を選ぶと、肌への負担も少なくなり、手作業で長時間作業する際は、手肌への配慮も必要です。 さらに、固形石鹸よりも液体石鹸の方が扱いやすいという意見もあり、液体石鹸は適量を水に溶かして使えるので、作業中の濃度調整が簡単です。 石鹸の選び方のポイントは、ウールの繊維を傷めにくく、肌への刺激も少ない中性の植物油脂製品を選び、適切な石鹸を使うことで、ニードルフェルト作品の仕上がりが大きく変わってきます。
水の温度の調整
最適な水の温度は35〜40度前後が理想的です。 この温度帯の温かい水は、ウールの繊維を優しく扱うことができ、フェルトの密度を適度に高めることができます。 一方、水が冷たすぎると繊維が固まりづらく、逆に熱すぎると繊維が傷んでしまう可能性があり、両極端な温度は避けるようにしましょう。 作業中は、水の温度が低下しないよう気をつける必要があり、容器に温かい湯を足したり、電気ポットを使って温かい状態を維持するのがコツです。 また、ウールを水に入れる際も、水の温度に合わせて徐々に慣らしていくと良いでしょう。 急激な温度変化はウールの繊維を痛めてしまうことがあります。 水の温度管理は手間がかかりますが、丁寧に行うことでより質の高いフェルト作品を仕上げることができます。 温かすぎず冷めすぎない、ちょうどいい温度設定を心がけましょう。
摩擦の強さ
ニードルを上下に素早く刺し続けることが基本です。 ニードルの動きが遅いと、ウールの繊維を十分に絡めることができません。 一方で、あまりにも速く刺し続けると繊維が傷んでしまう可能性があります。 適切な速度感は、1秒間に50回程度の刺し込みが目安です。 最初は50回を超えないように心がけ、徐々に慣れていきましょう。 また、ニードルを押し込む強さも重要です。 強すぎると繊維が損傷し、弱すぎるとフェルトが固まりにくくなり、ニードルを水平に保ちつつ、適度な力を加えるのがよいでしょう。 さらに、ウールを上下左右に動かすことで、より強い摩擦をかけることができ、ウールの動きを沿わせるように、ゆっくりと上下左右に動かしていきます。 摩擦の強さのバランスを見極めるには、試行錯誤が必要です。 最初は弱めから始めて、徐々に強さを調整していくのがコツです。 適切な摩擦により、しっかりとしたフェルト作品が完成します。
形を整えるタイミング
フェルト化が一定程度進んでから形を整えるのがよいでしょう。 フェルト化が不十分な状態で形を整えると、作品が変形してしまう可能性があります。 目安としては、ニードルで50回程度刺し込んだ時点で、形を整え始めるのがよいでしょう。 この時点では、ウールの繊維がある程度絡まり始めた状態になっているため、形を保ちやすくなります。 形を整える際は、ゆっくりとしたタッチで行うことが重要です。 フェルトはまだ柔らかい状態なので、強く押し付けすぎると傷んでしまい、指先で優しく押し合わせるように、少しずつ形を調整していきましょう。 また、乾燥が進んでから最終的な形を整えるのも良いアプローチです。 フェルト化が進み、ある程度固まってきたら、最終的な形に調整していきます。 こうした形整えのタイミングと手順を意識することで、理想通りの形状の作品を仕上げることができ、フェルト化の状態を見極めながら、丁寧に形を整えていきましょう。
応用アイデア
応用アイデアは以下の通りです。 ・複数の色を組み合わせる ・他の素材を組み合わせる ・立体的な作品を作る こちらを順にご紹介します。
複数の色を組み合わせる
使用するウールの色を組み合わせて効果的なコントラストを作り出すことが重要です。 例えば、補色関係にある色同士を組み合わせると、よりダイナミックな仕上がりになります。 また、同系色でも濃淡を付けることで奥行きのある作品が作れます。 次に、色を重ね合わせる技法を使うと、多様な色彩表現が可能になり、ウールの繊維をそのまま重ね合わせたり、部分的に混ぜ合わせたりすることで、滑らかな色の変化や濃淡のグラデーションを表現できるでしょう。 さらに、部分的に別の色のウールを挿入したり、抜き取ったりする応用技術を使うことで、一層複雑な色彩表現ができます。 このように、色の組み合わせや重ね合わせ、部分的な色の変化など、様々な手法を組み合わせることで、より深みのある作品を制作できるでしょう。 作品のテーマや雰囲気に合わせて、色使いを工夫してみるのがよいでしょう。 色を活かしたニードルフェルトの制作は、創造性を最大限に発揮できる魅力的な表現方法といえます。
他の素材を組み合わせる
フェルト作品の表面に布やレース、リボンなどを付けるのは簡単な応用技術です。 布地の質感やパターンが作品の雰囲気を一変させ、ユニークな仕上がりになり、リボンやレースを立体的に配置すれば、アクセントにもなります。 また、フェルトの中に小さな石やビーズ、パーツを埋め込むのも面白い試みです。 これらの素材を上手に取り入れることで、より立体感のある作品が完成します。 質感の異なる素材を組み合わせることで、視覚的な深みも生まれます。 さらに、フェルトの表面にアクリル絵具やメタリックペイントを施して、独特の質感を演出するのも良いアイデアです。 絵具の濃淡や塗り方によって、まったく異なる雰囲気の作品に仕上がります。 このように、ニードルフェルトに他素材を融合させることで、従来にない新しい表現が生まれます。 素材の特性を理解し、作品のテーマやイメージに合わせて組み合わせを工夫することが重要です。 フェルト作品に他素材を組み合わせれば、より個性的で魅力的な作品を生み出すことができるでしょう。
立体的な作品を作る
基本となるのは、フェルト化したウールを型に沿って成形することです。 ウールを丁寧に層状に積み重ね、ニードルで繊維を絡めていくことで、望む形状を作り上げられます。 耳や角、尾など、立体的な部位を丁寧に成形するのがポイントです。 さらに応用的な技術として、フェルトした部品を組み合わせることで、より複雑な立体作品を制作できます。 例えば、手足や胴体、頭部などの部位を個別に制作し、組み立てることで、リアルな動物の造形などが可能になります。 部品の接合には、接着剤やミシン縫いなどを活用すると良いでしょう。 接合部分のデザインも工夫すれば、作品の雰囲気に合わせたデザインを実現できます。 立体作品の制作では、全体のバランスを意識することも重要です。 各部位のサイズ感や配置、動きなどを吟味し、統一感のある作品に仕上げましょう。 このように、ニードルフェルトの立体制作には様々な応用技術があります。 作品のイメージに合わせて、立体化の手法を柔軟に活用することで、より魅力的な作品を生み出せるでしょう。
フェルティングニードルとは?
そもそもフェルティングニードルとは、どのようなものなのでしょうか。まずは、フェルティングニードルの意味や使い方についてしっかり確認しておきましょう。
フェルティング専用の針
フェルティングニードルとは、フェルティング専用の針のことを表しています。羊毛などを針で繰り返しつついていくことにより、フェルト化させることが可能です。一般的な針とは違い、フェルティングに適した特徴を備えています。
針を使わずにフェルト化することも可能
羊毛フェルトなどを使って作品を作るときは、基本的にフェルティングニードルを使用します。ただし、フェルトを使った作品作りにおいてはフェルティングニードルを使用しない方法もあります。フェルティングニードルはフェルティング専用の道具なので、「ちょっとフェルティングに興味がある」という段階の人にとっては、購入するのは迷ってしまいますよね。そのような場合でも、ニードルを使用しない方法を選べばより簡単にフェルトによる作品作りを楽しむことができます。
普通の針との違い
フェルティングニードルは、普通の針とどのように違うのでしょうか。「針」と聞くと、家にある裁縫道具の針を代用できるのではないか、と感じる人もいるかもしれません。とはいえ、フェルティングニードルは普通の針とは大きな違いがあります。そのため、普通の針をフェルティングニードルとして使用するのは難しいでしょう。それはどうしてなのでしょうか。ここでは、フェルティングニードルと普通の針の違いについて説明します。
針先がギザギザしている特殊な作り
フェルティングニードルのいちばんの特徴は、針先がギザギザしているところです。針先がギザギザしているおかげで刺しながらフェルトを固定することができます。普通の針は先端が鋭くとがっているだけでギザギザしているわけではないため、フェルトに複数回刺してもうまく固定することができません。
ニードルそのものの代用は難しい
フェルティングニードルはとても独特な形状をしているため、他の針やとがったもので代用するのは難しいです。たとえば、一般的な縫い針やまち針は、羊毛フェルトを固定するために使用することはできません。また、つまようじなどのとがったものもニードルとして使うことはできないでしょう。フェルトを刺して固定したいと考える場合は、フェルティングニードルを用意する必要があります。
フェルティングニードルの代用になるもの
フェルティングニードルそのものを代用するのは難しいと説明しました。ただし、ニードルそのものを代用するのではなく、フェルトの固定方法を変更することは可能です。フェルトの固定方法はいくつかありますが、そのなかでもおすすめなのは石鹸水を使用する方法です。石鹸水を使用する方法とは、一体どのような固定方法なのでしょうか。ここでは、フェルティングニードルの代用として石鹸水を使用する方法とはどのようなものかを説明します。
フェルト化できる
石鹸水を使用するフェルトの固定方法とは、石鹸などの洗剤を混ぜた水を羊毛フェルトにしみ込ませることです。石鹸水を使用することでフェルトがきれいにまとまります。フェルティングニードルのような針を使用しないため、初めてでも安全に作品作りができるというメリットがあります。
コースターやブローチなどの作品作りが可能
石鹸水を使用してフェルトによる作品を作る場合、コースターやブローチなどの作品作りが可能です。工夫によっては、さまざまな作品作りができるので、石鹸水を使ってさまざまな作品を作ってみてはいかがでしょうか。
石鹸水で羊毛フェルトの作品を作る方法
では、石鹸水で羊毛フェルトの作品を作るには、具体的にどのような手順で作業を進めたらいいのでしょうか。当然ですが、石鹸水で羊毛フェルトの作品を作るときは、フェルティングニードルを使う場合とは異なる手順で作業を進める必要があります。ここでは、羊毛フェルトの作品を作るときに石鹸水を使用する手順について説明します。フェルティングニードルではなく、石鹸水を使って羊毛フェルトの作品を作りたいと考えている人はぜひ参考にしてみてください。
羊毛フェルトを巻いて土台を作る
石鹸水を使って羊毛フェルトの作品を作る場合も、まずは土台となる部分が必要です。羊毛フェルトをくるくると巻いて土台を作りましょう。土台は全体を固定する部分なので、なるべくしっかりと固めに巻いたほうがまとまりはよくなります。
土台を羊毛フェルトでくるむ
羊毛フェルトの土台ができあがったら、今度は土台を羊毛フェルトでくるんでいきましょう。作品のイメージに直結する部分なので、見た目に気を付けながら羊毛フェルトを付け足していきます。
石鹸水でフェルト化させる
作品に必要な羊毛フェルトをひととおりくっつけたら、いよいよ石鹸水を使用する工程に入ります。ここまでで作った羊毛フェルトの作品に石鹸水をつけ、フェルト化していきましょう。石鹸水を作品につけ終わったら、よく乾燥させることが大切です。
すすぐ
石鹸水が乾いたら、最後の仕上げに入ります。水で作品の表面に残っている石鹸の成分を洗い流しましょう。そうしたら、再びよく乾燥させ、十分に作品が乾いたら完成です。
石鹸水を使って羊毛フェルトの作品作りを楽しもう
石鹸水を使用すれば、初めてでも羊毛フェルトを使った作品作りを楽しむことが可能です。フェルティングニードルを使うよりも気軽に作品作りができるので、石鹸水を使用するのは初心者にもおすすめの方法です。石鹸は家にあるものを使用すればよいので、準備にそれほど手間もかからないでしょう。「まずは1回試してみたい」という場合にもおすすめです。なお、石鹸水を使用する方法では、作品を見ずにつけることになるのでよく乾燥させることが重要です。焦らず作品作りをおこない、しっかりと作品を乾燥させる時間をとるように心掛けましょう。
もちろん、より繊細で細かいアレンジを施したいという場合は、フェルティングニードルを使用したほうが幅は広がります。フェルティングニードルを使って作品を作りたいのであれば、少しずつ作業に慣れながら作品を作ってみるとよいでしょう。とはいえ、最初の段階では石鹸水を使用する方法でも、十分素敵な作品作りができるはずです。簡単なものから作り始めたほうが失敗も防げるので、羊毛フェルトを無駄にすることがありません。羊毛フェルトは種類によってはそれなりに値段がするので、丁寧に扱って大切にしましょう。石鹸水を使用する方法で、羊毛フェルトによる作品作りを少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。
まとめ
手作りフェルトは楽しい体験ができる素敵なクラフトです。 フェルティングニードルを使わなくても、石鹸と水を使って簡単に作れます。 羊毛を手のぬくもりで押し合わせながら絡め合わせていくのがコツです。 時間をかけてゆっくり行えば、思わぬかわいい作品が仕上がります。 初心者の方でも失敗する心配なく挑戦できる手軽さが魅力です。 粘着性のある石鹸の力を借りて、手作りならではの温かみのある作品を作れるのが嬉しいですね。 お子様と一緒に楽しんだり、リラックスしながらゆっくり制作するのもおすすめです。 気軽に始められる手作りフェルトを、ぜひ手作りの楽しさを味わってみてください。
- 通信講座のSARAスクール編集部
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心理カウンセラー資格やリンパケアセラピスト等の体系資格、食育資格などを扱うSARAスクール編集部が運営するコラムです。主に女性向けのキャリアアップやスキル習得を目的とした講座が多く、家事や育児と両立しながら学べる環境が整っています。資格取得を目的とした講座も充実しており、仕事や日常生活に活かすことが可能です。